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外れるときは外れます

今回はよくある主訴からです。何かといいますと、『外れた!。』です。白い詰め物や銀歯、ときには自分の歯が欠けているときもあります。比較的多い主訴となります💦。

外れた場合どうするかといいますと、戻せるときは戻します。戻せない状態だったり、戻せない修復物の場合は別の方法を考えます。

この『外れた!。』に関してはいつ起こるかが予想できません。外れかけているのがわかるときもあるのですが、ほとんどは突然起こります💦。タチが悪いのです( ノД`)シクシク…。下手をすると定期健診のあとすぐに外れることもあります。最短で次の日もありましたね。本当にわからないのです。もう少し早く外れていれば、定期健診のときに一緒にできたのに、、、、、。

そしてこの、『外れた!。』ときにセットでよく聞かれる質問があります。それは、『なぜ外れるんですか❓。』です。いや、どんなものでも外れるときは外れるでしょと思ったりするのですが、神のみぞしる、神の領域ですかね。

外れる原因としては再度虫歯になっていたり、修復物自体や歯が欠けて外れてくることが多いのですが、特に問題が無くても外れることが結構あります。何故でしょうか(。´・ω・)?。

 

歯を治す材料はいろいろです。白い詰め物や銀歯などいろいろあるのですが、どれも同じことが一つあります。それはすべてノリでくっつけてあるということ。材料によってノリを変えたり、くっつける前に下処理したり違いはあるのですが、結局最後はノリでくっつけます。このノリは人類の英知の結晶と言ってもいいぐらいすごいものなのですが、やはり人間が作ったもの、永遠にくっつけておけるほど強くありません( ノД`)シクシク…。しかもお 口の中の環境は過酷です。歯には咬むことで自分の体重と同じくらいの力がかかっていますし、熱いもの冷たいものなど様々なものがやってきます。地震と台風がずっときているような状態なのです😲。こんな環境で永遠にくっつけておくのは不可能です。歯に入れた修復物は種類や形態にもよりますが、5年程たつと何かしらトラブルが起こってきます。外れるときは外れるんです。

まあ、こればっかりは仕方がないところがあります。外れたときに対応していきます。ちなみにはずれる状況として、フロスを通していたときというのが結構多いです。『フロスしない方がいいですか❓。』と聞かれるのですが、フロスは是非通してください。やめない方がいいです。そもそもフロスではずれる状態というのは、すでに別の理由で外れかかっているのです。外れかかっている状態が1番悪くなりやすいので、さっさと外れてもらった方が歯にやさしいです。そしてもう1つ、フロスをきちんと通されている方は外れても中が悪くなっていることはほとんどなく、そのまま戻せることが多いです。外れることを恐れずしっかりフロスは通してくださいね。

歯磨き粉、目的に合わせて選びましょう😊

皆さんは歯磨き粉をどうやって選んでいますか❓味や匂いでしょうか❓それとも効能でしょうか❓最近の歯磨き粉はたくさんの有効成分が含まれていて、好きなものを使っていただいても大体大丈夫なのですが、できれば自分が必要とする効能があるといいですよね👍。パッケージにはその商品が売りとする効能が大きく書いてあることも多いので、それを参考にしてもいいでしょう。でもできれば何が効果を発揮しているのも知っておくといいかと思います😲。パッケージには効能として書いていなくても、有効成分としては含まれていることもあります。歯磨き粉を選ぶ時の参考にできるでしょう。今回は代表的な効能と、その有効成分を少し詳しくみていきましょう👍。

🌟虫歯予防、歯を強化したい。🌟

フッ素による歯の強化となります。歯の再石灰化(歯の表面が酸で脱灰、溶け出してもそれをもとに戻す作用のことです。)にも関わります。パッケージに書いていなくても含まれていることが多いです。9割以上の歯磨き粉にはフッ素化合物が含まれているという報告もありますね😊。

