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2023年7月

うちの子黒い着色がいっぱいつくんですけど!

今回はお子さんに時々みられる症状についてです。その症状とは、『歯全体に黒い着色がいっぱいつく。』というもの😲。これが本当にたくさんついています。それはもう、文字通り「歯全体」にです。大人ですとヘビースモーカーの方が似たような状態になっていることがありますが、それよりひどい時もあるぐらいです💦。初めてみるとびっくりしますよね💧。

 

この症状、【Black Stain】と呼ばれています。国によって出現率に差がありますが、大体2~20%ぐらいのお子さんに認められ、早いお子さんは2才頃からみられます。実際、当院に通われている患者さんにもいらっしゃいます。

 

一般に歯につく着色というとお茶🍵やコーヒー☕、タバコ🚬などの影響をいわれますが、この【Black Stain】は少し原因が異なります。なぜついてくるのか完全に解明されてはいないのですが、1番は細菌性の原因が大きいようです。この黒い色は細菌により産生された硫化鉄に由来しているといわれています。【Black Stain】を生じているお子さんのお口の中には、この硫化鉄を産生する細菌の比率が高いこともわかっています🦠。

 

また唾液の成分や作用も関係しているといわれています。【Black Stain】がみられるお子さんでは、唾液中のカルシウムやリンの濃度、また唾液の緩衝能(酸性に傾いたお口の中をもとの中性に戻す作用。)が高いことがわかっています。こういった方は歯石もつきやすかったりしますけどね😅。

 

ではこの【Black Stain】、何か悪いことをするんでしょうか❓実はお口の中で悪さをすることはありません。見た目の問題だけです。ただかなりたくさんついてくることので、気になる場合は頻繁に歯医者さんで取るしかありません。自分で取るのは困難です( ノД`)シクシク…。

 

ではなにか良いことはないのかというと、これがあったりします😲。【Black Stain】があるお子さんは虫歯になりにくいです。確かに当院に通われているお子さんでもその傾向はみられます。この理由は硫化鉄を産生する細菌の比率が高い分、虫歯菌の比率が下がるためです。また唾液中のカルシウムやリンが多いこと、唾液の緩衝能が高いことも虫歯を抑制する方向に作用します。

 

では治すにはどうすればいいのでしょうか❓これについては残念ながら治療法は確立していません。ただお子さんの【Black Stain】は、成長するにつれて自然に無くなっていくことほとんどです。だんだん硫化鉄を産生する細菌の比率が減ってくると考えられています。ただ、その代わりに虫歯菌や歯周病菌の比率が高くなっている可能性もあるため注意が必要です🙅。

 

大人の方でも着色が付きやすい方はいます。こういった方も食生活や歯ブラシだけの問題では無く、細菌の比率や唾液の成分や機能が関わっている可能性が高いです。前述した通り着色自体は何も悪さはしませんのでそこは安心していただければとは思います😊。

 

とはいっても気になる方はいつでもお声がけください。着色を取るだけでも来ていただいて大丈夫ですよ。

セミナーに行ってきました! (in 東京、御茶ノ水)(すぐ隣は秋葉原。)

実習付きセミナーin東京―――――Σ(・ω・ノ)ノ!

 

7月15日(土)から17日(月)まで東京に勉強しに行ってきました。コロナでなかなかいけない時期が長かったのですが、昨年の秋ぐらいから積極的に行くようにしています。私だけでなく副院長、働いてくれている歯科衛生士さんもいろいろと行っていますよ😊。やっぱりテンションあがります👍。

 

オンラインでのセミナーもあるのですが、やっぱり直接聞くのが1番ですよね。オンラインは何故か眠くなってしまうんです💤。何故なんでしょう❓そもそも歯医者さんのセミナーは実習付きが多いため、オンラインでは難しいことも多いんです。

 

今回のセミナーは、ひかる歯科ちえこども歯科が力を入れているお子さんの歯並びについてのセミナーです。当

院がお子さんに提供したい歯並び治療としては、いくつかテーマがあります。

 

⓵、歯並びが悪くならないよう予防する😊。

(お子さんの成長を見ていく中で、歯並びが悪くなりそうな傾向があり、矯正治療以外でできる歯並び治療があれば提案・処置をしていきます。)

 

⓶、見た目はもちろん、機能もしっかり😊。

(歯並びや咬み合わせはもちろん、お口の周りの機能全般を改善していきます。お口の周りの筋肉の強化(舌や唇、頬など)や正しい呼吸や飲み込み方法の説明・指導を行います。)

