インプラントも状態が悪くなるの?②
さあ、続きです。①ではインプラント本体、上部構造、アパットメントで起こる不具合についてみてみました。次はそのインプラント全体を支える歯ぐきや骨についてです。家でいうと地盤にあたります。1番重要なところですね。
歯を失う2大疾患は虫歯と歯周病です。インプラントは虫歯にはなりません。この点は歯より優れています👍。では、歯周病はどうでしょうか❓実は歯周病にはなってしまうんです。うーん、残念。
歯周病は歯ぐきに病変が限局した「歯肉炎」と骨まで病変が達している「歯周炎」に分けられます。インプラントにおける歯周病もこれに準じて、歯ぐきに病変が限局した『インプラント周囲粘膜炎』と骨まで病変が達している『インプラント周囲炎』に分けられています。有病者率は結構高く、『インプラント周囲粘膜炎』が約6割、『インプラント周囲炎』が約2割とされています。結構高いですよね😲。歯周病の有病者率もかなり高いですから、仕方がないのかな💦。とはいっても、この『インプラント周囲炎』、インプラントを失う1番の原因となっています。インプラントをされている方は注意が必要です。
それぞれの特徴をみていきます。まず、「歯肉炎」と『インプラント周囲粘膜炎』からです。これらは病変が歯ぐきに限局している状態です。病変の状態(いろいろな細胞の分布や数など。)もよく似ていることがわかっています。「歯肉炎」はプラークコントロールしっかり行うことで治る疾患です。病変の状態が似ている『インプラント周囲粘膜炎』もプラークコントロールをきちんとおこなうことで治癒させることが可能です👍。
問題は次、「歯周炎」と「インプラント周囲炎」です。この2つは骨まで病変が達している疾患となります。しかし病態の状態には大きな違いがあることがわかっていますΣ(・ω・ノ)ノ!。くわしくみてみると『インプラント周囲炎』では、炎症がある場合に出現する細胞の数が圧倒的に増加し、しかも急性期の炎症に出現しやすい細胞の数が特に増えていました。さらに『インプラント周囲炎』では、その炎症が直接骨、そして骨髄まで広がっていることがわかっています💧。
これらのことから、インプラント周囲では感染に対する抵抗性が弱いこと、また炎症が短時間で急速に進行しやすいと考えられています。実際のそれを証明した研究もあります。さらにタチが悪いのは通常の「歯周炎」より治療も難しくなりますことです。
さきほども述べましたがこの『インプラント周囲炎』はインプラントを失う1番の原因ですあり、歯周病よりも注意が必要です💦。特に歯周病で歯を失ってインプラントをされている方は注意しましょう。定期的なメンテナンスに通っていただき、悪くなっても『インプラント周囲粘膜炎』で済むようにすることが大事です。
いかがだったでしょうか。インプラントは歯を失った際に1番Betterな治療です。ただやっぱり歯と一緒で悪くなる可能性はあります。虫歯にはならないが、歯周病にはより注意が必要と考えていただければいいと思います👍。せっかくいい治療をされているのですから大事にしてくださいね。
2023年10月28日 | カテゴリー:新着情報, これがお薦め ホームケア, 歯科の豆知識 Q&A, 院長からの発信 |