○フッ化ナトリウム(NaF)。

フッ素により歯の耐酸性を向上させます。歯の最表層の再石灰化に特に関わっており、反応は急速です。カルシウムと反応しやすいため、他の成分にカルシウム主体のものが含まれる場合は使えません。

○モノフルオロリン酸カルシウム(MFP)。

フッ素により歯の耐酸性を向上させます。歯の表層下の脱灰最深部の再石灰化に特に関わっており、反応はゆっくりです。フッ化ナトリウムとともに、よく使われているフッ素化合物となっています。

○フッ化第一スズ(SnF₂)。

フッ素により歯の耐酸性を向上させます。スズイオンによる殺菌効果がありますが、歯面に着色が起こることがあります。上記2つに比べるとシェアは少ないです。

🌟歯質を回復したい。特に歯の頭(歯冠。)の部分。🌟

虫歯予防とかぶるところもあります。虫歯などで失われていく歯の結晶(ハイドロキシアパタイト。)に対して、その成分、特にカルシウムを補給することで結晶の回復を促します😊。

○薬用ハイドロキシアパタイト(mHAP)。

歯の結晶そのものであるハイドロキシアパタイトからなります。歯の結晶成分を補給し、結晶の回復を促します。

○非結晶リン酸カルシウム(CPP-ACP)。

カルシウムなどのミネラルを補給し、結晶の回復を促します。また、酸に対する中和・緩衝作用もあります。

○リン酸三カルシウム(fTCP)。

カルシウムなどのミネラルを補給し、結晶の回復を促します。フッ素化合物の作用を向上する能力もあります。

🌟歯質を回復したい。特に歯の根っこ(歯根。)部分。🌟

🌟知覚過敏を抑えたい。🌟

歯の根っこの部分に作用して、歯質の回復を促してくれます。歯の根っこは年齢が上がるにつれて、また歯周病が進んだりすると露出してきます。歯の根っこに起こる虫歯(根面虫歯。)に対して強い作用を持ち、知覚過敏に対する抑制作用をもつものも多いです。歯の頭の部分と根っこの部分では結晶構造や構成成分が大きく異なるため、注意が必要です😲。

○ナノ粒子ハイドロキシアパタイト(nano HAP)。

歯質の結晶成分からなるハイドロキシアパタイトからなります。しかもnanoつきです。根面虫歯の進行や知覚過敏の抑制効果があります。

○乳酸アルミニウム。

歯の構成成分とはあまり関係ない成分ですが、根面虫歯の進行や知覚過敏の抑制効果があります。

○硫酸カリウム。

刺激の伝達をブロックしてくれるため、知覚過敏抑制効果が高いです。しかし硫酸って、、、、、。

🌟ばい菌を減らしたい。🌟

虫歯菌や歯周病菌そのものを減らしてくれる成分です。フリーレンの防御魔法、全面展開なみに守られた歯垢(プラーク。)の中に浸透する成分や、炎症が起きて増えている、もしくは、歯磨きのあとに残っている浮遊しているばい菌に効きやすいものとあります🦠。歯磨き粉だけでなく洗口剤にも含まれることが多いです。

○イソプロピルメチルフェノール(IPMP)。

プラークの中に浸透して殺菌してくれます。黒いゾルトラークですね🥶。安全性が高く、刺激性・毒性も低いです。比較的状態が安定しており、きちんと定期検診を受けられている患者さんに適しています。

