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歯周病菌の感染時期っていつ?

虫歯や歯周病が感染症であることがだいぶ知られてきました🦠。特に虫歯に関しては、歯が出始めた頃から感染が始まることを知っている方が多くなってきたと思います🦷。とくに虫歯菌が1番感染しやすいのは、2才頃(概ね1才半から2才半。)です。この時期は『感染の窓』とも呼ばれており、本当に虫歯菌の感染が起きやすい、時期となっています。しかし、この時期を乗り切ると、虫歯菌の感染や虫歯になる可能性をずいぶん下げることができます😊。

 

一方、歯周病菌はどうでしょう。実は、歯周病菌と虫歯菌の感染の仕方は大きく異なります🦠。ひどい歯周病のお子さんってあまり聞いたことありませんよね。それもそのはず、歯周病菌の大ボスであるばい菌(Porphyromonas Gingivalis、ポリフィロモナスジンジバリス)の感染は早くても18才以降だからです😲。しかし、それまでは歯周病に注意しなくても大丈夫というわけではありません。大ボスのばい菌を呼び寄せるための下地作りが着々と進んでいます💦。

 

歯周病菌の感染はピラミッドを積み上げるような様式で感染が進んでいきます△。まずは最下層、害のない善玉菌や歯周病に対して弱い病原性を持っているばい菌が入り込んでいきます💦。これは小学校入学前から始まることがわかっています。そして、これらのばい菌が十分に定着すると、次に歯周病に対して中等度の病原性を持っているばい菌が入り込んできます💦。これは小学校高学年から中学校頃から始まるとされています。そしてこの、歯周病に対して中等度の病原性を持っているばい菌が十分に定着すると、歯周病に対して高い病原性を持っているばい菌が入り込んでくるんです💦。前述した歯周病菌の大ボスであるPorphyromonas Gingivalisはその中でも最上層、最後に入り込んできます。まさに大ボスです👿。

 

このように歯周病菌の感染は、幼い頃より長い時間をかけて様々なばい菌が感染することにより、ピラミッドの様に積み上げられていきます。必ず下層から順番であり、上層から始まることはありえません。Porphyromonas Gingivalisが棲み着くまで、着実にばい菌の質・量ともに増やしていく(プラークコントロールが悪い。)ことが必要なのです🥶。

 

1度ピラミッドができてしまうと崩すのは難しくなります😞。歯周病の感染の感染を防ぐには、このピラミッドを作らせないことが大事になります😊。ピラミッドは下層がしっかりしていないと、その上を作り上げることができません。幼い頃からのプラークコントロールが大事となり、しかも継続していく必要があります。お子さんの頃にこの習慣をつけるのがベストです👍。仮に作られたとしてもできるだけ小さなピラミッドにしたいですね。そうしたら、最上層に居座れるPorphyromonas Gingivalisが少なくなります。

小・中学生の頃にきちんとプラークコントロールができていた、虫歯が無かった、定期的に歯医者さんに受診をしていたようなお子さんは、歯周病菌に感染しにくく、歯周病も防ぐことができます👍。お子さんの頃は虫歯ばかりに目が行ってしまうと思うのですが、虫歯対策は歯周病対策にもなっています。頑張ってやっていきましょう。

 

虫歯や歯周病とお口の癌!

さて今回はお口の癌のお話です。みなさんはお口の中に癌ができることをご存じでしょうか❓。すべての癌の2%程ですので、あまりなじみは無いかもしれませんね。しかしお口に癌ができてしまい切除となると、見えやすいところであるため見た目の問題が大きく、食べる・しゃべるなどの機能にも影響がでることが多いため結構大変です😞。そんなお口の癌ですが虫歯や歯周病がその原因となりえるといわれています。

とはいっても虫歯や歯周病のある方すべてが口腔がんになるわけではありませんし、直接的な原因となるわけでもありません😅。発癌の要因となる後天的な遺伝子異常は、細胞が分裂するときに発生します。これは確率の問題となるため、細胞分裂が多くなるほど発生する可能性は高くなります。そして健全な組織より、常に傷ついていたり刺激を受けている組織の方が修復のため細胞分裂の数が多くなります。癌細胞ができる確率が上がるのです。

