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洗口液は何がいい?

さて今回はよくある質問から💦。「おすすめの洗口液はありますか?」についてです。私自身は歯磨き粉を使っての歯磨きの後、うがいをしないケアをしていますので、普段は洗口液を使っていません。のどが痛いなど、風邪のひき始めに使うぐらいですかね。一応、おすすめ(私が好きで効果も十分と思っている洗口液。)はありますので、医院ではそれが売りにでています。ちょこちょこ売れています。

 

さてこの洗口液、様々なものが売りに出されています。効能も虫歯や歯周病予防はもちろん、プラークの付着を抑えたり、口臭予防や知覚過敏、歯を白くするなど様々。どれを使うか迷いますよね😅。何がいいんでしょうかね?

 

私個人の考えとしては、「好きなものを使ってください。」です。自分の求めている効能があり、味や匂い、爽快感など、好きなものでいいのではないかと思います。

 

なんかやる気なさそうでしょう😊。それもそのはず。この洗口液、たくさんの有効成分が含まれていますが、歯磨きをしっかりせずに使ってもあまり効果が出ないんです。お口の中の汚れ、プラークはバリアを張っています.

これを物理的、機械的に破壊しないと、有効成分が入り込めないんです😅。これを壊してくれるのが歯磨きそのものです。ですから、歯ブラシのあて方、動かし方は、どの洗口液を使うかよりはるかに重要です。洗口液でうがいをするだけでは、歯磨きの代わりにはなりえません。あくまで補助という位置付けと考えていただければと思います💧。

こういった理由から、私個人は洗口液を重要視していません。やはり基本となる歯磨きを重視します。しかし、この洗口液、歯磨きをしっかりした後に用いれば効果は絶大です。かゆい所までよく手が届くといいますか、補助としては大変頼もしい。優秀です😊。また、忙しくて歯磨きできない、でもお口の臭いが気になる時なんかはいいですよね。災害時などに用いられる、水が無くても大丈夫なタイプもあり、役立っています。その特性をしっかり理解して正しく使っていただければと思います。

 

洗口液について最後にもう1つ!アルコール含有の洗口液、特にアルコールに弱い方は注意してください😞。患者さんの中に「お口の中の皮がむけてはがれる」、「お口の中がひりひりする」などと症状を訴えて来られる方がいます。すべての患者さんではありませんが、洗口液の使用の中止、もしくはアルコールを含まない洗口液に変更したところ症状が無くなった方が結構いらっしゃいます。当院だけでも10人ほど。参考になれば幸いです。

うがいのできないこどもに歯磨き粉を使っていいの?

さて、今回はよくある質問からです。それは、『うがいのできないこどもに歯磨き粉を使っていいの?』というもの。この場合のうがいのできないこどもとは、歯がでてくる6ヵ月頃から、うがいができるようになる2才頃までのこどもを指しています。答えとしては使っていただいて大丈夫です😊。ただしフッ素が入っているものでお願いします。またさらにいくつか注意点があります💦。

実は以前まで(20年ぐらい前でしょうか。)は、うがいのできない2才以下のお子さんの場合、フッ素を含有しているかどうかにかかわらず歯磨き粉の使用は推奨していませんでした。しかし、効果的な虫歯予防のためには歯が出てきた直後からフッ素の応用が望ましいとされ、現在は大きく見直されています。ですから是非使っていただければと思います。

では使う際の注意点をみていきましょう。

 

☆フッ素濃度は500ppm(泡状歯磨き粉であれば1000ppm)🌟

一般の方や小学生以上のお子さんが使う歯磨き粉よりフッ素濃度が低めになっています。この点はご注意ください。乳幼児向けと書いてあればまず大丈夫かと思います。当院にも置いてありますが、よく売れていますよ😊。ちなみに当院に置いてあるのはバナナ味です🍌。

 

☆使用量はお子さんの爪の先ほどの量🌟

1回の使用量はお子さんの爪の先ほどの量とよく言われています。いろいろな文献や本にこう書かれているのですが、わかりにくいですね。お子さんの切った爪程度の量と思っていただいてかまいません。ごく少量ですね😊。これでもわかりにくいかな😅。

 

☆残ったものは拭き取る🌟

泡なども含め歯の面やお口の中に残っているものはガーゼなどで拭き取ってください。歯磨き粉の使用量も少ないため、毎日飲み込んだとしても副作用がでる心配はまったくないのですが、本来飲んだり食べたりするものではないからですね。

 

