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院長からの発信 一覧

当院が何故こども歯科に力をいれるのか③

②の続きになります。

予防という道へと向かうことになった私ですが、幸いなことにたくさんの情報を得られる立場でした。九州大学病院には予防歯科がありましたし、なにより私が大学を退局して務めた大林歯科小児歯科は当時から予防に大変力を入れていました。大学在籍中からアルバイトで通わせていただいており、院長である大林京子先生も大変勉強家の先生で、最新の情報をたくさん学ばせていただきました。ちなみに大林京子先生は九州大学歯学部の1期生です。私が30期生、さからうことは死を意味する時代です(笑)。

当時から虫歯予防、歯周病予防には様々な方法が提唱されていました。中にはテレビで取り上げられたものも少なくありません。しかし全国的に定着し、一般の方が知っているという方法は今もありません。詳細はディスルことになるのでここでは割愛しますが、効果の確実性・持続性に疑問があったり、結構なお金を出して生涯続ける必要があったりと問題がありました。生涯続けるのは歯ブラシぐらいにしたいものですね(笑)。いろいろと勉強し試しましたが、これはという方法はなかなかみつかりませんでした。

しかし大林歯科小児歯科にて診療する中でみえてきたものもありました。

まず、虫歯・歯周病ともこどもの頃の状態がずっと尾を引くことです。こどもの頃状態が良い子は大人になっても状態が良い、逆にこどもの頃に状態が悪い子は大人になっても状態が悪い、再治療を繰り返します。治療のスタートが早いほどこの傾向は顕著です。こどもから大人まで診療をしており、開業してからの年月も長く、当時でも10000以上のカルテがあった大林歯科小児歯科だからこそわかることです。先ほども述べましたが、大林歯科小児歯科は予防に大変力を入れています。当時も様々な試みを行っていました。それでも状態が悪い子の負のサイクルを止めるのは難しいのです。悪くなるスタートをできるだけ遅くすることが大事となります。

そしてもう一つ大事なのが歯並び、そして咬み合わせです。歯並びが悪いと単純に磨きにくくなり、虫歯・歯周病の点で不利になります。咬み合わせはもっと重要です。②でも記述しましたが、私達が日常的に食事をするときでも自分の体重ぐらいの負荷がかかっています。咬み合わせのバランスが悪いと少し問題が起きただけで、大きくバランスがくずれます。虫歯や歯周病など他の要因も絡んで、あれよという間に悪くなることも少なくありません。御高齢の方で8020を達成していらっしゃる方、治療がしてあっても歯並び・咬み合わせが悪い方はいません。このことからも生涯を通して歯並び・咬み合わせが歯の保存にとても重要であることがわかるかと思います。

では生涯にわたって歯を保存するためにはどうすべきかをみていきましょう(まだ日々勉強中ですが💧)。

④へ続く☆彡

 

 

 

当院が何故こども歯科に力をいれるのか②

さて①の続きです。

私は九州大学歯学部を卒業し、歯周病科に研修医として入局、その後同大学院へと進学しました。歯と歯ぐきの保存を専門とする科です。いかにして悪くなった歯や歯ぐきを治していくかを、基本から再生療法などの高度治療まで学ばせていただきました。最初に思ったのはやはり基本が大事ということです。歯周病の治療であれば歯磨きが一番大事!これが改善しないとその後の治療に十分な効果は見込めません。どんなに名医であってもこれは変わりません。毎日の歯磨きの積み重ねは将来大きな差となってお口の中に現れてきます。まあ、どんなことでも一緒かもしれませんね★

さて、大学に在籍中たくさんの患者さんを診させていただきましたが、しっかり治すことができていたのかです。これがなかなか難しかった、、、💧そもそも大学病院は、一般の歯科医院で治療が困難な患者さんが来ることが多いです。いくつもの歯科医院で保存不可と判断された歯を治すのは、歯の保存を専門とする大学病院の先生でも簡単ではありません。結果として抜歯宣告、もしくは歯の延命程度しかできないことも多々ありました💧。