では虫歯はどうでしょうか❓。虫歯で歯が欠けたりしていると、欠けている部位が頬や唇、舌などに触れて、傷になったり刺激となります。それが何年も続くと癌が発症する可能性が高まるのです。

歯周病は歯ぐきの怪我そのものです。歯周病は歯ぐきが全体的に傷ついている状態と同じです。常にばい菌に刺激も受けています🦠。範囲も広くなることから、歯周病の方が悪質かもしれません。

そういったことを示唆する報告もあります。お口の中の癌が発症した患者さんの歯磨きの回数は、発症しなかった方に比べて有意に少なかったそうです💦。また、お口に中の癌が発症した患者さんは、虫歯や治療済みの歯が多く、歯周病も進んでいる傾向がみられました💧。お口の中の状態が悪いと、慢性的な刺激や炎症が常にある状態になり、修復のため細胞分裂の数が増えます。結果として癌発症の原因として影響を与えているといえます😅。

お口の中の癌の発症原因として、虫歯や歯周病はそんなに上位に入るわけではありません。必要以上に怖がる必要はないでしょう。どちらかといえば虫歯や歯周病そのものの為害性の方が大きいと思われます。どちらにしてもお口の中は、きれいにした方がよさそうですね😊。

ちなみに虫歯や歯周病だけでなく、歯並びや入れ歯なんかも歯ぐきや頬、唇、舌なんかを傷つけたり、刺激する要因になりえます。銀歯もアレルギーなどもあるぐらいですから、何かしら関わってくるでしょうね。恐がり過ぎるのも考え物ですが、少しは気にしてもいいかもしれませんね😢。

夜な夜な研いでいます🔪

今回はひかる歯科ちえこども歯科に務める歯科衛生士さん達のお話です。彼女たちが毎日のように研いでいるものがあります🔪。夜な夜なは嘘ですが、時間が空いた時に研ぎまくっています🔪。

歯科治療は外科処置が多いので刃物も多く使います。代表的なのは『メス』ですね。ただこのメスについては、現在は使い捨てのものがほとんどです😲。メスの先、刃の部分だけ替えられるようになっており、当然患者さん毎に替えています。昔はきちんと研いでいたのでしょう。漫画「ブラックジャック」の中でも、メスを研ぎ師に研いでもらうシーンがあります。その時は1千万支払っていましたね💦。良い仕事には良い道具が必要であり、それだけの投資も必要ということでしょうか。ちなみにこの回で、この研ぎ師は心停止で亡くなるのですが、遺言のような手紙が残されています。その内容は、「天地神明にさからうことなかれ、おごるべからず、生き死にはものの常也、医道はよそにありと知るべし。」となっています。実は医療とはなんなのかに踏み込んだ神回だったりします(/・ω・)/。医療従事者の中では結構人気のある回となっています😊。

すごい勢いで脱線しましたが🙇、ひかる歯科ちえこども歯科の歯科衛生士さんが研いでいるのは『ハンドスケーラー』といわれるものです。何をする器具かといいますと、歯石を除去する器具です。

歯石を除去する器具というと最近はピーっという音と振動、しかも水を出しながら使う超音波スケーラーが主流となっています。歯石を取ったことある方は必ず使われていると思います。これとは違って完全手用で用いる『ハンドスケーラー』と呼ばれるものがあるのです。超音波スケーラーではきちんととれない歯石や中等度の歯周炎以上の方に行う麻酔を使っての歯周病治療の際には大活躍します。まだまだ必要不可欠な器具です😲。

この『ハンドスケーラー』は複雑な歯の形態に対応するため、前歯用・奥歯用があったり、歯の面によって使い分けがされていたり、刃の大きさも様々となっています。種類が豊富で、結構研ぐのが大変です。今のところ『メス』のように先だけ替えるようなことはできません( ノД`)シクシク…。

しかし、研いである『ハンドスケーラー』と研いでいない『ハンドスケーラー』ではその差は歴然ですΣ(・ω・ノ)ノ!。まったく切れ味が違いますΣ(・ω・ノ)ノ!。患者さんに対して最小限の侵襲で最大限の結果を出すためには必要なことです。