○塩化セチルピリジウム(CPC)。

浮遊しているばい菌に効果が高いです。安全性が大変高く、低濃度で効果があるため、多くの歯磨き粉やそれ以外の商品でも使われています。

○グルコン酸クロルヘキシジン(CHX)。

浮遊しているばい菌に効果が高いです。日本ではアレルギーや過敏症などの問題から、濃度が低く設定されているのですが、ポテンシャルは高いです。

○ラウロイルサルコシンナトリウム(LSS)。

界面活性剤ですですが、殺菌作用も持ち合わせています。虫歯や口臭に効果が高いとされています。

🌟炎症を抑えたい。🌟

炎症を抑える成分は上記したばい菌を減らす成分と一緒に配合されていることがほとんどです。特に歯ぐきの炎症に有効ですね。

○グリチルリチン酸

(グリチルリチン酸ジカリウム、β-グリチルリチン酸など。)。

すぐれた抗炎症作用があり、最もよく使われています。

○イプシロンアミノカプロン酸(ε-ACA)。

炎症を誘発する酵素の働きを抑え、炎症の誘発を抑制します。特に痛みや腫れが出やすい方に適しています。

○トラネキサム酸(TXA)。

炎症を誘発する酵素の働きを抑え、炎症の誘発を抑制します。特に出血を抑制する効果が高いです。

○酢酸トコフェノール(ビタミンE)。

血行促進作用があり、歯ぐきを引き締めたい方に適しています。

🌟歯石や着色を取りたい。🌟

歯石や着色は有効成分の浸透力によってそれらが付きにくく、はがれやすくなります。汚れを浮かせる力といってもいいかもしれません。

○ピロリン酸ナトリウム。

歯面のカルシウムと結合することで歯石や着色を付きにくくします。また、歯石や着色に浸透し除去しやすくしてくれます。

○ポリリン酸ナトリウム。

歯面のカルシウムと結合することで歯石や着色を付きにくくします。また、歯石や着色に浸透し除去しやすくしてくれます。ピロリン酸ナトリウムとポリリン酸ナトリウムはどちらも歯石の沈着防止やタバコのヤニ除去として承認されています。

○ポリエチレングリコール(PEG)。

着色に浸透し沈着を抑制してくれます。また、プラークも取りやすくなります。

○ポリビニルピロリドン(PVP)。

着色に浸透し沈着を抑制してくれます。また、プラークも取りやすくなります。

ポリエチレングリコールやポリビニルピロリドンはどちらもヤニ除去として承認されています。

いかがだったでしょうか。主だったものを挙げてみましたが、結構多くなりましたね💦。でも、他にもたくさんあります。正直私もすべては把握できていませんし、聞かれてもよくわからないものもあります。歯磨き粉は各社工夫を凝らした、人類科学の結晶です。使わないという選択はありません。

毎日使うものですから、自分にあった歯磨き粉を使うことはとても大事です😊。虫歯が気になる方は虫歯予防に効果が高い歯磨き粉を、歯ぐきが気になる方は歯周病予防に効果が高い歯磨き粉を、知覚過敏が気になる方は知覚過敏に効果のある歯磨き粉を、歯石や着色が気になる方は歯石や着色を付きにくくする、除去しやすくしてくれる歯磨き粉を選択しましょう。パッケージには大まかな効能は書いてありますが、何が効いているのかも知っておくといろいろと便利です。そういった効能に加えて味や匂いが合えば最高です。是非楽しんでくださいね。

 

10月16日は祝日の振り替え診療で1日診療します

10月16日は水曜日ですが祝日の振り替え診療で1日診療します

どうぞよろしくお願い致します。

小さなお子さんの食事指導(卒乳期編)😊 ②

さあ、①の続きですよ。思ったより長くなっていますがそれだけ質問が多いんです。そしてとても大事なんですよ。お付き合いくださいね。では続きをみていきましょう。

ケース5

🌟【ずっと咬んでいるんです。】🌟

🌟【いつまでも飲み込みません】🌟

  • ケース2と同じで一口量などに問題があることもあるのですが、精神面

と関係していることもあります。

◎食べ方、食べさせ方。

口に入れる量が多い場合は一口量を調整しましょう。咬む力に合わない食べ物を与えている場合は調理の仕方を見直す必要がありますね。

また嫌いなものを溜めている場合もあります。理由も味や形態、表面性状、臭いなど様々😅。お子さんが、「イヤ!。」、「嫌い!。」と言える安心感も大事になります。

ケース6

🌟【好き嫌いが多いです。】🌟

🌟【野菜を食べてくれないです。】🌟

🌟【肉や魚を食べてくれないです。】🌟

お口の機能の発達と食べ物があっておらず、食べられないため嫌がっている場合があります。また食欲や空腹感とも関係します。

◎食材の形状。

しっかりと咬めるまでは、月齢や年齢ではなく、発達に合わせた、咬みやすい調理形態のものを与えましょう。段階を踏んでいかないといけないこともあります😊。

また卒乳が完了しても、大人と同じものが何でも食べられるわけではありません。特に奥歯がまだ出ていない場合、苦手とする食べ物がたくさんあります。これは少し詳しくみてみましょうか😲。

