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野菜代わりになりますか❓

みなさんはお子さんの食事にこだわっていますか❓。大切な成長期の食事、こだわりたいですよね。でも、やっぱり楽もしたい🌟。そこでよくある質問です。今回の質問は、『市販の野菜ジュースや野菜ふりかけは、野菜代わりになりますか❓。』です。うん、よくわかる。勝手に飲んどけ。勝手に御飯にかけて食っとけって感じですね😊。子どもが中学生以上になると、放置に拍車がかかります。

さてではこの2つ、どんなもんなのでしょうか❓。まずは市販の野菜ふりかけからです。

野菜ふりかけについては、一度に摂取できる量が少なく、生野菜や果物といった原料由来の栄養素を十分に摂取することは不可能です😞。たくさん摂り過ぎると、今度は塩分などの過剰摂取が問題となります。野菜代わりにはなりえませんし、補助の補助、さらに補助といった感じです( ノД`)シクシク…。

次は、市販の野菜ジュースです。野菜ジュースは原料由来の栄養素を含有していますが、原料を絞ったり加熱殺菌したりといった製造過程で失われてしまう栄養素があります💦。代表的なものが食物繊維とビタミンCでしょうか。食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、特に不溶性食物繊維は搾りかすとして除去されてしまいます。ビタミンCは加熱殺菌処理の際に一部が失活します💧。

しかしこういった製造過程の影響を受けない栄養素もあります。鉄やカリウムなどのミネラル、野菜の色素であるカロテノイド(リコピンやβ-カロテンなど。)などです😲。こういった栄養素は、野菜ジュースのような加工品で摂った方が、吸収率が高くなります。実際そういった報告がありますし、栄養素の効果が確認されています😊。

栄養素の補給の面では、野菜ジュースは活躍できる場面がありそうですね。うまく使うといいかもです👍。

しかし、歯医者さんからすると1つ問題があります。野菜ジュースは「飲む。」だけで「咬む。」という動作が伴いません💦。「咬む。」という動作はお口の周りの機能の強化・促進に関わりますし、全身的にも大きな影響を与える動作です。これがまったく無いのは、かなり問題です😅。

こういったことから、市販の野菜ジュースや野菜ふりかけが野菜のかわりになるかといえばなりえません😞。野菜は食事でとるのが1番であり、野菜ジュースはその補助、野菜ふりかけは補助の補助、さらに補助といった位置づけになります。とはいっても、忙しい時もありますし、どちらもおいしいですよね。市販の野菜ジュースなんて各社工夫を凝らしています。うまく活用するのは悪くないと思います。

インプラントをしている人はフッ素入り歯磨き粉を使ってはいけないの?

さて今回はよくある質問からです。実は以前似た内容で投稿していますが、よく聞かれるため改変してのお伝えになります。その内容は、「インプラントをしている人はフッ素入りの歯磨き粉を使ってはいけないの?」というもの。インプラントしていない方からすると❓って感じでしょうね。ひょっとしたらインプラントをしている方でも、まだまだインプラントとフッ素の関係について知らない方がいるかもしれません。まず、どういったことかみていきます。

 

インプラントにはチタンが使われています。とても優れた金属材料で、現在インプラント治療はこれなしには成立しないといっても過言ではありません😊。からだはふつう、異物が入ってくると排除しようとします。でもチタンは、顎の骨に埋め込んでも排除されずに、むしろがっちりと骨と結合してくれるんです。その他にも腐食しにくく、アレルギーも少ないなど、からだに埋め込む材料として、とても優れた性質を持っています。

 

ところが弱点があって、チタンはフッ素に触れると腐食してしまうんです。現在販売されている歯磨き粉にはたいていフッ素が入っているので、心配になるのも仕方がありません。高価なインプラントが錆びて折れたりしたら大変ですからね💦。

 

でも、安心していただいて大丈夫です😊。チタンがフッ素でどれほど腐食するのかについては、きちんと調べた研究データがあり、その研究をまとめたものがレビュー論文としてまとめられています。少しみてみましょう。

 

⓵、pHが4.7以下の強い酸性の環境では、フッ化物の入った歯磨き粉でチタンが腐食する可能性はある🥶。酸性の飲食物の摂取で一時的にお口の中のpHが4.7以下に下がることはあるが、この低下は短時間で速やかに回復する。そのため通常の環境下において、日本で販売されている歯磨き粉のフッ素濃度でチタンが腐食する可能性は極めて低い😊。