 

⓷、歯を抜かない歯並び治療😊。

(やっぱり抜きたくはありません。)

 

⓸、痛くない、目立たない歯並び治療😊。

(お子さんにやさしくです。)

などです。

すべてを成り立たせるのはなかなか難しかったりします(´ε`;)ウーン…。しかし今回のセミナーは、これらを高いレベルで網羅してくれる内容となっています。講師の先生は『各務 肇(かがみ はじめ)』先生、御年80を超える先生です😲。もう40年以上セミナーを開かれています。本も書かれていますので検索してみてください。現在、各務先生の治療法はひかる歯科ちえこども歯科において、お子さんの歯並び治療における柱の1つとなっています。

 

しかしすごいのは、その臨床に対する意欲、そしてそれを伝えたいという情熱ですね。有無を言わせない説得力があります。じつはセミナーの半分以上は臨床とは関係のない雑談だったりしますが(どんどん脱線していくんです💧。)、その中にも役に立つ情報があったりして耳が離せません。本当にいろいろな経験や勉強をしてこられたんだなと思います。あやからねばΣ(・ω・ノ)ノ!。爪の垢くれないかな、、、、、。

 

今回は実習付きですので各務先生によるデモもありました。うーん、うまい😲。なぜそうなる😅。同じようにはとてもできない😞。というか、各務先生だから治るのでは❓と思うほど、、、、、。でもとても勉強になりますし、うまくできると自信になります。もっと精進せねばですね😊。

 

ちなみにこの各務先生のセミナーは5段階あります。私はまだ2段階目なのですが、副院長は5段階すべて受講済( ゚Д゚)。しかも再受講に時々行っています。とても魅力のあるセミナーなんですよ。ひかる歯科ちえこども歯科全体で少しでも各務先生に追いつけるようにがんばります👍。

甘い物食べたい! ですよね

みなさんは甘い物好きですか?食べたくなっちゃいますよね。私も糖質制限をしている身にもかかわらず、時々食べたくなる。そして誘惑に負けてしまう時があります。おいしいですよね。

さて、この甘い物、虫歯菌の大好物でもあります。患者さんの中には虫歯にならないよう甘い物をとらないようにしている方や、お子さんに与えないようにされている方もいらっしゃいますね。もちろん悪いことではありませんが、それがストレスになっては困りもの。お子さんの場合、我慢させすぎると大人になってからその反動がくることもあります。甘い物を食べるのも人生の幸せの1つです。節度をもって食べれば大丈夫。今回はそんなお話をしていきますね😊。

では、どんなことに気をつければいいのでしょうか?

 

⓵、食後のデザートとして一緒に食べましょう!

どのみち食事はとりますよね。だったら同じタイミングにしましょう。虫歯の原因は甘い物だけではありませんしね。

 

⓶、食事やおやつの時間を決めて食べましょう!

規則正しくです。食事やおやつに限らず大事ですよね。特に小さな頃にこういった意識を持てるといいですよね。

 

⓷、だらだら食べない!

食事やおやつに全集中(古い!)です。しっかり楽しみましょう。

 

①~③の目的は一緒です。

⓵、⓶、⓷については間食の回数を減らす、だらだら食べないことが1番の目的です。食事の後はお口の中が酸性に傾き、虫歯に対して不利な状態になります。30分もすると唾液の作用などで中和されますが、間食が多くだらだら食べていると不利な状態がずっと続いてしまいます。お口に食べ物(砂糖などを含む飲み物も含めて。)を入れるのは1日5回までなら虫歯のリスクはそんなに上がらないといわれています😊。しかし、7回以上になると明らかにリスクが上がります。

 

⓸、虫歯になりにくい甘味料をうまく使おう!

代表的なのはキシリトールでしょうか。虫歯の原因菌が利用できない甘味料ですね。多く食べると下痢をしやすくなったりと他の問題もありますが、是非活用しましょう。

 

⓹、間食を工夫しよう!

どうせ食べるなら、歯ごたえのある甘い物(グミなど)や、ビタミンや食物繊維をたっぷり含む甘い物(フルーツなど)にしましょう。

 

⓺、歯磨きをしっかり!

まあ、基本です。一番大事です。

 

⓻、フッ素を活用しましょう!