  • 奥歯がまだ出ていないため、食材をすりつぶすことができず、お口の中でうま

く処理できない食べ物の例💦

・ペラペラしたもの。(わかめ、レタスなど。)

・皮が口に残るもの。(トマト、豆など。)

・硬すぎるもの。(かたまり肉、エビ、イカなど。)

・弾力のあるもの。(こんにゃく、かまぼこ、きのこなど。)

・口の中でばらけるもの。(ブロッコリー、ひき肉など。)

  • 唾液を吸われて上あごに食材がくっついて咬みにくくなる食べ物の例💦

・パン、ゆでたまご、さつまいもなど

結構多いですよね😅。ちなみに奥歯がでてきてこどもの歯が生えそろうのは大体2才半ぐらいなんですよ🦷。

◎おやつの与え方。

チョコレートなどの甘いお菓子や、スナック菓子などの味に慣れているお子さんは、野菜などの自然な味がわからなくなり野菜嫌いに繋がることがあります。また、おやつの食べ過ぎでご飯のときに空腹感を感じないと、好きなものだけ食べてしまうことになります😞。

ケース7

🌟【食べるときと食べないときの差が大きいです。】🌟

お口の機能に問題が無ければ、空腹感や食事のタイミング、食事の環境と関係することが多いですね。

◎生活習慣。

空腹を感じていないことが原因の場合が多いので、生活習慣を規則的にすることが1番です。活動量を増やして空腹を感じられるようにするのも効果がありますよ😊。

◎食事の環境。

食事に集中できていないことも多いです。食事に集中できるように、食事中はテレビを消す、おもちゃをかたづける、お子さんが気になるものを周りに置かないようにするといいですね👍。また、「これから食事をとるんだ。」という気持ちになるように、手を洗ってエプロンをつけたり、お気に入りの食器なんかがあるととても効果的ですよ🥄。

ケース8

🌟【食事中もお口がポカンと開いています。】🌟

🌟【よだれが垂れやすいです。】🌟

食事中だけでなく普段からお口が開いていることが多いです。お口の周りの筋肉の未発達が1番の原因です。

◎食べ方、食べさせ方。

食事では少し大きめに切った食べ物を与え、前歯でかじりとらせるようにしましょう。唇が鍛えることができますよ👍。

◎お口の運動。

お口の周りの筋肉、すなわち唇や頬、舌などをどんどん動かすようにしましょう。ラッパを吹くなどの遊びを取り入れたりしてもいいですね📯。おしゃぶりもとても効果的ですよ😊。

ケース9

お口の機能の発達のためには保護者の方による食べさせ方も注意が必要です。これまでにでていない注意点をいくつか挙げておきますね。

🌟【スプーンをなすり上げて食べさせていませんか❓。】🌟

スプーンでの適切な食べさせ方についてです。まずスプーンを口の前にもっていきますよね。お子さんが、「あーん。」と自分からお口を開けてくわえるのを待ちましょう。次に自分で、「パクッ」と食べてしっかりお口を閉じるのを待ちます。その後スプーンをまっすぐ抜いてください。しっかりとお口を閉じた後にスプーンをまっすぐに出すことが重要です😲。

結構多くみられるのですが、お子さんがしっかりスプーンをくわえる前に、スプーンを上唇になすり上げ、食べさせている方がいらっしゃいます。お子さんからすると何もしなくてもお口の中に食べ物が入ってくる状態で、唇を動かしたりする機会が減ってしまい、お口の周りの機能が育ちません🙅。もったいないですよ。