 

⓶、フッ化物を含んだ歯磨き粉を使用しての歯磨きと、歯磨き粉を使用しない歯磨きを比較してもチタン表面への侵襲の程度に差は無かった😊。

 

⓷、お口の中では唾液によりフッ素濃度がさらに低下するため、チタンを腐食する可能性は極めて低い😊。

 

⓸、チタン部分は顎の骨の中にほとんど埋まっている。お口の中にでる部分も人口の歯で覆われている。そもそもフッ素と接触することが限定的である😊。

 

逆にいい効果もまとめられています。

 

⓵、フッ素の利用でチタン表面への細菌の付着が抑制されたΣ(・ω・ノ)ノ!。

⓶、フッ素の作用でばい菌の酸を産生する力が抑制された。このためチタンが腐食するpHになりにくくなるΣ(・ω・ノ)ノ!。

また総括として、インプラントが入っている方において、フッ素を含んだ歯磨

き粉の利用を中止する利益は無く、中止により残っているご自身の歯の虫歯の

リスクの増加が懸念される、となっています。(実際の文章をわかりやすく改変

しています。)そのため日常的にフッ素入りの歯磨きを使用していただいて大丈夫です。

 

ただし、歯科医院でのフッ素塗布には注意が必要です🙅。歯科医院で塗布するフッ素は高濃度となっているため、当院でも酸性のフッ素塗布剤については使用を控えるようにしています。使用する場合もインプラントの入っている歯を保護して用います。

 

ちなみにインプラント自体は虫歯にはなりません。でも、歯周病にはなります。インプラント周囲炎と呼んでいます。インプラントを支える顎の骨が無くなれば、とれちゃうことも😲。しっかりケアしましょうね。

歯周病菌の感染時期っていつ?

虫歯や歯周病が感染症であることがだいぶ知られてきました🦠。特に虫歯に関しては、歯が出始めた頃から感染が始まることを知っている方が多くなってきたと思います🦷。とくに虫歯菌が1番感染しやすいのは、2才頃(概ね1才半から2才半。)です。この時期は『感染の窓』とも呼ばれており、本当に虫歯菌の感染が起きやすい、時期となっています。しかし、この時期を乗り切ると、虫歯菌の感染や虫歯になる可能性をずいぶん下げることができます😊。

 

一方、歯周病菌はどうでしょう。実は、歯周病菌と虫歯菌の感染の仕方は大きく異なります🦠。ひどい歯周病のお子さんってあまり聞いたことありませんよね。それもそのはず、歯周病菌の大ボスであるばい菌(Porphyromonas Gingivalis、ポリフィロモナスジンジバリス)の感染は早くても18才以降だからです😲。しかし、それまでは歯周病に注意しなくても大丈夫というわけではありません。大ボスのばい菌を呼び寄せるための下地作りが着々と進んでいます💦。

 

歯周病菌の感染はピラミッドを積み上げるような様式で感染が進んでいきます△。まずは最下層、害のない善玉菌や歯周病に対して弱い病原性を持っているばい菌が入り込んでいきます💦。これは小学校入学前から始まることがわかっています。そして、これらのばい菌が十分に定着すると、次に歯周病に対して中等度の病原性を持っているばい菌が入り込んできます💦。これは小学校高学年から中学校頃から始まるとされています。そしてこの、歯周病に対して中等度の病原性を持っているばい菌が十分に定着すると、歯周病に対して高い病原性を持っているばい菌が入り込んでくるんです💦。前述した歯周病菌の大ボスであるPorphyromonas Gingivalisはその中でも最上層、最後に入り込んできます。まさに大ボスです👿。

 

このように歯周病菌の感染は、幼い頃より長い時間をかけて様々なばい菌が感染することにより、ピラミッドの様に積み上げられていきます。必ず下層から順番であり、上層から始まることはありえません。Porphyromonas Gingivalisが棲み着くまで、着実にばい菌の質・量ともに増やしていく(プラークコントロールが悪い。)ことが必要なのです🥶。

 