歯を強化してくれるフッ素を活用しましょう。家でできること(歯磨き粉やフッ素洗口など)、歯医者さんでできること(フッ素塗布)とあります。

 

☆定期健診を受けましょう!

悪くなってないか要チェックです。

甘い物をたべることは人生の楽しみです。ストイックに我慢するのも、かっこ

いいですが、その楽しみを自ら放棄してはもったいない。食べ方、歯磨き、フッ素、定期健診をうまく活用して甘い物を楽しみましょう。

7月15日 土曜日は休診とさせていただきます

こんにちは。

いつも大変お世話になっております。

7月15日土曜日は研修のため、休診とさせていただきます。

詳しい予定はhpの診療カレンダーをご覧ください。

どうぞよろしくお願いいたします。

口臭の原因は?

口臭気になりますよね!実は私も気になります。最近はずっとマスクをしていたので、あまり気にせずにすんでいました。外せるのは嬉しいのですが、口臭がしてないか気になりますよね。自分ではわからないからですね。

 

実は調査結果で8割の方が口臭を気にされていると言われています。結構多いですよね。比率は女性の方が多く、40代あたりが1番きになる方が多いとのことです。しかし、実際に歯医者さんなどに口臭を主訴に通われるのは、1割ぐらい。多くは放置しているか、ガムや洗口液などでごまかしているようです。

 

それでは、口臭の原因はなんなのでしょうか?まずは病的ではない口臭についてみていきましょう。

☆生理的口臭😊

臭いの強さは人によって異なりますが、誰にでもある口臭です。食事や歯磨きをすることで弱まります。

特徴としては朝起きた時や、お腹が空いている時、緊張している時に臭いが強くなる傾向があります。特に朝起きた時ですね。これは唾液の量が減ってしまい、その間にお口の中の細菌が増加、細菌によって作られる臭いのもと(揮発性の硫黄化合物)も増加するために起きる口臭です。生きている限り当たり前に起こる口臭と思っていただいてかまいません。ゼロは不可能です💦。

 

また時期的な生理的口臭もあります。例えば思春期の口臭。これは性ホルモンの影響で男女とも体臭・口臭とも強くなる傾向があります。また、女性特有の口臭としては女性ホルモンの影響(生理や妊娠など。)によって、口臭が強くなることもあります。こういった、一時的に強くなる口臭は心配の必要はまったくありません。

 

また生理的口臭とは少し毛色が異なるかもしれませんが、原因のはっきりした一時的な口臭もありますね。わかりやすい例はニンニクやニラをたくさん食べた後や、お酒を飲んだ後ですね。私もお酒を飲んで帰ってきて、娘にほおずりしたら露骨に嫌がられたことがあります。まだ娘が5才ぐらいの時です。ほおずり自体が嫌だった可能性もありますが、そこは考えないようにしましょう((´∀`*))。

 

こういった臭いは自分ではあまりわからなかったりしますよね。まだ勤務医だった頃、その医院の院長ともつ鍋を食べにいった次の日、自分では大した事ないと思っていたのですが、スタッフに「今日の院長と先生の臭いはやばいですよ。勘弁してください。」と言われた(怒られた?)ことがあります😅。それ以後、次の日が診療の時は気を付けるようにしています。ちなみのこういった口臭は胃の中から臭っているわけではありません。一度胃腸から吸収された臭い成分が血液の中に溶け込み、肺などからでてきて口臭となります。ブレスケア効果あるのか?

 

またタバコの臭いもありますね。ただ、タバコの臭いは一時的ですまないこともあります。タバコをずっと吸われている方は、肺にニコチンやタールが染みついていることがあります。禁煙をしても、すぐには臭いが無くならず、しばらく残ってしまうようです😞。せっかくやめたのに、、、、、。

 

では次に病的な口臭に入っていきましょう。病的な口臭は大きく3つに分けられます。

 

☆仮性口臭症、口臭恐怖症💧

☆お口以外の部分に原因がある口臭💧

☆お口の中に問題がある口臭💧

1つ1つみていきましょう。

 

☆仮性口臭症、口臭恐怖症💧

患者さんは口臭を訴えるのですが、社会的容認限度を超える口臭が認められない場合に分類されます。心理的な口臭です。特徴としては自分で口臭を気にされてはいますが、他人からの指摘は受けていないことがあります。また話している時などに、お口の周りを隠すなど、口臭を気にされる仕草が多いことも特徴でしょうか。検査結果を用いたカウンセリングなどで改善すれば仮性口臭症、それでも改善しなければ口臭恐怖症となります。口臭恐怖症になると、1歯科医院だけで対応しても改善は難しく、精神面で専門的なサポートが必要になってきます💦。