🌟【一口大で入る大きさばかりにしていませんか❓。】🌟

食べやすいように一口大に切って与えることが悪いわけではないのですが、そればっかりだとお口の周りの機能が育ちません。一口では入らないものを咬みとる練習も必要です。手づかみで食べてかじり取る練習のためには、持ちやすく、一口では入らない大きさの食べ物を与えましょう👍。

いかがだったでしょうか。なかなか難しいですよね。

おっぱいを飲むことは教えなくてもできること、また、保護者自身物心がついたときには咬んで食べることができていたため、咬む機能は成長とともに自然に獲得できるように思っている方が多いように思います💧。首が座り、おすわりをし、はいはい、つかまり立ち、そして歩くなどの身体の発達は、目に見えるのでわかりやすいですが、お口の中の発達は関心を持って観察しないとなかなか分かりにくいです💦。そのため、卒乳時期からお子さんのお口の機能の発達をよく観察し、お口の機能の発達に合った食べ物を与え、それぞれの時期の課題をしっかり練習して身につけていかなくてはなりません👍。苦手だからと食卓に出さないと、本当に食べられなくなってしまうので、食べやすい方法を色々と工夫していく必要があります。

歯医者さんとしてお口の中に携わる私達も、虫歯や歯周病の予防だけでなく、咬むことの大切さやそれぞれの発達に合わせた食べ物の与え方などに関する正しい情報を提供することはとても大事なことだと考えています。常に知識や技術のアップデートを行っていますので、なにか困りごとや不安なことがありましたらいつでもご相談ください。

とはいっても無理し過ぎないことも大事ですよ。私達や保護者の方々がどんなにがんばってもなかなかうまく食べてくれないときもあります😞。あまり食べない時期もあったりしますし、そんなときはがんばりすぎなくても大丈夫。まずは、「食事は楽しく。」という基本に帰りましょう😊。無理強いしたり、怒ったりしないで、あまり気にしないで楽しく食事を進めましょう。一緒に楽しく、保護者の方がおいしそうに食べているのをみていると、お子さんも「食べよう。」って思ってくれます。それも成長です👶。

最近はいろいろな情報が溢れています。インターネットやテレビ、雑誌などをみて、これをしないと、あれもしないと、こうでなければ、ああでなければとすごく頑張ってらっしゃる保護者の方もよくみかけます。今回のテーマに限らず虫歯予防なんかも同じで、お子さんと楽しみながらやるのが1番です。頑張り過ぎると保護者の方もお子さんも疲れてしまいます。ひかる歯科ちえこども歯科でもサポートできることがあると思いますのでご気軽にご来院くださいね。

小さなお子さんの食事指導(卒乳期編)😊 ①

ひかる歯科ちえこども歯科には毎日たくさんのお子さんが来られます。その中にはまだ1才になっていないお子さんや、卒乳をしていないお子さんもたくさんいらっしゃいます👶。「虫歯が心配。」や「健診で受診を促された。」、「歯の出方が気になる。」などの主訴で来院されることが多いですね。そんな中話を聞いていると、卒乳期のおける困りごとの相談もよくききます。

健康に生きていくうえで、お口の周りの機能の発達は不可欠なものです。特に哺乳期(0ヶ月~6ヶ月頃。)と卒乳期(6ヶ月~18ヶ月頃。)はお口の機能の発達にとって1番大切な時期にあたります。食事を摂り始めるこの時期から、お口の機能が健全に発達するように正しい食習慣を身につけていくことは、お子さんの将来にわたる健康に大きな影響を与えます😲。

今回は卒乳期において、よくある質問についてみていきましょう。
ケース1

🌟【丸飲みするんです。】🌟
🌟【あまり咬まないんです。】🌟
🌟【口からべーって食べ物を出してしまうんです。】🌟

これらの訴えはお口の機能の発達に対して食べ物が合っていないことや、一
口量、姿勢などに問題があることが多いです。お口の機能にあってない食べ物で
すと、お子さんは自分で処理することができません。その結果、食欲のあるお子
さんは丸飲みに、そうでないお子さんはべーっと出すことになるんです。