1度ピラミッドができてしまうと崩すのは難しくなります😞。歯周病の感染の感染を防ぐには、このピラミッドを作らせないことが大事になります😊。ピラミッドは下層がしっかりしていないと、その上を作り上げることができません。幼い頃からのプラークコントロールが大事となり、しかも継続していく必要があります。お子さんの頃にこの習慣をつけるのがベストです👍。仮に作られたとしてもできるだけ小さなピラミッドにしたいですね。そうしたら、最上層に居座れるPorphyromonas Gingivalisが少なくなります。

小・中学生の頃にきちんとプラークコントロールができていた、虫歯が無かった、定期的に歯医者さんに受診をしていたようなお子さんは、歯周病菌に感染しにくく、歯周病も防ぐことができます👍。お子さんの頃は虫歯ばかりに目が行ってしまうと思うのですが、虫歯対策は歯周病対策にもなっています。頑張ってやっていきましょう。

 

上顎に食べ物が残りやすい・・・😞

今回は食事中のトラブルについての質問です。そのトラブルとは、『上顎に食べ物がよく引っ付いて残っている。』というものです。わかる方には、口蓋といった方がいいかもしれませんね。

御高齢の方やお子さんでの相談が多いです。食事をするといつも上顎に食べ物が残ってしまっているんですね💦。食事はしっかり飲み込まないといけません。確かに気持ち悪いし、気になりますよね😞。

この原因としては大きく2つです。対応法とともに見ていきましょう。

○唾液の分泌が悪い。○

唾液の分泌が悪いと食べ物をうまくまとめることができませんし、パサパサして飲み込みにくくなります💦。結果として上顎に残りやすくなります💧。御高齢の方で多い原因ですね。

唾液の減少については原因が多岐にのぼります。加齢やストレス、全身疾患や薬剤によるもの、唾液腺(唾液を作るところです。)への外科手術や放射線治療、口呼吸などたくさんあります😲。1度歯医者さんへ相談していただいた方がいいのですが、自分でやれる対応策もいくつかあります。

⓵、唾液腺マッサージ。

頬や下顎の骨の内側に大きな唾液腺があります。そこをさするように、押すようにマッサージします。くわしくは【唾液腺マッサージ】で検索してみてください。たくさんでてきますよ😊。

⓶、お口をしっかり動かそう。

食事をよく咬んでする、おしゃべりをたくさんする、お口の運動(あいうべ体操なんか有名ですね。)をするなどたくさん方法があります。

⓷、唾液がでやすくなる食べ物を食卓へ。

レモンとか梅干しとか、酢の物とかですね。唾液がでてきませんか❓。ちなみに私は梅干し苦手です😢。

⓸、水分補給をしっかりと。

御高齢の方ですと水分補給自体が足りていないことも多いです。脱水などの原因にもなりますので注意してくださいね🙅。

○舌の動きが悪い。○

こちらは御高齢の方、お子さんとも多い原因になります。特にお子さんでは最近増えています。対応策はお口をしっかり動かすことですね。特に舌に対する訓練は効果が高くなります👍。おしくらまんじゅうのように舌をあらゆる方向から指などで押したてそれを押し返す、舌を前方・左右・上下にできるだけ大きい範囲で動かしたりしましょう。舌圧子やペコぱんだ🐼など、舌を鍛える道具も売っていたりしますよ。唾液の分泌も促進され一石二鳥です😊。

最近はお口の機能低下が問題となっており、それに伴うトラブルも増えています。保険診療でもその改善を目的とした、検査や治療が保険導入されたぐらいです。お口は食べたり、しゃべったり、とても大事なもの。できれば普段の生活の中で鍛えられるといいですね。

口から食べられなくなっても、お口のケアは必要ですか?

さて、今回は介護の現場から多い質問についてです。ケアマネージャーさんや看護師さん、ヘルパーさん、ご家族の方など様々な方からよく質問されます。その質問は、『お口から食べなくなったけれども、お口のケアは必要か❓。』というものです。みなさんはどう思われますか❓

これは歯医者さんや歯科衛生士さんでも誤解されている方が時々いらっしゃいます。正解は、『必要。』となります😲。むしろもっと注意が必要といった方がいいぐらいです。一体何故なのでしょう(。´・ω・)?。

お口から食べられなくなった方は、点滴により血管内に直接栄養を入れる方法や鼻からチューブを通して胃に栄養を入れる方法(経鼻胃管。)、胃や腸に栄養を取るための入口を作り栄養を注入する方法(胃ろう・腸ろう。)などをとっています。本当にお口から食事をする必要が無くなります。それだとお口の中は汚れないのでは❓と思いますよね。ところがお口に中の汚れは逆に溜まりやすくなってしまうのです。しかも、いかにも悪い感じの汚れが増えます😲。

