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食生活でお口の中は変わります!

今回は食生活とお口の中の関係についてです。みなさんは食生活とお口の中の関係と聞くと、なにを思い浮かべますか(。´・ω・)?。「甘い物を食べると虫歯になりやすい。」、「しっかり咬まないと顎が育たない。」などでてきますでしょうか。お口の中を守る方法としては歯磨きが重要視されますが、この食生活もかなり重要な要素となります。歴史をみてみると、むしろ食生活の方が大事なのでは❓と思わせられるぐらいです。有名な本の紹介とともに少しみてみましょう😊。

まずは有名な本の紹介です。その本は、『食生活と体の退化-先住民の伝統食と近代食 その体への驚くべき影響―』です。歯科医師であるウェストン・A・プライス(Weston A. Price)博士によりアメリカで出版された本で、和訳版もでています。食生活がいかにお口の中に影響するかが、本当によくわかる本となっています👍。

内容を簡単にですがご紹介します。プライス博士は1930年初めより世界中の未開の地(アフリカ、南米、オーストラリア、ポリネシア、スイス、北部カナダなど)を訪ね、伝統的な食物から加工食品に代わることで、虫歯や歯周病、悪い咬み合わせが増えたことを発見しました。

太平洋南東部のニューカレドニアやフィジー諸島に住むメラネシア人でのデータをみてみましょう。彼らはイモや魚介類がなどの自然の物が主食としていました。当時は歯並びがきれいな人が大勢を占めており、虫歯のある人の割合はなんとたったの0.42%、歯周病もほぼ認められなかったそうです😲。

ところがです。精白した小麦によって作られたパンや砂糖、缶詰などを食べ始めると、状況が一変します。歯並びは悪くなり、虫歯のある人の割合は30.1%に跳ね上がります。歯周病も一気に増加しました😞。歯並びについては写真もたくさん載っていてとてもわかりやすいですね。当時ほとんどの島には歯医者さんなんていません。それまで必要ありませんでしたからね。そのため治療ができず、虫歯の痛みが唯一の自殺の原因になっていたそうですよ😲。

こういったデータは世界中様々あるのですが、この本ほどしっかりまとめられたものは他にはありません。なによりびっくりするのがこの本の出版が1939年であること!今から80年以上前に、食生活の変化によってお口の中が変わってしまうことに気付いた歯医者さんがいて、それをまとめ、退化という言葉を本の題名に付けて警告してくれているのです👍。この本をみていると歯磨きとか遺伝的要素は思っているより影響が無いのかもしれない、虫歯や歯周病、悪い歯並びの本当の原因は何なのか考えさせられます(´ε`;)ウーン…。

近代食はお口の中だけでなく全身的な疾患にも大きく影響しているといわれています。かといっていまさら100%伝統食に戻るのも難しい💦。いろいろ考え、対策しながらやっていかないといけませんね。

入れ歯は水に入れて保管するのはどうしてでしょうか?

今回は入れ歯の扱い方についてクイズ形式で見ていきましょう🎉。どれも質問が多かったり、慣れてくるとやってしまいがちなことですので是非参考にしてくださいね😊。

❓入れ歯は水中に保存するの❓

正解は○です。外しているときは水中保存が基本ですよ。

これは結構間違っている方が多いです😞。入れ歯をはずしたあと、置いたままにしている方、入れ歯ケースに水を張らずにしまっている方は多いですね。水中に保存するとばい菌が繁殖しやすい感じがすると言われる方もいらっしゃいました🦠。わからなくもない、、、、、💧。

入れ歯の材料となっているレジン(プラスチックみたいな部分。)は乾燥させると収縮、変形、亀裂、破裂、変色などを引き起こします。だんだんと入れ歯の合い具合が悪くなったり、壊れたりする原因となります💦。そもそも入れ歯はお口の中、湿気の多い所で使うものです。従って水中保存が正しいのです👍。清潔な水や入れ歯洗浄剤溶液中に保存するようにしてくださいね😊。

❓入れ歯は熱湯消毒や天日干しで消毒した方がいい❓

正解は✕です。どちらもやめてください🙇。

これも結構する方がいらっしゃいます。注意してください🙅。気持ちはわかるんですけどね( ノД`)シクシク…。入れ歯のレジン部分が乾燥に弱いのは前述しましたが、熱にも弱いので注意してください。熱によって変形や変色、脱色、劣化などが起こります。