◎食べ物の形状。
しっかり咬めるまでは、月齢や年齢でなく、発達に合わせた咬みやすい調理形
態のものをあたえましょう😊。硬い物を与えれば咬むのが上手になるわけでは
ありません。段階を踏んで練習をしていかないといけないんです。

◎食べ方、食べさせ方。
スプーンに乗せる量はボウル部分の2分の1から3分の1ぐらいでくちびる
で取り込みやすい量にしましょう。多過ぎると舌の動きが悪くなり、うまく咬め
ませんΣ(・ω・ノ)ノ!。飲み込んだことを確認して次を食べさせてくださいね😊。

卒乳期初期は舌の奥に食べ物を入れると、まだ食べ物を舌でつぶせないため
吐き出してしまいます。卒乳期中期になると自分の舌を使って食べ物を奥に送
る練習ができないためすぐに飲み込む習慣がつきます。舌が発達しないんです。
どちらの場合も舌の前の方に入れるようにしましょう😊。

◎食事中の飲み物。
食事中に飲み物を与えると、流し込む習慣がつきやすくなります。食後に飲ま
せるようにしましょう。

◎食べる時の姿勢。
机やいすの高さが食べやすい姿勢になるようにしましょう。机が高すぎると、
自由に腕や手を動かしにくくなります。両手が食卓の上に自然に乗る高さがい
いですね。頭や体、呼吸が安定するよう、体の軸はまっすぐ、足裏がしっかり床
につくようにしてくださいね。ただ卒乳期初期、自分でしっかり座れないときは、
少し後ろに傾かせて座らせた方が食べやすいですよ😊。

ケース2
🌟【口いっぱいに詰め込んでしまうんです。】🌟
🌟【喉に詰まらせてオエっとなるんです。】🌟
食べ物の大きさや硬さ、一口量、食べ方などが関係します。一口量が多すぎる
と、お口の中で食べ物を処理できず、そのまま飲み込むか、それができなけれ
ば喉詰まりを起こしてオエっとなってしまいます。

◎食べ方、食べさせ方。
スプーンに乗せる量はボウル部分の2分の1から3分の1ぐらいでくちびる
で取り込みやすい量にしましょう。飲み込んだことを確認して次を食べさせて
くださいね😊。

◎手指の発達。
手指の発達が未熟で、手で食べ物を押し込んでしまっている場合があります。
手指の動きの発達を促すために、小さい物をつかむ練習をしたり、手遊び歌な
ど手指を動かす遊びを取り入れるといいですね👍。

ケース3
🌟【ぜんぜん食べないのです。】🌟
🌟【少食なんです。】🌟
虫歯などお口の中に痛みがあって食べられないときもありますが、基本的な
お口の機能の発達に問題や遅れが無い場合は、食事以外の間食や母乳、生活習慣
の乱れが原因になっていることが多いです😞。

◎お口の中に何か問題がないでしょうか❓。
お口の中に痛みなどがあると食べなくなります。虫歯や口内炎、他にもいろい
ろとありますね。1度歯医者さんでみてもらいましょう😊。

◎おやつの与え方。
お子さんは成長のため栄養をたくさん摂る必要があるため、体の大きさに比
べると、多くの栄養を摂らなければなりません。3度の食事だけでは摂りきれな
い必要な栄養を補うのがおやつ本来の目的です。「おやつ=甘い物」ではないこ
とをまず意識してください🙅。おやつの時間や内容、量や質が不適切な場合は
改善しましょう。
味の濃いものや咬まずに食べられるものに慣れてしまっていると、ご飯や野
菜の素朴な甘さやがわからなくなってしまっていうことがあります。甘いおや
つや味の濃いおやつを控えていくようにしてくださいね😊。