人にもよりますが、ある一定以上悪くなった歯や歯ぐきを安定した状態で保つのは難しくなります。お口の中の環境は過酷です。熱いもの、冷たいもの、硬いもの、柔らかいもの、様々なものが入ってきます。さらに咬む力もあなどれない!日常的に食事をするときでも自分の体重ぐらいの負荷がかかっています。家に例えるなら、毎日台風と地震にさらされているようなものです。

そうすると

状態の悪い歯(治療により薄くなった歯)はどうなるか? → 割れます。

支え(歯を支える骨)の少ない歯はどうなるか? → 揺れはじめます。

もちろん、そういったことに対応する処置もあります。しかし食べないわけにはいかない。生きているかぎり咬むという力による疲労は少しずつ蓄積していきます。歯を長く安定した状態で保つには悪くなった歯を治療していくだけでは不十分(そもそも歯科における歯の治療は修復です。治療と言うのもおこがましい。歯周病の治療も現状維持が精一杯、無くなった骨を完全にもとに戻すことは再生治療でも不可能です。)で、生涯咬むということに耐えうる余力を十分にもたせる必要があります。

となるとどうするのが一番いいか。当たり前のことなのですが、悪くしないこと、できるだけ治療しないでいい状態にすることが大事となります。まさに「予防は治療に勝る」「上位は病を予防し、中医は来たらんとする病に応じ、下医は現実の病を治療する」です。まだまだ上医の道は厳しいですが(中医もか(笑))、こうして私は、予防という道へと向かうことになりました。

③へ続く☆彡

 

 

当院が何故こども歯科に力を入れるのか①

当院が何故こども歯科に力をいれるのか①

 

こんにちは。院長の甲斐田光です。

今回は「当院が何故こども歯科に力をいれるのか」をテーマにコラムを書かせていただきます。歯科医師になって20年ちょっと、いろいろな経験を通じて今この考えに至っています。この考えは今後も大きくは変わらないと思います。話すとかなり長くなりますが、お付き合いいただければと思います。

さて、私の経歴を見ていただいた方はご存じかもしれません。九州大学歯学部を卒業し、私が研修医として入局したのは「歯周病科」です。こども歯科とほぼ無縁といってもいい科でした。何故その科を選んだかというと、

  • 歯周病という病気がおもしろそうだったから★

(細菌、免疫、咬む力、全身疾患等、、、様々な分野が関係します。治療するのも、研究するのもおもしろいです。)

  • 当時歯周病治療は再生療法が盛んで(今もまずまず盛んですが)歯科治療の中でインプラントと並んで花形だったから★

この歯科保存科の名前が変わってしまったのが、残念でなりません。

まあ完全にミーハーですね(笑)。それでも研修医2年、大学院4年の6年間、臨床や研究で大変お世話になりました。ストレスで今より体重が10キロ以上重くなった時期もありましたが良い経験でした(笑)。当時の九州大学大学院歯学研究院の学位審査は公開処刑といわれており、死ぬほど大変だったんですよ💦。まあどうにか致命傷ですんで現在も生きています(笑)。ちなみに大学院における研究テーマや学位論文の内容は歯周組織や歯の再生に関するものとなっています。

ここまでこども歯科の内容はまったくでてきません。しかし、この歯周病科における、研修医と大学院生活の6年で私の中の目指す歯科医師像は大きく変わりました。

先ほど歯科保存科の名前が気にいったという話をさせていただきました。この自分の歯を大切にしたい、残したいという根底は変わってはいません。私は歯を削るのは避けたいですし、歯を抜くのも避けたいです。さわらずにすむのならその方がいいですし、下手にさわればさわるほど歯の寿命は縮むと思っています。歯科だけの問題ではありませんが、治療をすればすれほど儲かる医療システムは問題だと思っています

どうやったらできるだけさわらずに生涯安定して歯を保存できるかをいつも考えています。その結果がこども歯科なのです。

長くなりました。今回はここまで。

次回は歯周病科での6年間で、私の考えがどのように変わってきたかに入っていきましょう。

②へ続く☆彡

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