お役立ち記事
お知らせ
採用情報
熊本県熊本市中央区の大人と子どもの診療室-ひかる歯科ちえこども歯科へのお問い合わせ電話番号
お知らせ
HOME >  歯周病は抗菌薬で治せますか?

院長からの発信 一覧

歯周病は抗菌薬で治せますか?

今回のテーマは歯周病を抗菌薬で治せるかです。薬で治せるならこんなに楽なことはないですよね。歯周病はばい菌による感染症ですから🦠、抗菌薬で治療しようという発想は極めてまっとうです。うまくいきそうですよね😊。

実際、世界的にも結構前から研究されています。歯周内科療法なんていわれていますね。日本ではアジスロマイシンという抗菌薬が、海外ではアモキシシリンとメトロニダゾールという抗菌薬による併用療法がよく報告されています😲。データもきちんとでていて、きちんと効果があるという結果がでています👍。ではどれぐらい効果があるか見ていきましょう。

抗菌薬を服用してもらい歯周病が改善するかを調べました。数値としてみたのは歯周ポケットの深さと付着の獲得です。それぞれ説明していきます。

◎歯周ポケットの深さ。

歯と歯ぐきの間にある溝の深さです。正常な歯ぐきにも存在し、正常値は2~3mmとなります。基本的に歯周病が進むほど深くなります🥶。歯周病を評価するうえで最も重要な指標の1つです。

◎付着の獲得。

歯の根っこの部分と歯ぐきはしっかりくっついている部分があります。これを付着と言います。歯周病が進むとこの付着が壊れてしまい、ばい菌が侵入しやすくなります💦。

この2つが抗菌薬を服用することでどれぐらい改善したかというと、どちらも平均で0.6mm程改善しました👏。これは、ちゃんと統計学的に有意差のある結果です。つまり効果はあったということです😊。

しかしみなさんの感覚ではどうでしょう。0.6mmです。改善したと実感できるでしょうか❓。問題はここなのです。私達、歯医者さんもこの結果をみて、『抗菌薬で歯周病が治るからどんどん使おう。』とはならないのです😢。実際広まっていませんよね。エビデンスとしてはちゃんとしているのですが、「統計学的に有意差がある。」ことと、「臨床的に意味がある。」ことは異なることが結構あるのです。困りものですね😞。

他にも問題はあります。どれくらい飲み続けるのか、そして抗菌薬への耐性への問題です💦。改善するのは0.6mm程ですが、歯周病が進むと歯周ポケットは5mm6mm、下手すれば10mm超えてきます💦。抗菌薬だけで治すのは難しそうですし、同じ抗菌薬をずっと使っているとだんだん効かなくなるのです💦。

そもそも通常行う歯周病治療(歯ブラシの改善や歯石取りなど。)だけで歯周ポケットの深さ・付着ともきちんと改善してきます。それをせずして抗菌薬による治療を優先する理由がありません😞。そのため現在のところ、抗菌薬が歯周病治療の中心にはなっていないのです。もちろん今後、新たな抗菌薬の発見や、ワクチンの開発など、大きく歯周病治療を変える出来事があるかもしれません😊。それはとても楽しみなのですが、今のところは歯磨きをしっかりして、定期的に歯石をとって、そのときを迎えましょう。

珈琲や紅茶が好きです。良く飲んでますが、歯には良くないでしょうか?

ポリフェノールなんかも多いですし、いいと思います💦。私もどちらもよく飲みます。強いて言えば茶渋(ステイン。)が付きやすくなるぐらいでしょうか。茶渋は悪いことはしませんし、気になる時に取ってあげれば十分です。ただ話を聞いていると飲む頻度や飲み方に注意をしていただきたい方はいらっしゃいます。今回はそんなお話です。

☆飲む頻度💧

一般にコーヒーのpHは5程度です。種類によってはpH5をきるものもあります。紅茶もpHは一般に5.5程度、しかしこちらも低い物はpH5をきるものがあります。つまり弱酸性となっています🧼。

歯が溶け始めるpH値(臨界pH値と言います。)は5.5程度と言われているため、あまりも頻回に飲んでいるとこの臨界pH値を下回る機会が増えることになります😞。それだけ歯が溶ける可能性が高まるということ。1日に何度も飲まれる方は注意が必要です。特に一杯を時間かけて味わう方はより注意、飲んだ後はお口の中をお水でゆすぐなど工夫してみてください。