この『ハンドスケーラー』を研ぐことをシャープニングと呼んでいます。ひかる歯科ちえこども歯科の歯科衛生士さんたちが真心こめてシャープニングした『ハンドスケーラー』を是非試してみてくださいね。お待ちしていますよ🔪。

 

インビザラインフルの治療事例に治療事例9を追加しました

インビザラインフルの治療事例に治療事例9を追加しました

上顎に食べ物が残りやすい・・・😞

今回は食事中のトラブルについての質問です。そのトラブルとは、『上顎に食べ物がよく引っ付いて残っている。』というものです。わかる方には、口蓋といった方がいいかもしれませんね。

御高齢の方やお子さんでの相談が多いです。食事をするといつも上顎に食べ物が残ってしまっているんですね💦。食事はしっかり飲み込まないといけません。確かに気持ち悪いし、気になりますよね😞。

この原因としては大きく2つです。対応法とともに見ていきましょう。

○唾液の分泌が悪い。○

唾液の分泌が悪いと食べ物をうまくまとめることができませんし、パサパサして飲み込みにくくなります💦。結果として上顎に残りやすくなります💧。御高齢の方で多い原因ですね。

唾液の減少については原因が多岐にのぼります。加齢やストレス、全身疾患や薬剤によるもの、唾液腺(唾液を作るところです。)への外科手術や放射線治療、口呼吸などたくさんあります😲。1度歯医者さんへ相談していただいた方がいいのですが、自分でやれる対応策もいくつかあります。

⓵、唾液腺マッサージ。

頬や下顎の骨の内側に大きな唾液腺があります。そこをさするように、押すようにマッサージします。くわしくは【唾液腺マッサージ】で検索してみてください。たくさんでてきますよ😊。

⓶、お口をしっかり動かそう。

食事をよく咬んでする、おしゃべりをたくさんする、お口の運動(あいうべ体操なんか有名ですね。)をするなどたくさん方法があります。

⓷、唾液がでやすくなる食べ物を食卓へ。

レモンとか梅干しとか、酢の物とかですね。唾液がでてきませんか❓。ちなみに私は梅干し苦手です😢。

⓸、水分補給をしっかりと。

御高齢の方ですと水分補給自体が足りていないことも多いです。脱水などの原因にもなりますので注意してくださいね🙅。

○舌の動きが悪い。○

こちらは御高齢の方、お子さんとも多い原因になります。特にお子さんでは最近増えています。対応策はお口をしっかり動かすことですね。特に舌に対する訓練は効果が高くなります👍。おしくらまんじゅうのように舌をあらゆる方向から指などで押したてそれを押し返す、舌を前方・左右・上下にできるだけ大きい範囲で動かしたりしましょう。舌圧子やペコぱんだ🐼など、舌を鍛える道具も売っていたりしますよ。唾液の分泌も促進され一石二鳥です😊。

最近はお口の機能低下が問題となっており、それに伴うトラブルも増えています。保険診療でもその改善を目的とした、検査や治療が保険導入されたぐらいです。お口は食べたり、しゃべったり、とても大事なもの。できれば普段の生活の中で鍛えられるといいですね。

歯科医師国家試験合格発表!2025年!

入試シーズン、みなさんはもう終わりましたか❓。受験者本人はもちろん、ご家族の方も心配ですよね。私達家族の中では、今年長男が高校受験でした。心配していたのですが、やってくれましたね。結構ぎりぎりの戦いだったのですが、本番に強いのか❓。次は大学受験、もう少しやる気がでるいいんですけどね💦。誰かやる気スイッチの場所を教えてください。そもそもあるのかな❓。

 

さて、この時期になると私達歯医者さんに嫌でも耳に入ってくるのが、歯科医師国家試験合格発表です😊。毎年1・2月頃に試験が行われ、3月に合格発表となっており、合格発表では大学別、新卒、既卒ごとに受験者数、合格者数、合格率まで発表されます😊。すでに合格しており、そんなに興味も無い(笑)ため、試験日や合格発表日も調べませんし、知りません。しかし、毎年ですが、合格発表日当日、遅くとも次の日には不思議と情報が入ってきます。そんな感じなのですが、母校の合格率はちょっと気になったりします。