何故かといいますとお口の自浄作用が大きく低下するためです。お口から食べるという行為自体がお口の中をきれいにしているのです😲。お口から食べることで、歯でしっかり咬んで飲み込みます。この際に古い汚れも取れて飲み込んでいます。もちろんすべての古い汚れが取れるわけではありませんが、ある程度古い汚れが取れて、新しい汚れに入れ替わっているのです。これにより古い汚れが溜まるのを防いでくれています😅。

唾液が少なくなることも深く関係してきます。唾液の中には、ばい菌をやっつける成分がはいっています。お口から食べなくなること、お口を動かすことが少なくなることで、唾液の分泌が減ります。お口の中を守る力が弱まってしまうのです💧。

症状としてはまず口臭が強くなります。私達歯医者さんが病室などを訪れた際、こういった患者さんがいるとすぐにわかるぐらいの強く特徴的な口臭がありますね🥶。お口の中に溜まっている汚れも、お口から食べている方とはまったく違う汚れです。本当にばい菌の塊といった感じで、虫歯や歯周病も進みやすいです😢。

そして恐いのは誤嚥性肺炎です🙅。お口から食べないといっても、唾液はでており常に飲み込みはしています。正常な方ですとこの飲み込みを1日に600回程しているとされています。お口で食べないことで、飲み込みなどの機能も弱まっていること、お口の中のばい菌の数がすごく増えていることで、この誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなります。体力が落ちている患者さんですと生死に関わる大問題になります🥶。

意外かもしれませんが、お口から食べなくなった方の方がお口のケアに気をつかう必要がありますΣ(・ω・ノ)ノ!。歯医者さんや歯科衛生士さんでも勘違いされていることがあるので、注意してくださいね。

お口の粘膜の色をみてみよう!

今回はお口の粘膜にできる病気についてです。お口の中を覆う粘膜を総称して口腔粘膜と呼んでいます。具体的には歯ぐきや唇、頬内面、舌、硬口蓋、軟口蓋などですね。歯以外全部といってもいいでしょう。私達歯医者さんがお口の中をみるときは、歯や歯ぐきだけでなく、口腔粘膜に異常がないかも常に気をくばっています。必ず治る口内炎や血豆、大きな害のない粘液のう胞(唾液が溜まっているだけ。)なんかはどうでもいいのですが、ときおり気を付けないといけない口腔粘膜病変に出くわすことがあります💦。そんな気をつけるべき口腔粘膜疾患や、特に問題は無いけれど患者さんから質問の多い口腔粘膜の状態についてみていきましょう。テーマは色🌈。白、赤、黒、黄に分けて説明していきますね😊。

  • 白い口腔粘膜病変。●

◎口腔カンジダ症。◎

お口の粘膜に灰白色や乳白色の点状、線状、斑紋状の白苔がみられます。頬内面や口蓋、舌にできることがおおいですね。特徴としてはガーゼなどで簡単に拭き取ることができます。

症状としては口腔粘膜のざらざら感や味覚異常、痛みなどです。原因はお口の中の常在菌であるカンジダ菌🦠、通常は悪さをしない真菌(カビ。)です。しかし、老化や様々な病気などで体の抵抗力が落ちると発症します。日和見感染と呼んでいます。そのため御高齢の方でみかけることが多いですね😞。

対応法はお口の中を清潔に保つこと、そして抗真菌剤の使用となります。

◎口腔扁平苔癬。◎

網状、レース状の白斑に加えて赤みが伴うことも多いですね。よくできるのは頬内面と歯ぐきと頬内面の境目(歯肉頬移行部といいます。)です。女性に多く、C型肝炎ウイルスに感染している方にでやすいという報告があります💦。

無症状のこともありますが、食べ物がしみたり、触れると痛むなどの接触痛、粘膜の荒れ、味覚異常などでることも多いです。原因がはっきりわかっていませんが😞、歯科用金属に対するアレルギーや遺伝的素因、ストレスなどの関与が考えられています。