 

☆お口以外の部分に原因がある口臭💧

耳鼻咽喉科疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、内分泌系疾患など様々な疾患が原因となります💦。その疾患に応じた、特徴的な臭いがでることもあり、状態によっては原因の特定が容易なこともあります。ただ、病的な口臭の中で占める割合は10パーセントあるかないかで頻度は低いです。

特に原因として多くなるのは耳鼻咽喉科疾患、鼻が悪いと鼻で呼吸ができなくなってしまいます。必然的に口呼吸にあるので、お口が乾燥して口臭がしやすくなってしまいます😞。お口の中とも絡んできますが、これは結構多いです。

☆お口の中に問題がある口臭💧

口臭のほとんどはこれにあたります。報告により若干のブレはありますが、病的な口臭の7割から9割はお口の中に原因がある口臭なんです😲。

歯垢・歯石💦

お口の中に問題がある口臭の最大の元凶といっても過言ではありません。この後の項目のほとんどは、この歯垢や歯石が原因となっていたり、それらを溜まりやすくしたり、清掃しにくくする要因です。汚れと言ったりしますが、細菌の塊です。うがい程度ではとれません、歯磨きをしっかり行うとともに、定期的なクリーニングを歯医者さんで受けましょう。

虫歯💦

虫歯が小さなうちは口臭がきつくなることはありません。しかし進行してくると、虫歯の穴に歯垢がつまりやすくなります。細菌数も急激に増え、臭いのもともどんどん増えます。その結果、口臭が強くなります。さらに進行して歯の神経が腐ったり、虫歯が原因で膿がでてくるようになると、かなり口臭が強くなり、独特な臭いがしてきます。しっかり治療をするとともに、歯ブラシをがんばりましょう😊。

✕歯周病💦

こちらも初期の頃は大丈夫なのですが、歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケットと呼んでいます。)が深くなるにつれて口臭が強くなっていきます。歯周ポケットが深くなってくると歯ブラシの毛先がどんなに頑張っても届かなくなります。また、歯石がこの歯周ポケットに蓋をしてしまうこともあり、自分では清掃したくてもできない状態になってしまうのです。その結果、細菌数がどんどん増加、臭いの元も溜まっていきます。さらに歯周病が進行し、歯ぐきが出血しやすくなったり、膿をもつようになると口臭がさらに強くなります。虫歯と同じでしっかり治療をすること、また、歯ブラシをがんばりましょう😊。

✕舌苔💦。

歯と歯ぐきは気を付けている方も舌はどうでしょうか?舌はお口の中の口臭の原因の中でも結構重要な位置付けです。報告にもよりますがお口の中の口臭の原因の半分を占めるとも。白くなっている方は要注意!歯ブラシでも構いませんが、舌磨き専用のブラシもありますので是非試してみてください。

✕口腔乾燥💦。

口呼吸やストレス、薬剤性や全身疾患など口腔乾燥を引き起こす要因はたくさんあります。お口が乾燥すると、お口の中を守ってくれている唾液の作用が弱まり、細菌が増えやすくなります。その結果、臭いの元が増加し口臭が強くなります。特に口呼吸はお口の中や周りに原因がある場合もありますが、鼻がわるいことも多いです。それぞれに合わせた対応が必要です😊。

 

✕悪くなった人工物💦。

お口の中の詰め物や被せ物。だんだん劣化してヒビがはいったり、穴があいたり、合いが悪くなったりしてきます。意外に口臭の原因になっていることがあります😞。

 

✕入れ歯💦。

入れ歯を入れている方も注意が必要です。入れ歯のプラスチック部分は色や臭いを吸着します。一度吸着してしまうと、なかなか取れなくなります💦。毎日、しっかり清掃し入れ歯洗浄剤を活用しましょう😊。

 

いかがでしょうか。口臭の原因のほとんどはお口の中に原因があります。

言わないだけで気にされている方は多いです。ガムや洗口剤を使うのも1つの対策ですが、根本的には歯垢や歯石が原因です。歯磨きをしっかりするとともに、定期的に歯医者さんでクリーニングをしましょう。

フッ素っていつまで塗るの?