 

歯科医師国家試験は近年難度が上がっています💦。通常医療系の国家試験はある一定レベル(基準点)に到達していれば合格という選抜試験がほとんどで、合格率も割と高めです😊。例えば医師国家試験や看護師国家試験は90%程度の合格率、歯科衛生士国家試験や歯科技工士国家試験は90~95%ぐらいの合格率で推移しています。普通にやっていればまず落ちません。昔は歯科医師国家試験も合格率90%前後だったようです。

 

しかし最近の歯科医師国家試験は、合格率65%前後で推移しています。合格者数が毎年2000人前後で固定化しており、選抜試験というよりは競争試験となっています。私の時の合格率が83.3%でしたので、この20年程でだいぶ下がっていますね。もし、今受けたら、、、、、いや、受かる受かる、きっと大丈夫。優秀だったよ💦。それでは気を取り直して、私の母校の合格率をみてみましょう(笑)。

 

九州大学歯学部   73.7 %(去年65.2%)

全     体   70.3 %(去年66.1%)

 

おおっΣ(・ω・ノ)ノ!。全体の平均をひさびさに上回ったーーーーー🎉。国公立大学最下位脱出🎉。頑張ったー🎉。まあ、国公立大学ブービー賞なんですけどね、、、、、。

 

ちなみに合格率ナンバーワンは今年も東京歯科大学で95.6%です。何年連続でしょうか。東京歯科大学は毎年合格率が高いんですよ。きっちり対策しているんだと思います。大したものです。ちなみに合格率最低は40%台となっています。6年通ってこれはちょっときつい、、、、、😞。

 

歯医者さんになるためには、この歯科医師国家試験に必ず受からないといけません!そのため国家試験の合格率はとても大事になります。もし、歯医者さんを目指す方がいらっしゃったら、この大学別の合格率も参考にしてくださいね。結構差がありますよ。

お口の粘膜の色をみてみよう!

今回はお口の粘膜にできる病気についてです。お口の中を覆う粘膜を総称して口腔粘膜と呼んでいます。具体的には歯ぐきや唇、頬内面、舌、硬口蓋、軟口蓋などですね。歯以外全部といってもいいでしょう。私達歯医者さんがお口の中をみるときは、歯や歯ぐきだけでなく、口腔粘膜に異常がないかも常に気をくばっています。必ず治る口内炎や血豆、大きな害のない粘液のう胞(唾液が溜まっているだけ。)なんかはどうでもいいのですが、ときおり気を付けないといけない口腔粘膜病変に出くわすことがあります💦。そんな気をつけるべき口腔粘膜疾患や、特に問題は無いけれど患者さんから質問の多い口腔粘膜の状態についてみていきましょう。テーマは色🌈。白、赤、黒、黄に分けて説明していきますね😊。

  • 白い口腔粘膜病変。●

◎口腔カンジダ症。◎

お口の粘膜に灰白色や乳白色の点状、線状、斑紋状の白苔がみられます。頬内面や口蓋、舌にできることがおおいですね。特徴としてはガーゼなどで簡単に拭き取ることができます。

症状としては口腔粘膜のざらざら感や味覚異常、痛みなどです。原因はお口の中の常在菌であるカンジダ菌🦠、通常は悪さをしない真菌(カビ。)です。しかし、老化や様々な病気などで体の抵抗力が落ちると発症します。日和見感染と呼んでいます。そのため御高齢の方でみかけることが多いですね😞。

対応法はお口の中を清潔に保つこと、そして抗真菌剤の使用となります。

◎口腔扁平苔癬。◎

網状、レース状の白斑に加えて赤みが伴うことも多いですね。よくできるのは頬内面と歯ぐきと頬内面の境目(歯肉頬移行部といいます。)です。女性に多く、C型肝炎ウイルスに感染している方にでやすいという報告があります💦。

無症状のこともありますが、食べ物がしみたり、触れると痛むなどの接触痛、粘膜の荒れ、味覚異常などでることも多いです。原因がはっきりわかっていませんが😞、歯科用金属に対するアレルギーや遺伝的素因、ストレスなどの関与が考えられています。