対応法としては歯科用金属アレルギーを疑う場合は金属の除去を行います。お口の中を清潔に保ち、症状が強い場合はステロイドの軟膏を塗布します。

実はこの口腔扁平苔癬、前がん病変といって注意が必要な疾患です😲。がん化率は1%程度で高くはないのですが、必ず経過観察すべき疾患で、必要があれば生検(一部を切り取り顕微鏡下で詳しく調べること。)を行います。

◎白板症。◎

口腔粘膜に除去できない白斑がみられます。形状はヒダ状、波状、平坦状、潰瘍状、結節状など結構バリエーションがあります。舌や頬内面、歯ぐきにできやすいですね。男性に多く、飲酒や喫煙をされている方にできやすいです💧。

痛みなどがなく無自覚なことが多いのが特徴です。あってもざらつきや違和感程度です。原因ははっきりわかっていないのですが、 飲酒や喫煙、歯の尖った部分による長期の刺激などが関与するといわれています。

対応法としては飲酒や喫煙に対する生活指導や歯の尖った部分があればその部位の治療や丸めてあげたりします。

この白板症も前がん病変となります😲。がん化率は5%ほどと若干高めでしょうか。特に舌に発症した場合、他の部位よりがん化率が高くことが多いようです。必ず経過観察すべき疾患で、必要があれば生検やがんに準じた切除術を行います。

  • 赤い口腔粘膜疾患。●

◎紅板症。◎

境界明瞭な紅班がみられます。舌や歯ぐき、頬内面、舌の下などに多くみられます。60才以上の御高齢の方にできやすいです。

食べ物がしみる、触れると痛むなどの接触痛を伴うこともありますが、無自覚無症状なことも多いです。原因はよくわかっていません。

前がん病変のなかでもがん化率が断トツで高く、長期経過において50%のがん化率をほこります😲。かなり注意な疾患です。対応法はがんに準じた切除術を行います。

◎多形滲出性紅班。◎

粘膜に紅班、びらん、水疱などがみられます。できやすいのは頬内面、唇、舌などですね。紅板症と似ているのですが、こちらは発熱や全身倦怠感などを伴う点で異なります💦。

原因はヘルペスウイルスや肺炎マイコプラズマの感染、抗菌薬や抗炎症薬などのお薬に対する反応などが挙げられますが、原因不明のことも多いです。

重症化すると高熱や全身の皮膚にまで紅班がでてきます。ここまでくると皮膚化や内科との連携が必要な状態で、中毒性表皮壊死融解症やスティーブンス・ジョンソン(Stevens-Johnson)症候群と呼ばれます。お薬の副作用の欄によくみかける疾患です💊。

  • 黒い口腔粘膜疾患。●

◎色素性母斑。◎

境界明瞭な茶褐色から黒褐色の母斑がみられます。難しく書きましたがいわゆる黒子(ほくろ。)のことです。10代から40代の女性に多い傾向があります。痛みや違和感なのでの症状はなく、無自覚なことがほとんどです。

治療の必要はないのですが、見た目の問題などで気になる場合はレーザーなどで切除することもあります。

注意点としてはお口の中に黒子ができることは少ないことです。確率は低いのですが後述する悪性黒色腫(がん。)との鑑別が必要で、広がらないか経過をみた方が安心ですね😊。

◎外来性色素沈着。◎

灰黒色や青紫色の着色がみられます。よくできるのは歯ぐきと頬内面ですね。歯科治療で金属などを切削したときにでた細かい破片などの残留や、詰め物や被せ物の金属の溶出によって起こる色素沈着です。いわゆる刺青の状態と同じで、metal tattooと呼ばれることもあります😅。

痛みや違和感などの症状はありません。基本的に治療の必要はありませんが、見た目が気になる場合はレーザーなどで切除を行います。また原因となっている詰め物や被せ物がある場合はやり替えが必要です。

◎黒毛舌。◎

舌の表面が黒く毛が生えたような状態になります。名前のまんまですね。抗菌薬やステロイドを長期で服用している方で起こる事が多いです。

原因は菌交代現象によるお口の中の細菌叢の変化のためです。菌交代現象とは生体において正常菌叢の減少などにより、通常では存在しないあるいは少数しか存在しない菌が異常に増殖を起こし、正常菌叢が乱れる現象をいいます。通常時に大勢を占める細菌が抗菌薬などで減少、普段は目立たない舌を黒くさせるばい菌が増えてしまっている状態です🦠。