消毒はブラシによる機械的清掃と入れ歯洗浄剤による化学的清掃をしっかりするようにしてくださいね😊。

❓入れ歯をお口の中に入れるときは咬んで入れるといい❓

正解は✕です。ちゃんと手指で押し込んで入れてください。

これも多いですね。特に入れ歯に慣れている方に多いです。いつもしているのか歯医者さんから帰るときにしている方もいらっしゃいます😞。

入れ歯をお口の中に入れるときに咬んで入れると、思わぬ入れ歯の変形や破損に繋がります。入れ歯ならまだいいのですが、歯や歯ぐきを痛めることもありますし、舌や唇・頬を傷つけることもあります。

入れ歯の正しいお口の中への入れ方は、

  • 、舌や唇、頬を挟まないようにお口の中へ入れていく。
  • 、歯や歯ぐきの形態にそってある程度収まるところまで入れます。
  • 、指でぐっと押し込みます。

面倒かと思います。正直気持ちはわかるんです。でも入れ歯を咬んで入れようとして、入れ歯が壊れたり、歯が欠けたりして受診する方は結構多いです。注意してくださいね😊。

いかがだったでしょうか。どれも結構多いですよ💦。特に入れ歯に慣れている方に多いので注意が必要です。もう一度見直してみてくださいね。

 

舌苔って絶対取った方がいいですか?

今回はよくある質問からです。今回の質問は『舌苔』について😲。この『舌苔』については、「そもそも舌苔ってなに?」、「何か問題はあるの?」、「全部取った方がいいの?」、「舌ブラシを使った方がいいの?」などよく質問を受けます。少し見ていきましょう。

 

そもそも舌苔とはなにかです。舌苔は脱落した粘膜の細胞、お口の中の細菌、食物残渣、血液細胞などからできているものです。垢、バイ菌、汚れ、細胞の混合物ですね。あまりきれいな感じは残念ながらしません😞。健康な人でもこの舌苔は薄く全体に付着しています。そのため舌の表面は若干白っぽい色をしています。鏡をみてみましょう。もし、頬や唇の裏のようにつるつるで赤かったらそれは、何か病気があると思った方がいいです👅。

 

なぜ同じ粘膜なのにこんなに違うのかというと、舌の表面には舌乳頭(4種類に分けられます。)と呼ばれる無数の突起があるためです。この舌乳頭自体の色や形態も若干通常の粘膜と異なりますし、舌乳頭が無数にあることで形態が複雑になり表面積が増加します。そのため舌苔が付きやすく残りやすいため、見た目がまったく違うんです。

 

ではこの舌苔、何か問題はあるんでしょうか?舌苔があるから生活に困ったことがある方はあまりいないと思います。お口に中の状態や体調によって増えたり減ったりはしますが、ある程度は自然に取れていきますので、目にみえて問題になること少ないです。しかし状態によっては痛んだりすることもありますし、お口の中において他部位への細菌の供給源となります💧。また、口臭の原因としては結構大きな割合を占めていたりします💦。従って、ある程度清掃することをおすすめしますが、完全に取ることは不可能ですのでほどほどで十分です。白いのを完全に除去するには乳頭ごと取らないと無理ですよ。

 

さて清掃の仕方ですが、ベストはやはり舌ブラシを使うことです。やっぱりよく取れますね😊。ただそこまではという方は、普通の歯ブラシでも十分です。歯磨きのときに一緒に何度か拭き取るような感じで磨いてあげてください。先程も述べましたが、白いのを全部取ろうとは思わないこと。取れませんし、痛くなっちゃいますよ。無理は禁物です。

 

清掃を兼ねて舌を毎日観察してみてください。これがまた結構変わるんですよ。特に体調に変化があるときは、すごく変化します。舌をみればわかる病気もあるぐらいですからね。変化を楽しみながら舌清掃頑張ってみてください。

 

インプラントも状態が悪くなるの?②

さあ、続きです。①ではインプラント本体、上部構造、アパットメントで起こる不具合についてみてみました。次はそのインプラント全体を支える歯ぐきや骨についてです。家でいうと地盤にあたります。1番重要なところですね。

歯を失う2大疾患は虫歯と歯周病です。インプラントは虫歯にはなりません。この点は歯より優れています👍。では、歯周病はどうでしょうか❓実は歯周病にはなってしまうんです。うーん、残念。

 

歯周病は歯ぐきに病変が限局した「歯肉炎」と骨まで病変が達している「歯周炎」に分けられます。インプラントにおける歯周病もこれに準じて、歯ぐきに病変が限局した『インプラント周囲粘膜炎』と骨まで病変が達している『インプラント周囲炎』に分けられています。有病者率は結構高く、『インプラント周囲粘膜炎』が約6割、『インプラント周囲炎』が約2割とされています。結構高いですよね😲。歯周病の有病者率もかなり高いですから、仕方がないのかな💦。とはいっても、この『インプラント周囲炎』、インプラントを失う1番の原因となっています。インプラントをされている方は注意が必要です。