今回はよくある質問、「フッ素はいつまで塗りに来たらいいんですか?」についてです。

 

小学校高学年や中学校になると、歯磨きもお子さんにまかせるようになってきますし、お口の中への関心は薄れてきます。忙しくなってきますし、勉強や部活、そして受験なんかの方が気になる様になってきますよね。でも、できればもう少しがんばって欲しい!

 

まず質問の答えからです。実はこのフッ素塗布、一生続けてもいいです。フッ素塗布により、歯の構成成分であるハイドロキシアパタイトが、より酸に強い結晶であるフロルアパタイトに変わります。これにより虫歯になりにくくなります。ただこの変化が起こりやすい、フッ素を取り込みやすく効果のでやすい時期があります。それが、歯が生えてきて4・5年の間です😊。この時期はとても大事です。

 

生えてきたばっかりの歯は実はまだまだ未成熟でやわらかいんです👶。溝も深く汚れも溜まりやすいうえ、歯磨きもまだまだうまくできません。虫歯になりやすい環境がそろっています。だんだん硬く成熟していくのですが、この時フッ素塗布の効果が最も高くなります。

 

ではその時期はいつでしょうか?こども歯から大人の歯への生え変わりが終わるのが大体12才頃、それから4・5年になりますので、大体高校生頃までですね。この時期までは継続してフッ素塗布を行うことを強くおすすめします。先程も記した通り、虫歯のリスクも大変高い時期でもあります。定期的なクリーニングやブラッシング指導、虫歯予防処置であるシーラントなども併せて行うとより安心です。

 

ちなみにこの時期ですと、「歯医者さんでのフッ素塗布と、自宅や学校でのフッ素洗口、フッ素入りの歯磨き粉の使用を併せてしてもいいのか?」という質問もよくあります。これもどんどんしていただいてかまいません。歯医者さんでのフッ素塗布は高濃度のフッ素を用います。フッ素洗口や歯磨き粉に入っているフッ素は低濃度となっており、実はそれぞれで作用機序が違います。一緒に行えばそれぞれの効果がでます😊。安心して行ってください。

 

中学生、高校生は勉強や部活で自分を鍛える時期。是非歯もフッ素で鍛えてあげてください。いろいろな面で人生の分かれ道となる時期ですが、歯にとっても将来どうなるかの分かれ道となります。受診率も下がりがちな時期ですが、将来のため、お子さん・ご両親ともご協力いただければと幸いです。

うがいのできないこどもに歯磨き粉を使っていいの?

さて、今回はよくある質問からです。それは、『うがいのできないこどもに歯磨き粉を使っていいの?』というもの。この場合のうがいのできないこどもとは、歯がでてくる6ヵ月頃から、うがいができるようになる2才頃までのこどもを指しています。答えとしては使っていただいて大丈夫です😊。ただしフッ素が入っているものでお願いします。またさらにいくつか注意点があります💦。

実は以前まで(20年ぐらい前でしょうか。)は、うがいのできない2才以下のお子さんの場合、フッ素を含有しているかどうかにかかわらず歯磨き粉の使用は推奨していませんでした。しかし、効果的な虫歯予防のためには歯が出てきた直後からフッ素の応用が望ましいとされ、現在は大きく見直されています。ですから是非使っていただければと思います。

では使う際の注意点をみていきましょう。

 

☆フッ素濃度は500ppm(泡状歯磨き粉であれば1000ppm)🌟

一般の方や小学生以上のお子さんが使う歯磨き粉よりフッ素濃度が低めになっています。この点はご注意ください。乳幼児向けと書いてあればまず大丈夫かと思います。当院にも置いてありますが、よく売れていますよ😊。ちなみに当院に置いてあるのはバナナ味です🍌。

 

☆使用量はお子さんの爪の先ほどの量🌟

1回の使用量はお子さんの爪の先ほどの量とよく言われています。いろいろな文献や本にこう書かれているのですが、わかりにくいですね。お子さんの切った爪程度の量と思っていただいてかまいません。ごく少量ですね😊。これでもわかりにくいかな😅。

 

☆残ったものは拭き取る🌟

泡なども含め歯の面やお口の中に残っているものはガーゼなどで拭き取ってください。歯磨き粉の使用量も少ないため、毎日飲み込んだとしても副作用がでる心配はまったくないのですが、本来飲んだり食べたりするものではないからですね。

 

☆歯磨き後は飲んだり食べたりしないでください🌟

うがいはできませんのでいいのですが、できれば30分ほど飲んだり食べたりを控えてください。せっかくフッ素入りの歯磨きを使っているのに効果が激減してしまいます。でも、ぐずったりするんですよ(笑)。