痛みや違和感などの症状はありませんが、目立つ場所のため患者さんが気づくことが多いです。対応としてはお口の中を清潔に保つこと、できれば服用しているお薬の変更や中止をお願いします💊。

◎悪性黒色腫。◎

腫瘤状、膨隆状の黒い隆起がみられます。好発部位は口蓋で、40才以上の方にできやすいです。痛みや違和感などの症状はないことがほとんどです。

かなり悪性度の高いがんとなります😢。治療は医科とも連携し、外科的な切除療法、抗がん剤による化学療法、放射線療法などを行います。前述した色素性母斑との鑑別が大事です。

  • 黄色い口腔粘膜疾患。●

◎脂肪腫。◎

粘膜下に無痛性の腫れがあり、黄白色を呈します。いわゆる脂肪の塊です。脂肪って黄色いんですよ。症状はほとんどありません。

良性の腫瘍のためそのまま経過をみても大丈夫です😊。病変が大きくなりお口の機能に支障が出る場合は切除術を行います。

◎フォーダイス(Fordyse)班。◎

境界明瞭な黄色の点状の集まりがみられます。好発部位は頬内面や唇で、思春期以降の男性に多いです。加齢とともに増える傾向がありますが、皮脂腺が集積しているだけで、病気ではありません。

痛みや違和感などはありませんし、治療の必要もありません😊。

いかがだったでしょうか。他にも口腔粘膜疾患はたくさんあるのですが、代表的なものを挙げてみました。特に注意が必要なのは前がん病変といわれる口腔扁平苔癬、白板症、紅板症でしょうか👍。ひかる歯科ちえこども歯科でもちょこちょこみかける疾患です。

お口の粘膜は体の中でも直接みることができる唯一の粘膜です。口腔粘膜に直接できる疾患も注意が必要ですし、全身的な疾患の1症状として口腔粘膜に異常がでることもあります。是非観察してみてください。変だな思ったらいつでもみせてくださいね。

入れ歯を支える歯に注意です 

歯を失った場合、大きく3通りの方法があります😢。歯と歯を繋げるブリッジ、取り外し式の入れ歯、そして人口の歯の根っこを埋め込んで歯を立てるインプラントです。インプラントが最もベターな選択肢ですが、それぞれ良いところ、悪いところがあります。

その中でも、入れ歯はどんな歯の無くなり方にも対応できる優れものです。歯を削らずにできますし、外科的な治療も必要無いため、古くは室町時代から入れ歯は使われています😲。ちなみに当時は木製です。すごいですよね😅。入れ歯は嫌だという方も多いですが、現在においても主要な歯の回復方法の1つです。

そんな入れ歯ですが注意しないと、さらに歯を失う破壊装置になることがあります💦。総入れ歯の方は大丈夫です。部分入れ歯の方でのお話となります。

みなさんは部分入れ歯をみたことはありますか❓。部分入れ歯にはクラスプと呼ばれる、歯に引っ掛けるバネがついています。部分入れ歯はこのクラスプにより支えられています。とても大事なものなのですが、引っ掛けられている歯には当然力がかかってしまいます。

では、どんな力がかかるのでしょうか❓。

✕咬む力・沈み込む力。✕

この力はどんな入れ歯でもかかってきます。入れ歯にかかる咬む力・沈み込む力をクラスプのかかっている歯が受け止めています。もちろん歯ぐきも受け止めてくれていますが、歯への影響も大きいです💧。入れ歯が大きいほどこの影響は大きくなります。

✕揺さぶる力。✕

この力もどんな入れ歯にもかかってきます。入れ歯は完全に固定されているわけではありません。様々な力で必ず揺さぶられます。これが歯にも伝わります💧。やはり入れ歯が大きいほど影響は大きくなります。

✕歯を引っこ抜く力。✕

入れ歯を外すときにかかる力です。ただそれよりも問題になるのは、入れ歯の片端に歯が無いときです😞。入れ歯の両端に歯があるときはまだいいのです。歯が無い端の方で入れ歯を使って物を咬むと、作用反作用やてこの原理で、歯がありクラスプのかかっている反対側の歯に抜けるような力がかかります。これも入れ歯が大きいほど強くかかりますし、かなり不利な力になります💧。