☆歯磨き後は飲んだり食べたりしないでください🌟

うがいはできませんのでいいのですが、できれば30分ほど飲んだり食べたりを控えてください。せっかくフッ素入りの歯磨きを使っているのに効果が激減してしまいます。でも、ぐずったりするんですよ(笑)。

 

☆お子さんの好きな味を探そう🌟

お子さんが好きな味をさがしましょう。この時期の歯磨きは将来のお口の中を左右します。できれば歯磨きを好きになってもらいたい。嫌いにならないでほしい。親子で楽しんでくれるといいですね。

ちなみに好き過ぎて歯磨き粉を食べる子がいらっしゃいます。食べ過ぎるとお腹を壊すなどの中毒症状がでることもあります。保管はお子さんの手が届かない所へお願いします。

いかがだったでしょうか。ちょっとめんどくさい感じもあるかもしれません。でも、この時期のフッ素の予防効果は絶大です。必ず効果はでてきます。是非、将来を見据えつつ、歯磨きを親子で楽しんでください。

2才!虫歯菌が感染しやすいです!

さて、今回は虫歯菌が感染しやすい2才頃(概ね1才半から2才半)について考えていきます。この時期は『感染の窓』とも呼ばれており、本当に虫歯菌の感染が起きやすい、時期となっています。でも、なんで感染しやすいのでしょうか。その理由をみていきましょう😊。

☆第2乳臼歯がでてくる時期なんです💧

第2乳臼歯とは1番奥のこどもの歯です。大体2才を過ぎるとでてきます。1番大きく表面積も広い歯で、歯の溝も深く、奥なので磨きにくい。虫歯菌は歯の表面にくっついて感染していきますが、この第2乳臼歯は感染する絶好のターゲットとなっています。一言で言えば、『虫歯菌がくっつきやすく、磨きにくい。』です。念入りに磨いてあげてください😊。

☆感染への抵抗力が低い時期なんです💧

1才を過ぎると卒乳をしていくことが多いかと思います。実は母乳の中には母乳抗体というものがあり、お口の中を感染から守ってくれています。卒乳が進めば進むほど、この抗体が減っていきます。さらに自分自身の感染への抵抗力(免疫力。)も未発達なため、虫歯菌の感染がしやすいのです。これが2才頃と重なります😞。

☆行動様式が変わってくるんです💧

2才半を過ぎると自我がだんだん芽生えてきます。「イヤだ、イヤだ。」で代表される反抗期(イヤイヤ期ともいいますね。)になります(# ゚Д゚)。親との距離が少しできて、唾液感染する機会が少なくなります。その後、思春期までは唾液感染の機械は無くなります😊。

 

でもなんで思春期頃になると、また唾液感染の機会が増えるんですかね。長年考えているのですか、真面目な私にはわかりません❓。もっと私の知りえない大人の世界が関係しているのでしょうか(。´・ω・)?。オトナブルー❓

 

さていかがだったでしょうか。これが2才頃(概ね1才半から2才半)に虫歯菌が感染しやすい理由です。最も注意していただきたい時期ですね😅。そしてもう1つ、虫歯の感染に関しては2才を境に大きな違いがでるものがあります。

 

それは将来の虫歯へのなりやすさです。その研究結果をみてみましょう。スウェーデン、イエテボリ大学の研究です。

2才前に虫歯菌に感染したこども → 4才時における虫歯の数 5.0

2才後に虫歯菌に感染したこども → 4才時における虫歯の数 0.3

 

おわかりでしょうか。2才を境に16倍近い差がでています。将来虫歯にならないようにするには、虫歯菌への感染をできるだけ遅くすることが大事です。少なくとも2才以降にすることが大事となります😊。

 

この頃本人に虫歯を防ぐ術はありません。周りの方々で防いでいくしかありません。歯ブラシはもちろん、食生活や食器を共用しないなどの工夫をしましょう。フッ素も役立ちます。周りの方々のお口の中をきれいにするのも大事です。是非、みなさんでお越しください。みんなでこの大変な時期を乗り越えましょう。

フロスの選び方は?