☆飲み方💧。

飲み方も注意が必要な方がいらっしゃいます。それは砂糖を入れて飲まれる方。特にコーヒーで多いですね☕。砂糖は虫歯菌の大好物、前述した飲む頻度も相まることでより注意が必要な状態になります。紅茶で注意が必要なのはレモンでしょうか。レモンは強酸性です🍋。酸性度が増しますので、こちらも飲む頻度とあわせて注意しましょう💦。

何もいれないのが1番かと思うのですが、そうもいかない方も多いと思います。そういった方におすすめなのは、牛乳です🥛。牛乳のpHは6.8、ほぼ中性のためコーヒーや紅茶の酸性度を中和してくれます。また牛乳にも糖類が含まれていますが、ほとんどが乳糖(ラクトース。)です。この乳糖は虫歯原生が砂糖よりかなり低くなっています。さらに牛乳にはカルシウムやリン、カゼインなど虫歯抑制因子も含まれています。コーヒーや紅茶に入れるのに大変適しています🐄。

 

いかがだったでしょうか。習慣的に飲んでいるものには結構注意が必要だっ

たりします。他にも注意が必要なものとして、体のためにと飲んでいる野菜ジ

ュース、スポーツをする方や野外で働くことが多い方はスポーツドリンクや清

涼飲料水、運転する機会が多い方は缶コーヒーなどなど。どれもpHが低めだっ

たり糖分が多いんですよ。缶コーヒーの微糖なんて、何が微なのかわからないく

らいです。思わぬ所に落とし穴があったりしますので、一度見直してみてくださ

いね。

お口のケアと発熱や肺炎との関係!

今回はお口のケアと発熱や肺炎(特に誤嚥性肺炎です。)との関係についてです。特に御高齢の方、介護施設などに入られている方を対象にしたものになりますが、一般の方やお子さんにもある程度あてはまると思っていただいてかまいません😊。

発熱や肺炎の予防にお口のケアが有効であることは広く知られ、病院や介護施設においても積極的に行われるようになりました👍。実際、歯面のブラッシングや粘膜の清掃を行うと、食渣だけでなく歯垢(プラーク。)、ふやかした痰などがとれてきます。こういったものが発熱や肺炎の発症に関わることがたくさんの報告からわかっています。少しみてみましょうか。

◎研究1。

介護施設において、専門的なお口のケアを行うグループと行わないグループに分けて、2年間の追跡調査を行いました。

結果は専門的なお口のケアを行ったグループは行わなかったグループに比べて、発熱や肺炎を発症した人数、死亡者数ともに有意に低くなりました。しかもこの差は、期間が長くなるほど大きくなりました😲。

◎研究2。

介護施設において、専門的なお口のケアを行うグループと行わないグループに分けて、インフルエンザの発症率を調べました。両グループともインフルエンザワクチン接種率に差はありませんでした。

結果は専門的なお口のケアを行ったグループは行わなかったグループに比べて、インフルエンザの発症率は有意に減少しました。当然、発熱や肺炎の発症率も減っています😲。また、唾液内におけるインフルエンザの感染や増殖、発症に関わる因子が減少していることもわかりました。

どうでしょうか。お口のケアはいわゆる風邪に効果があるんです😊。コロナ禍でも結構言われていましたよね👍。研究や報告は御高齢の方、介護施設に入られている方を対象にしたものがほとんどになりますが、一般の方やお子さんにも間違いなく関わってきます😲。お口の中はいつもきれいにしておいた方がよさそうです😊。

ただ難しいところもあります。食渣や歯垢などの残渣物を中途半端にしか取れないと逆効果になる可能性もあります💦。喉にはがれた悪いものが流れてしまうのです💦。うがいが難しい方や、体が弱っている方ですとムセルことができず、誤嚥性肺炎の可能性が高まってしまいます💧。お口のケアではきっちり外まで食渣や歯垢などの残渣物を出してしまうことが重要です。ここは意識していただきたいところですね。

なかなか難しいですね😅。やり方がわからない場合や、不安があればいつでもご相談くださいね。

フレーバーウォーターを飲んで虫歯になりますか?