入れ歯のクラスプが欠けてある歯はトラブルが多いです。だんだん歯の揺れも大きくなっていくことが多いですし、欠けたり割れたり、人工物が入っているとはずれることも多いですね😢。私達歯医者さんもそういった力には注意して入れ歯を設計していますし、入れ歯を入れた後も入れ歯を支える歯には気をつかっています。それぐらい悪くなりやすいのです。

入れ歯を1回入れると、入れ歯をかける歯が悪くなって、新しく大きくなった入れ歯を入れる。そしてまた、新しい入れ歯をかける歯が悪くなって、入れ歯がさらに大きくなる。こんな悪循環が起こりやすいです😢。入れ歯を入れた後も、入れ歯を入れた後だからこそ、しっかり定期的にみせていただければと思います。

歯周病菌は駆逐できる❓

多くの方を悩ませる歯周病。歯を失う原因として、虫歯と共に常にトップ2に君臨しています😞。歯周病は感染症であることが明らかになっていますね。科学の進んだ現在では、たくさんのばい菌が歯周病に絡んでいることが細菌検査などで明らかになっています。また、歯周病に対して病原性の高いばい菌も特定されており、1番の大ボスはPorphyromonas Gingivalis(ポリフィロモナス・ジンジバリス)と呼ばれています🦠。

ここまでわかっているのなら治療することで完全に駆逐できないのか❓と思いますよね。しかし、1度お口の中に棲みつくと、なかなか追い出せないことがわかっています。歯周病治療前後のばい菌の量や種類・組成を調べた研究は数多くあり、その結果もまとめられているのですが、、、、、😞、

まとめ①

歯周病治療によって歯周病菌やその他のばい菌の量は減る。特に歯周病治療直後は大幅に減る。しかし、半年以内にまた増えてくる。たとえ歯周病治療の専門医でも、歯周病菌を完全に追い出すのは不可能である。

まとめ②

歯周病治療によってばい菌の量は減るが、ばい菌の種類・組成はほとんど変わらない。いったん完成してしまったばい菌のコミュニティは現在の歯周病治療で変えることはできず、特定のばい菌の根絶も不可能である

と、まあこんな感じです。絶望しか無いですね😢。ようは歯周病菌を駆逐することは不可能、量を減らして対応しましょうということですね💦。

歯周病菌を根絶できない理由は他にもあります。実は歯周病菌、歯ぐきの細胞内まで入り込んでいるのですΣ(・ω・ノ)ノ!。とくに、先程でてきた歯周病菌の大ボスPorphyromonas Gingivalisは歯ぐきの細胞内に大量に入り込んでいることがわかっています😲。歯ぐきの中に侵入した歯周病菌は、薬も効きませんし、器具で取り除くこともできません。そのため歯周病治療をきっちり行っても生き残りがでてしまうのです😢。

現在のところ歯周病菌を完全に駆逐することは不可能です。対策としては、ばい菌の量を減らした状態を維持し、発病しないようにすること。これには日々のプラークコントロールや歯医者さんでの定期的なクリーニングが重要となります😊。また、歯周病菌は幼少期より時間をかけて感染していくことがわかっています。感染をしない、もしくは遅らせるためには、幼少期よりお口の中のプラークコントロールに注意することも大事になりますね😊。ご家族や親しい方のお口の中もきれいにするようにしましょう。感染しちゃいますよ🙅。ちなみに、ペットから感染することもあります。

科学が進めばもっといい方法がでてくるかもしれません。今のところはみんなで頑張って耐えましょうね。

スポンジブラシはどうですか❓

今回はよくある質問からですね。今回の質問は、『スポンジブラシはどうですか❓』というものです。小さなお子さんを持つ保護者の方や御高齢の方、要介護の方を御家族に持つ方からの質問が多いですね。

みなさんはスポンジブラシをご存じでしょうか。薬局やドラッグストアに売っているのですが、持ち手が細いプラスチックで先にスポンジがついています。スポンジの形態や色は様々ですが、お口に無理なくはいるサイズとなっています😲。普段買うことはあまり無いと思いますので、意識しないとみつけられないでしょう。結構いろいろなメーカーからでていたりしますよ😊。先についているスポンジでお口の中をきれいにします。