さて、今回はよくある質問からです。それは、「どんなフロスを選べばいいですか?」というもの。特にワックス無し(アンワックスともいいます。)とワックス付きの違いを聞かれる事は多いです。特徴などいろいろみていきましょう。

 

まずフロスについてです。歯と歯の間に付着したプラークは歯ブラシだけでは除去するのは難しいです。そこでフロスの使用が推奨されています。歯科で用いられるフロスは木綿糸と違って、撚り上げていないナイロン製の線維を束ねたものとなっています。歯に押し当てると平板上となって広い面積で歯面に接触することで、プラークを効率的に除去できます。枝のあるタイプやフロスだけのもの、細いフロスや太いフロス、また、ワックス無しやワックス付きのものなど様々なものが売られています。

 

まず枝のあるタイプと、フロスだけのものについてです。基本的には枝のあるタイプがお子さんの仕上げ磨き、自分で使う場合どちらにおいても使いやすいですね。ただ、フロスだけのものも利点があります。それは横から抜けるということ。お口の中の状態によってはフロスがほつれやすかったり、歯と歯の間に入れたはいいけどなかなか出せない方もいらっしゃいます。そういった方はフロスだけのものが使いやすい時もあります。

 

次は太さについてです。通常、歯と歯の間に通すときは細いタイプで大丈夫です。太い方がプラークは除去しやすいですが、歯と歯の間に通しにくくなります。そもそも太いタイプの方が適している方は歯間ブラシの使用を考えましょう💦。太いフロスが適しているのは、一番後ろの歯の裏側やブリッジの橋の下(歯の無い部分)を清掃する時です。

 

最後によくある質問、ワックス無しとワックス付きについてです。ワックス無しのものが滑りにくくおすすめされることが多いのですが、両者でプラークの除去効果に差は無いといわれています。ワックス無しの方がプラーク取れそうですけどね❓

 

ワックス付きのフロスの方はスムーズに通しやすくほつれにくいため、歯と歯の間が緊密で通しにくい方や歯と歯が重なっている方(叢生)、歯と歯の間に歯石が多くの歯石がついている方、詰め物や銀歯などが多い方などに使いやすいとされています。

 

一般的には枝のあるタイプで、細め、ワックス無しがおすすめです。人によってはワックス付きといったところでしょうか。フロスは面倒くさいですし、なかなか大変ですが、とても虫歯歯周病予防に有用です。是非始めてくださいね。

 

給食後、30分歯磨きしては駄目ですか?

本日はこの質問です。一時期テレビなどでも話題になりましたね💦。食後すぐに歯磨きをすると、歯が削れやすいのでやめましょうというもの。30分は時間をおいて歯磨きをしたほうがよいと言われていました。当時はお子さんを持つお父さん、お母さんはもちろん、学校の先生からも聞かれたりしたものです。さて、その真意のほどはいかに?

 

結論から言いますと、給食後にすぐに歯磨きをしても何の問題もありません。いままで通りで大丈夫です😊。では、なぜこんな話になってしまったのでしょうか?

 

このようなことが話題になったのは、「酸性食品接種後すぐに歯磨きをすると歯がすり減ってしまう危険性が高まる」、という報告が欧米を中心に報告されていたためです。注意していただきたいのは、『食事』ではなく『酸性食品』となっている点です。この『酸性食品』がいつの間にか『食事』にすり替わってしまったのです😲。

 

実際に歯が酸で溶けていく病気はあります。酸蝕症と呼ばれており、以前はメッキ工場やガラス工場で出る酸性のガスを吸うことによって起こる職業病の1種でした。現在では酸性の食べ物や飲み物の過剰摂取が1番の原因となっており、生活習慣病と言ってもいいかもしれません。酸性の飲食物として例をあげると、レモン・コーラ・サイダー・栄養ドリンク・ビール・梅酒・赤ワイン・柑橘類・酢・もづく・スポーツドリンクなどたくさんあります。その他の原因としては逆流性食道炎、拒食症などで嘔吐を繰り返す方にもみられます。胃酸は強い酸性ですからね💧。酸は歯の大敵です。

 

実はこの酸蝕症、欧米人の方が日本人よりずっと多いと言われています。つまり上記の報告をもう少しくわしくすると、「酸蝕症の多い欧米人が酸性食品を食べた後に歯磨きをする」、という条件付きでの話となります。ただ食事をしただけとういう話ではありません。しかも酸蝕症の原因が食後すぐの歯磨きであるのかどうかは、はっきりしていなかったりします。

 

日本人は欧米人に比べて酸蝕症の方は少ないです。今後は増えていく可能性がありますので、その方の歯の状態や食べる物によっては食後の歯磨きに注意が必要になるかもしれません。しかし、給食に関してはまず大丈夫と言っていいかと思います。お子さんで酸蝕症になっている方は大人の方よりさらに減ります。また、給食でそんな酸性の食べ物ばっかりでてくることはありません。なによりイギリスで出版されている酸蝕症の教科書「Dental Erosion」でも、「一般に食後すぐに歯を磨くべきである。」と注意されています😊。時代とともに歯磨きの仕方も変わったりするのですが、今のところ、食後すぐに歯磨きしても問題はありませんよ。

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