フレーバーウォーターって何❓

今回はフレーバーウォーターについてです。みなさんはフレーバーウォーターってわかりますか❓。明確な定義が無いのですが、一般的に見た目は無色透明なミネラルウォーターにみえるものの、飲むとリンゴや桃、レモンなどの香りと味がしっかりついている飲料をいいます🍎🍑🍋。

このフレーバーウォーターですが、「天然仕立て。」や「新感覚の水。」といったキャッチコピーで売られており、一見して普通の「水」のイメージが強いです💧。ミネラルウォーターにちょっと何か足してあるぐらいの感覚ではないでしょうか。でも、ミネラルウォーターとはまったく異なるものと考えたほうがよいです😲。実は注意が必要なのです。

ミネラルウォーターの定義は、農林水産省によると、『地表から浸透し、地下を移動中または地下に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水であるナチュラルウォーターを原水として、品質を安定させる目的等のためにミネラルや分の調整や、複数の水源から採水したナチュラルウォーターの混合などが行われているもの。』とされています。まあ、天然の水です💧。

フレーバーウォーターはこのミネラルウォーターに分類されていません。実は清涼飲料水に分類されています😲。そして意外に糖類(果糖ブドウ糖液糖、砂糖、その他の甘味料。)が多く含まれています。ある調査では、ペットボトル1本(約500mℓ。)あたりのフレーバーウォーターには、砂糖量に換算すると約14から84gも含まれていたということです💦。エネルギーも、高いものでは100mℓあたり約30kcаlもあったそうです💦。ほぼジュースです🍹。

香りや味がついていて、後味がすっきりしており飲みやすいことから、水分補給として活用している方も多いと思われます😞。しかし、水やお茶のかわりに気軽に飲み干していると、糖分やエネルギーを過剰に取っている可能性があります。糖分の過剰かつ頻回な摂取は、虫歯を誘発し、歯の喪失、口腔機能の低下に繋がることもわかっています😢。水やお茶と同じように摂取するのには注意が必要です。

もちろん、商品によりけりです。香料のみしか含まれていないものもあり、糖分やエネルギーがほとんど無いものもあります👍。そのあたりは、商品に記載されている原材料名や栄養成分表示を確認してみましょう。結構な違いがありますよ💦。フレーバーウォーターはミネラルウォーターとはまったく違うものであることを知っていただき、ご自身の身体やお口の中のため、少し注意していただければと思います。

 

妊娠中に悪くなった歯ぐきは治る❓

今回はよくある訴えからです。ひかる歯科ちえこども歯科にはたくさんの妊婦さんが受診されます。熊本市が行っている妊婦歯科健診もよくやっていますよ😊。その中でよくある訴えとして、「歯ぐきが腫れている気がする。」、「歯ぐきから血が出やすくなった。」、「歯ぐきがむずむずする。」などがあります。全部、歯ぐき関連ですね💦。

いろいろと原因はあります。つわりで歯磨きが難しくなればお口の中のばい菌が増えて歯ぐきが荒れやすくなります🦠。また、食事回数や嗜好の変化などによりお口の中の環境が変わることで歯ぐきに悪影響がでることもあります💧。こういったことから、歯ぐきのみならず歯(虫歯。)にも注意が必要になる時期といえます。

さらに、お口の中の汚れや環境に関係なく、歯ぐきが荒れやすくなることもわかっています😲。妊娠中は女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌が増えます。実はこれだけで歯ぐきが荒れやすくなってしまうんです。くわしくは省略しますが、同様の理由で生理中は歯ぐきが荒れたり、腫れたり、出血しやすくなるんです💦。

また、歯周病菌の中には女性ホルモンが大好きな奴がいます😲。こういった歯周病菌は妊娠中に増えやすくなってしまいます。これも歯ぐきを荒らしたり、腫らしたり、出血しやすくする原因となります💦。

こういったことから、妊娠前と同じお口の中を維持していても、妊娠中は歯ぐきの症状がどうやってもでやすくなります。ではこういった症状は妊娠が終わったらどうなるのでしょうか❓。

これについては研究結果がでており、出産後、ホルモンバランスが落ち着くと改善することがわかっています😲。そのため、妊娠中によっぽど悪くならなければそんなに心配いりません。妊娠中はできる範囲でお口のケアをしていただき、しのいでいきましょう。心配なら歯医者さんでの定期検診の回数を増やすことも有効です😊。

妊娠中に歯ぐきの症状が強くでても、歯医者さんで適切な治療を行うことで改善することもわかっています。ただこういった方は、もともと歯周病が進んでいる方が多いです😞。できれば妊娠前からお口の中を良好に保つためのセルフケアに留意し、しっかり治療をしておくこと、また定期的な定期検診を受けることをおすすめします。やっぱり妊娠中の治療には制限が出てしまいますから( ノД`)シクシク…。

妊娠中はどうしても歯ぐきが荒れやすく、腫れやすく、出血しやすくなったりします。ただ軽度であればそんなに心配いりません。出産後は必ず落ち着きます。どーんと構えていてください。

1 26 27 28 29 30 31 32 33 34 52