お口の奥にまで簡単に入れることができ、吸水性が高いため、大まかに汚れや食渣などを取るのに便利です。水や洗口液、保湿液と併用することで、乾燥してこびりついた痰や汚れなども除去しやすくなります😊。ただし、歯垢(プラーク。)の除去効果は低いことがわかっています。歯ブラシの代わりとするには、かなり力不足であることが報告されています💦。

また、スポンジブラシの役割としてはお口の中のマッサージや機能訓練に使いやすいという利点があります。お子さんの舌をつついて遊んだりできますし、お口の機能が低下した方の訓練によく使われていますね。特に介護の現場でよく使われています👍。

スポンジブラシについてまとめると、、、、、

🌟良い所。🌟

○。お口の奥まで入れやすい。

○、簡単におおまかな汚れや食渣を除去できる。

○、吸収性が高い。

(唾液が多い方はそれを吸ってくれる。唾液が少ない方などお口の中が乾燥している方は、スポンジに水分を含ませることで清掃効果が高まる。)

○、柔らかいので粘膜を傷つけない。

○、粘膜のマッサージ効果がある。

○、お口の機能訓練に使いやすい。

😞悪い所。😞

✕、プラークの除去効果が低い。

✕、細かい所はきれいにできない。

✕、スポンジが取れることがある。

(咬まれると取れやすい。飲み込まないよう注意が必要です。)

✕、基本使い捨て。

などなどです。

良い所もたくさんあるのですが、プラークの除去効果が低いのはいただけない😢。歯ブラシの変わりは難しいです。しかし、お口のマッサージや機能訓練など、目的をもって使うのはいいかと思います。

やはりお口の中の清掃の基本となるのは歯ブラシです。特に理由が無ければスポンジブラシを使う必要はないでしょう。ただ、介護の現場ではよく使われています。一度どんなものかみてみるのはいいかもしれませんね。

歯磨き粉で歯は削れません!

さて今回はよくある質問からです。昔からよく聞かれる質問で、もはや迷信といってもいいぐらい有名です💧。みなさんも1度は聞いたことがあるのではないかと思います。その質問は、「歯磨き粉で歯が削れるんですか❓。」というものです。これを信じて歯磨き粉を使っていない方もいらっしゃいますね😞。

歯磨き粉にはプラークなどをしっかり除去するため清掃剤が入っています。この清掃剤が歯を痛めるのではという疑問です。昔からよくいわれていますね😅。今は清掃剤と言われていますが、以前は研磨剤といわれていました。それが悪かったのもあると思われます💦。

しかしこの清掃剤、歯の頭を覆うエナメル質よりはるかにやわらかいため、エナメル質を痛めることはまったくないことがわかっています👍。問題はエナメル質の無い歯の根っこの部分、象牙質といわれる部分です。歯ぐきが減ってくると露出してくる部分です。こちらはエナメル質よりやわらかいため、微量の摩耗が認められることがわかっています。ただこれも、硬めの清掃剤を用いて100年分の歯磨きを行うことで0.3mmぐらいの摩耗がある程度と報告されています。この摩耗量では歯の健康には影響しないことがはっきりわかっており、歯磨き粉を使わないことによる害のほうが大きいとされています😲。

そもそも歯の摩耗については、歯ブラシをあてる強さや毛先の硬さの方が、より影響が大きいこともはっきりしています。不等号で表すと、、、

歯ブラシをあてる強さ>毛先の硬さ>>超えられない壁>>清掃剤

です。間に超えられない壁が入っています。それぐらい清掃剤の影響は小さいです。歯を磨く際には歯ブラシをあてる強さに注意しましょう。また、歯ブラシのヘッドの部分が小さく、毛先が硬い歯ブラシほど大きな力がかかりやすいため注意が必要です🙅。

とはいってもずいぶん根強く残っている迷信です😅。なかなかすぐには切り替えられない方もいらっしゃると思います。歯磨き粉の中には清掃剤の配合が少ない物もありますし、なんなら清掃剤無配合(ジェルタイプのものは清掃剤無配合の歯磨き粉が多いです。)の歯磨き粉もあります。歯磨き粉には歯や歯ぐきにとって良い効果のある成分もたくさん含まれています。味や臭いを楽しんだりもできますし、これは歯磨きを気持ちよく続けるためにも重要です👍。歯磨き粉をつかわないのは本当にもったいない。騙されたと思って(騙してないです。)、是非歯磨き粉を使ってくださいね。お気に入りの歯磨き粉がみつかりますように。

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