対応法としては歯科用金属アレルギーを疑う場合は金属の除去を行います。お口の中を清潔に保ち、症状が強い場合はステロイドの軟膏を塗布します。

実はこの口腔扁平苔癬、前がん病変といって注意が必要な疾患です😲。がん化率は1%程度で高くはないのですが、必ず経過観察すべき疾患で、必要があれば生検(一部を切り取り顕微鏡下で詳しく調べること。)を行います。

◎白板症。◎

口腔粘膜に除去できない白斑がみられます。形状はヒダ状、波状、平坦状、潰瘍状、結節状など結構バリエーションがあります。舌や頬内面、歯ぐきにできやすいですね。男性に多く、飲酒や喫煙をされている方にできやすいです💧。

痛みなどがなく無自覚なことが多いのが特徴です。あってもざらつきや違和感程度です。原因ははっきりわかっていないのですが、 飲酒や喫煙、歯の尖った部分による長期の刺激などが関与するといわれています。

対応法としては飲酒や喫煙に対する生活指導や歯の尖った部分があればその部位の治療や丸めてあげたりします。

この白板症も前がん病変となります😲。がん化率は5%ほどと若干高めでしょうか。特に舌に発症した場合、他の部位よりがん化率が高くことが多いようです。必ず経過観察すべき疾患で、必要があれば生検やがんに準じた切除術を行います。

  • 赤い口腔粘膜疾患。●

◎紅板症。◎

境界明瞭な紅班がみられます。舌や歯ぐき、頬内面、舌の下などに多くみられます。60才以上の御高齢の方にできやすいです。

食べ物がしみる、触れると痛むなどの接触痛を伴うこともありますが、無自覚無症状なことも多いです。原因はよくわかっていません。

前がん病変のなかでもがん化率が断トツで高く、長期経過において50%のがん化率をほこります😲。かなり注意な疾患です。対応法はがんに準じた切除術を行います。

◎多形滲出性紅班。◎

粘膜に紅班、びらん、水疱などがみられます。できやすいのは頬内面、唇、舌などですね。紅板症と似ているのですが、こちらは発熱や全身倦怠感などを伴う点で異なります💦。

原因はヘルペスウイルスや肺炎マイコプラズマの感染、抗菌薬や抗炎症薬などのお薬に対する反応などが挙げられますが、原因不明のことも多いです。

重症化すると高熱や全身の皮膚にまで紅班がでてきます。ここまでくると皮膚化や内科との連携が必要な状態で、中毒性表皮壊死融解症やスティーブンス・ジョンソン(Stevens-Johnson)症候群と呼ばれます。お薬の副作用の欄によくみかける疾患です💊。

  • 黒い口腔粘膜疾患。●

◎色素性母斑。◎

境界明瞭な茶褐色から黒褐色の母斑がみられます。難しく書きましたがいわゆる黒子(ほくろ。)のことです。10代から40代の女性に多い傾向があります。痛みや違和感なのでの症状はなく、無自覚なことがほとんどです。

治療の必要はないのですが、見た目の問題などで気になる場合はレーザーなどで切除することもあります。

注意点としてはお口の中に黒子ができることは少ないことです。確率は低いのですが後述する悪性黒色腫(がん。)との鑑別が必要で、広がらないか経過をみた方が安心ですね😊。

◎外来性色素沈着。◎

灰黒色や青紫色の着色がみられます。よくできるのは歯ぐきと頬内面ですね。歯科治療で金属などを切削したときにでた細かい破片などの残留や、詰め物や被せ物の金属の溶出によって起こる色素沈着です。いわゆる刺青の状態と同じで、metal tattooと呼ばれることもあります😅。

痛みや違和感などの症状はありません。基本的に治療の必要はありませんが、見た目が気になる場合はレーザーなどで切除を行います。また原因となっている詰め物や被せ物がある場合はやり替えが必要です。