 

それぞれの特徴をみていきます。まず、「歯肉炎」と『インプラント周囲粘膜炎』からです。これらは病変が歯ぐきに限局している状態です。病変の状態(いろいろな細胞の分布や数など。)もよく似ていることがわかっています。「歯肉炎」はプラークコントロールしっかり行うことで治る疾患です。病変の状態が似ている『インプラント周囲粘膜炎』もプラークコントロールをきちんとおこなうことで治癒させることが可能です👍。

 

問題は次、「歯周炎」と「インプラント周囲炎」です。この2つは骨まで病変が達している疾患となります。しかし病態の状態には大きな違いがあることがわかっていますΣ(・ω・ノ)ノ!。くわしくみてみると『インプラント周囲炎』では、炎症がある場合に出現する細胞の数が圧倒的に増加し、しかも急性期の炎症に出現しやすい細胞の数が特に増えていました。さらに『インプラント周囲炎』では、その炎症が直接骨、そして骨髄まで広がっていることがわかっています💧。

これらのことから、インプラント周囲では感染に対する抵抗性が弱いこと、また炎症が短時間で急速に進行しやすいと考えられています。実際のそれを証明した研究もあります。さらにタチが悪いのは通常の「歯周炎」より治療も難しくなりますことです。

 

さきほども述べましたがこの『インプラント周囲炎』はインプラントを失う1番の原因ですあり、歯周病よりも注意が必要です💦。特に歯周病で歯を失ってインプラントをされている方は注意しましょう。定期的なメンテナンスに通っていただき、悪くなっても『インプラント周囲粘膜炎』で済むようにすることが大事です。

 

いかがだったでしょうか。インプラントは歯を失った際に1番Betterな治療です。ただやっぱり歯と一緒で悪くなる可能性はあります。虫歯にはならないが、歯周病にはより注意が必要と考えていただければいいと思います👍。せっかくいい治療をされているのですから大事にしてくださいね。

インプラントも状態が悪くなったりしますか? ①

さて今回はよくいただく質問からです。それは、『インプラントは悪くなるの❓』というもの。まあ、ぶっちゃけた話をすると悪くなるときもあります。ですから歯と同じで定期的なメンテナンスはやっぱり必要です。ではどんな不具合が起こるのか、インプラントの構造や歯との違いを交えながらみていきましょう。

 

🌟インプラント本体(フィクスチャー、人工歯根ともいいます。)🌟

骨に中に埋め込んでいる部分です。歯の根っこに相当します。家でいうと基礎にあたる部位となり、とても大事な部分ですね。チタンまたはチタン合金でできており、生体親和性がよく大変丈夫です。このインプラント本体自体に問題が起こることはまず無いといってかまいません。歯のように虫歯にはなりませんし、割れたりすることもまずありません。(実は1度だけ割れているのをみたことがありますが💦。)欠点はフッ素で腐食することぐらいでしょうか。ただこれも歯磨き粉に入っているフッ素濃度程度では影響がないことがわかっています。全体的にいって歯の根っこより丈夫といえます。

 

🌟上部構造(被せ物、人工歯ともいいます。)🌟

まさに歯として機能する部分です。家でいうと屋根にあたりますね。ネジで留めていることもあればノリでくっつけていることもあります。基本的には歯にいれる被せ物と同じと考えていただいてかまいません。そのため起きるトラブルも同じです。すり減ったり欠けたり、はずれたりすることがあります。ネジ留めの場合はネジが緩んでくることもありますね。車でいうとタイヤにあたる部位のため、上記のようなトラブルはご自身の歯だろうとインプラントだろうと起こってきます💧。こればっかりは仕方がない(´・ω・`)ショボーン。でも、虫歯にはなりませんよ。

 

🌟アパットメント(連結部分、土台、支台ともいいます。)🌟

上記したインプラント本体と上部構造を繋げています。家でいうと柱にあたりますね。この部分はインプラント本体に対してネジ留めしてあることがほとんどです。そのためトラブルとしてはネジが緩んでくることがあります💦。

私達歯医者さんがインプラントの話をする場合、インプラント本体の話になることがほとんどです。しかし、一般の方々はインプラントというとこの3つの部分を総称していっていることが多いようですね。

この3つの部分に関しては虫歯になることはありません。ご自身の歯に入れる被せ物などと同じようなトラブルは起こりますが、インプラントだからすごく多いということもありません。総じて優秀といっていいと思いますΣ(・ω・ノ)ノ!。もちろん何も治療していない歯の方がよいのですが、人工の歯としては本当によくできています。

②へ続く

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