 

☆お子さんの好きな味を探そう🌟

お子さんが好きな味をさがしましょう。この時期の歯磨きは将来のお口の中を左右します。できれば歯磨きを好きになってもらいたい。嫌いにならないでほしい。親子で楽しんでくれるといいですね。

ちなみに好き過ぎて歯磨き粉を食べる子がいらっしゃいます。食べ過ぎるとお腹を壊すなどの中毒症状がでることもあります。保管はお子さんの手が届かない所へお願いします。

いかがだったでしょうか。ちょっとめんどくさい感じもあるかもしれません。でも、この時期のフッ素の予防効果は絶大です。必ず効果はでてきます。是非、将来を見据えつつ、歯磨きを親子で楽しんでください。

歯をうったらどうするの?歯をうった後起こる事?

今回は歯をうってしまった場合の対応と、歯をうった後に起こる事についてご紹介します。

まず歯のまわりの怪我に対する対応ですが、、、

 

歯ぐきや唇、頬、舌の怪我に対しては軽度ならそのまま経過をみます。必要なら投薬や縫合などの処置を行います。怪我の程度がひどく、骨まで影響がでている(骨折など)場合、一般の歯科医院ではまず対応はできません。高次の医療機関への紹介となります。

歯をうった場合、状況は大きく3つに分けられます。まずは「歯が折れた💦」、そして「歯が揺れている💦」、最後に「歯が抜けた💦」です。それぞれについて対応法をみていきましょう。

 

☆歯が折れた💦

○歯の頭が折れた場合💧。

白い詰め物による修復が基本ですが、歯の神経の露出が強い場合は神経をとる処置が必要な場合もあります。もちろんできるだけ神経をとらなくてすむよう努めています。

○歯の頭から根っこにかけて折れた場合💧。

折れ方にもよりますが、神経をとる処置はほぼ必須となります。保存不能なことも多く、保存したとしても長く持たないことも多いです。

○歯の根っこが折れている場合💧。

揺れがでないよう固定(骨折した時のギブスみたいなもの)を行います。

神経をとる処置も必要なら行います。折れている部位によっては保存が厳しいことがあります。

 

☆歯が揺れている💦

○振盪(歯牙打撲)💧揺れは軽度、痛みもほとんど無い状態です。

そのまま経過観察します。

○亜脱臼💧歯の揺れがあり、痛みを伴うことが多い状態です。

揺れが強くならないよう、また痛みがでないよう固定を行います。歯ぐきが傷ついていることが多いため投薬も行います。

○脱臼💧歯が元の位置からずれており、揺れ、痛みとも強い状態です。

基本的には麻酔を行い、歯を元の位置に戻します(整復といいます。)。その後、亜脱臼同様固定を行い、投薬を行います。亜脱臼の場合より、固定期間が長くなることが多いです。

ただし、歯の交換期にあたる乳歯の場合は抜歯を選択することもあります。その後大人の歯が出てくるのを待ちます。

また、小さなお子さんで多いのですが、陥入している場合(歯が骨の方向、骨の中に埋まってしまっている。)、お子さんの年齢や協力度によっては整復せず自然法萌出を待つ場合があります。

 

☆歯が抜けた💦

○脱落💧歯が完全に抜けてしまった状態です。

歯の交換期にあたる乳歯の場合や、抜けて時間が経っているとき(概ね2時間以上)、抜けた歯の保存状態が悪いときは歯を戻すことはせず、傷の消毒や投薬で経過をみます。

 

それ以外の場合は、抜けた歯の再植を行い、脱臼同様固定、投薬を行います。処置は早ければ早いほど成功確率があがります(できれば30分以内、遅くとも2時間以内。)。固定期間が長くなることが多く、後に神経をとる処置が必要になることが多くなります。

 

その他の注意点としては抜けた歯の保存方法でしょうか。歯牙保存液があればベストですが、普通の家にはありませんよね。牛乳やお口の中に含んで持ってきていただければ助かります。絶対に乾燥させないようお願いいたします。

 

以上、簡単にですが歯をうったときの治療方法を書かせていただきました。

 

実際の臨床ではそれぞれの状態が混合していることも多いため、状態に合わせた処置が必要になります。またいずれの処置後も外傷歯付近

を気にして触ったりしない、外傷歯で咬まないようにしていただければと思います。安静が一番大事です。

 