◎黒毛舌。◎

舌の表面が黒く毛が生えたような状態になります。名前のまんまですね。抗菌薬やステロイドを長期で服用している方で起こる事が多いです。

原因は菌交代現象によるお口の中の細菌叢の変化のためです。菌交代現象とは生体において正常菌叢の減少などにより、通常では存在しないあるいは少数しか存在しない菌が異常に増殖を起こし、正常菌叢が乱れる現象をいいます。通常時に大勢を占める細菌が抗菌薬などで減少、普段は目立たない舌を黒くさせるばい菌が増えてしまっている状態です🦠。

痛みや違和感などの症状はありませんが、目立つ場所のため患者さんが気づくことが多いです。対応としてはお口の中を清潔に保つこと、できれば服用しているお薬の変更や中止をお願いします💊。

◎悪性黒色腫。◎

腫瘤状、膨隆状の黒い隆起がみられます。好発部位は口蓋で、40才以上の方にできやすいです。痛みや違和感などの症状はないことがほとんどです。

かなり悪性度の高いがんとなります😢。治療は医科とも連携し、外科的な切除療法、抗がん剤による化学療法、放射線療法などを行います。前述した色素性母斑との鑑別が大事です。

  • 黄色い口腔粘膜疾患。●

◎脂肪腫。◎

粘膜下に無痛性の腫れがあり、黄白色を呈します。いわゆる脂肪の塊です。脂肪って黄色いんですよ。症状はほとんどありません。

良性の腫瘍のためそのまま経過をみても大丈夫です😊。病変が大きくなりお口の機能に支障が出る場合は切除術を行います。

◎フォーダイス(Fordyse)班。◎

境界明瞭な黄色の点状の集まりがみられます。好発部位は頬内面や唇で、思春期以降の男性に多いです。加齢とともに増える傾向がありますが、皮脂腺が集積しているだけで、病気ではありません。

痛みや違和感などはありませんし、治療の必要もありません😊。

いかがだったでしょうか。他にも口腔粘膜疾患はたくさんあるのですが、代表的なものを挙げてみました。特に注意が必要なのは前がん病変といわれる口腔扁平苔癬、白板症、紅板症でしょうか👍。ひかる歯科ちえこども歯科でもちょこちょこみかける疾患です。

お口の粘膜は体の中でも直接みることができる唯一の粘膜です。口腔粘膜に直接できる疾患も注意が必要ですし、全身的な疾患の1症状として口腔粘膜に異常がでることもあります。是非観察してみてください。変だな思ったらいつでもみせてくださいね。

3月7日は休診日です

3月7日は金曜日ですが、休診とさせていただきます。

8日から通常診療です。

どうぞよろしくお願い致します。

入れ歯を支える歯に注意です 

歯を失った場合、大きく3通りの方法があります😢。歯と歯を繋げるブリッジ、取り外し式の入れ歯、そして人口の歯の根っこを埋め込んで歯を立てるインプラントです。インプラントが最もベターな選択肢ですが、それぞれ良いところ、悪いところがあります。

その中でも、入れ歯はどんな歯の無くなり方にも対応できる優れものです。歯を削らずにできますし、外科的な治療も必要無いため、古くは室町時代から入れ歯は使われています😲。ちなみに当時は木製です。すごいですよね😅。入れ歯は嫌だという方も多いですが、現在においても主要な歯の回復方法の1つです。

そんな入れ歯ですが注意しないと、さらに歯を失う破壊装置になることがあります💦。総入れ歯の方は大丈夫です。部分入れ歯の方でのお話となります。

みなさんは部分入れ歯をみたことはありますか❓。部分入れ歯にはクラスプと呼ばれる、歯に引っ掛けるバネがついています。部分入れ歯はこのクラスプにより支えられています。とても大事なものなのですが、引っ掛けられている歯には当然力がかかってしまいます。

では、どんな力がかかるのでしょうか❓。

✕咬む力・沈み込む力。✕

この力はどんな入れ歯でもかかってきます。入れ歯にかかる咬む力・沈み込む力をクラスプのかかっている歯が受け止めています。もちろん歯ぐきも受け止めてくれていますが、歯への影響も大きいです💧。入れ歯が大きいほどこの影響は大きくなります。

✕揺さぶる力。✕

この力もどんな入れ歯にもかかってきます。入れ歯は完全に固定されているわけではありません。様々な力で必ず揺さぶられます。これが歯にも伝わります💧。やはり入れ歯が大きいほど影響は大きくなります。

✕歯を引っこ抜く力。✕

入れ歯を外すときにかかる力です。ただそれよりも問題になるのは、入れ歯の片端に歯が無いときです😞。入れ歯の両端に歯があるときはまだいいのです。歯が無い端の方で入れ歯を使って物を咬むと、作用反作用やてこの原理で、歯がありクラスプのかかっている反対側の歯に抜けるような力がかかります。これも入れ歯が大きいほど強くかかりますし、かなり不利な力になります💧。

入れ歯のクラスプが欠けてある歯はトラブルが多いです。だんだん歯の揺れも大きくなっていくことが多いですし、欠けたり割れたり、人工物が入っているとはずれることも多いですね😢。私達歯医者さんもそういった力には注意して入れ歯を設計していますし、入れ歯を入れた後も入れ歯を支える歯には気をつかっています。それぐらい悪くなりやすいのです。

入れ歯を1回入れると、入れ歯をかける歯が悪くなって、新しく大きくなった入れ歯を入れる。そしてまた、新しい入れ歯をかける歯が悪くなって、入れ歯がさらに大きくなる。こんな悪循環が起こりやすいです😢。入れ歯を入れた後も、入れ歯を入れた後だからこそ、しっかり定期的にみせていただければと思います。

歯周病検査(歯茎の検査)の違和感

今回は歯ぐきの検査についてです。歯ぐきの検査は、歯と歯ぐきの間の溝の深さ(歯周ポケットの深さ。)、歯ぐきからの出血、歯の揺れ、歯ブラシの状態などを見る検査で、歯ぐきの状態を把握する大事な検査です👍。保険診療では歯周病治療(歯石を取るなども含まれます。)の前やその節目、定期健診時にも適切な時期に行わなければならない検査となっています。歯石を取ったことがある方は、受けたことあるはずの検査です。でもなぜか、受けたことがないという方が多い不思議な検査でもあります❓。説明してないのかな❓。

この検査ですが、歯ぐきを実際にさわって測定していきます。その際のさわり方や加える力は決まっているのですが、人によっては結構痛みを感じることがあります。特に最初に行う検査のときですね。原因としては大きく2つです。

  • 歯ぐきの荒れが強い。

歯ぐきの荒れが強いと、歯ぐき表面が傷ついた状態になっているため痛みを感じやすいです。出血もしやすいですね。特に歯周病治療を行う前の、最初の検査のときが1番痛みを感じやすい傾向があります。

  • 痛がりさん。

人それぞれですね。この検査が嫌いな方は結構いらっしゃいます😢。

対応方法もありますよ😊。

◎表面麻酔を行う。

塗るしびれ薬ですね。これを歯ぐき全体に塗った後に検査進めます👍。痛がりさんには効果は抜群です。

◎先の細くない検査器具を使う。

検査器具の先は丸めてあり、尖ってはいません。それでも細い方が痛みはでやすいです。

◎先に歯周病治療を進める。

本来は検査が先です。歯周病の状態をしっかり把握し治療を進め、よくなっているかを再度検査で判断します。しかし痛みを訴えられると、正確な検査ができません💦。私達歯医者さんも人の子です。痛がる患者さんにしっかりと検査器具をつっこんでさわるのは気が引けます💧。

そこで先に歯周病治療を進めます。もちろん検査で痛みが強いわけですから、歯周病治療も痛みを感じやすい状態です。その中でもできる治療(歯磨きの指導や除去できる歯石から少しずつ取っていくなど。)を先にしてしまいます。そうすると歯ぐきの荒れが減っていき痛みを感じにくくなるので、改めて検査をさせていただきます。

歯ぐきの検査は歯周病の状態把握や、歯周病治療で改善しているかの判断、そして定期健診時に歯ぐきの状態が安定しているかを判断する大事な検査です。きちんとした方がいい検査になります😊。しかし、痛みを感じやすいのも事実。不安がある、前回の歯ぐきの検査で痛みがあった場合はご気軽にご相談ください。

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