それでは次、歯をうった後に起こる後遺症についてです💦。

外傷を起こした歯は、状態によって、白い詰め物で修復したり、神経をとる処置をしたり、整復(ずれた歯を元の位置に戻すこと。)して固定したりします😞。揺れがなく痛みも無くなれば経過をみるのですが、時間たって起こる後遺症ともいうべきものがいくつかあります😞。

打った歯そのものに起こる後遺症と、打った乳歯の後にでてくる永久歯への後遺症の2つがありますのでそれぞれみていきましょう。

 

☆打った歯そのものに起こる後遺症💦

○歯の変色💧歯の色がだんだんと茶色、黒色っぽくなっていきます。

変色の原因は歯の神経が打った衝撃でだんだん悪くなっていることにあります。変色が軽度で症状がなければそのまま経過をみます。小さなお子さんですと少しずつ改善する場合もあります(若いってすごいですね。)が、変色が重度で、痛みや腫れ、レントゲンによる異常所見がでてくれば神経をとる治療が必要になります。

○歯の動揺💧

固定を外した直後は一時的に歯の動揺が強くなることがあります。これに関してはしばらくすると改善することが多いので、痛みなどなければ経過をみて大丈夫です。

 

問題は歯の根っこが吸収してきた場合です💧。乳歯の場合は本来の予定より早期に抜けることになります。永久歯が出てくるまで時間がかかるため、見た目や歯並びに影響がでます。これに関しては対応策があります。

深刻なのは永久歯の歯の根っこが吸収してきた場合です。吸収を止める手段が無いため、もたせるだけもたせ、悪くなったら歯を別の方法で作らなければなりません。外傷歯は前歯のことが多いため大変です。

 

○歯の根っこの吸収不全💧乳歯のみ問題になります。

乳歯の外傷歯は早期に抜けることが多いのですが、反対に歯の根っこが吸

収しにくくなることがあります。後にでてくる永久歯のでてくる位置や方向に問題があれば抜歯が必要です。

 

○歯肉退縮💧歯ぐきの形態が不ぞろいになります。

受傷時に歯ぐきの損傷が強い場合、歯ぐきの形態に異常がでてくることがあります。乳歯の場合は永久歯の生え変わりに伴い改善することが多いですが、永久歯の場合は自然にはよくなりません。治すには比較的高難度な外科治療が必要になります。

 

☆打った乳歯の後にでてくる永久歯への後遺症💦

○エナメル質形成不全💧永久歯の形態や色調に問題がでます。

受傷時の年齢が低年齢であるほど、また、重症度が高いほど発症する可能性が高い傾向があります💧。形態、色調とも白い詰め物などで修復が可能です😊。またこのエナメル質形成不全は外傷以外の原因でも起こります。

いずれの症状も受傷から時間が経って起こってきます。定期的にみせていた

だくことで、異常があれば早期から対応できる場合があります。症状が改善した

後も油断しないようにしましょう。

 

今回は歯をうったらどうするか、またうった後に起こる後遺症についてみてみました。当院にもよく外傷でお子さんがやってきますが、

実は受傷しやすい年齢や季節があります。年齢としてはまず1才~3才頃。歩けるようになり動きはどんどん活発になります。さらに幼稚

園・保育園にも行き始める時期です。かわいいさかりですよね。受傷原因としては転倒が多く、特に屋内、家庭内での受傷が多くなりま

す。この時期が第1のピークです。

 

第2のピークは7才~9才ごろ。小学校にあがり生活の自由度、行動範囲がどんどん広がっていく時期です💧。だんだん目が届かなくなりますね💦。受傷原因としては転倒も多いですが、物や友達との衝突も多くなります。屋内よりも屋外での受傷が多くなり、特に学校での受傷が半数を占めます。

 

季節としては入園や入学、進級し生活環境の変化がある4月~5月、そして夏休み明けの9月~10月に多いです。また性差ですが、これは男の子が女の子より多くなります。特に7才~9才、第2のピークではその傾向が顕著です。やっぱりやんちゃなんですかね💦。

 

外傷は病気のように予防できる面もあります。起きやすい時期をしっておくことも大事な予防になります。とは言っても突発的な事故で

起こる事も多いです。起きないに越したことはありませんが、起こった時にどうするかを考えておくこと、知っておくことも大切です。何

かありましたら是非ご相談をいただければと思います。