◎母乳の有無。
お子さんが泣いたら与えるなど、時間に関係なく母乳を与えている場合、ちょ
こちょこ飲みが習慣になっていて空腹感がなく食べないことが多いです。なか
なか難しいかもしれませんが、まずは、「泣いたらおっぱい。」をやめること、食
事の後にしっかり飲ませて間隔を少しずつあけていきましょう👍。母乳を与え
ることは母子関係のためにも重要です。ただ3才までに食べるためのお口の機
能をしっかり身につけてもらい、いろいろな食材を経験させ、味覚なども含めて
成長発育を促すこともとても大事なんです。この時期を過ぎると正しい機能を
獲得するのに時間がかかってしまいます。少しずつちょこちょこ飲みをやめて
いきましょうね😊。

◎食事中の飲み物。
食事中にお茶やお水をたくさん飲んでいると、それだけでお腹がいっぱいに
なることがあります。できるだけ食事中は飲み物を食卓に置かないようお勧め
します。特にジュース類は駄目ですよ🙅。

◎生活習慣。
生活習慣が不規則だと、食事の時間に眠くなったり、空腹感と食事のタイミン
グが合わなかったりしてしまいます。生活時間の見直しとともに、体を動かしてしっかり遊ぶこともお勧めです👍。
ケース4

🌟【食べ過ぎが心配です。】🌟
ケース3と逆ですね。ただあまり問題がないことが多いです。保護者の方がお
子さんの食事の適量を理解しておらず、食べ過ぎと勘違いしていることが多い
です。もしくは早食いのときもあります。

◎食べ方、食べさせ方。
お子さんは身体が小さいですよね。でも食事の量も少なくていいわけではあ
りません😲。お子さんの場合は身体を維持する栄養に加えて、成長するための
栄養も必要です。そのため体の大きさに比べるとたくさん食べないといけませ
ん🍖🐟🥬米🍞。

例えば、10kgのお子さんの食べる量はどれくらいでしょうか。10kgと
いいますと、個人差はありますが、1才半から2才半のお子さんにあたります。
大人の平均体重は男性で64.0kg、女性が52.7kgですから、その5分
の1から6分1でしょうか。正解はカロリーでみてみるといいですね👍。成人
の推奨摂取カロリーは性別や体格、運動量でだいぶ変わるのですが大体200
0~2500カロリーです。では1~2才のお子さんはといいますと950カ
ロリー、3~5才ですと1300カロリーなんです。概ね2分の1ですね😲。
つまり大人の半分ぐらいは食べないといけないのです。体の大きさで判断した
ら駄目なんですよ🙅。

気を付けていただきたいのは早食いです。早食いですとすごく食べているよ
うに感じてしまいます。この場合、咬まずに飲み込んでいないかなど、ケース1
に相当しないかも確認が必要です。

さて卒乳期の食事におけるよくある質問をまとめてきました👍。短くするつ
もりでしたが長くなりそうですね。まだまだあります。②へいきますね。
②へ続く。

歯ブラシの選び方は? 歯ブラシの選び方入門😊

さて今回は歯ブラシの選び方入門です。歯ブラシは本当に多種多様で私達歯医者さんでもすべてを把握できていません💧。しかし、歯ブラシの各部位の特徴を押さえておくことで、ある程度選ぶときに応用が効きます。まずは歯ブラシの各部位における特徴を簡単にみてみましょう😊。

【頭部(ヘッド。)。】

歯ブラシの先の部分、毛の付いている部分です。ヘッドでみるのは長さ、厚さ、幅となります。

【毛。】

1番大事な部分ですね。汚れを落としてくれるところです。毛は植毛部の形状、毛先の形状、毛の硬さ、毛の素材など、みるべきところが多いです😅。

〇植毛部の形状。

毛の先が均一で平らとなっているフラットタイプ山形でギザギザしているタイプがあります。後者は山切りカットとかいわれていますね🏔。

〇毛先の形状。

毛先が丸くなっているラウンドタイプと先にいくほど細くなるテーパードタイプとあります。基本的にラウンドタイプの方が汚れは除去しやすいです。

〇毛の硬さ。

毛の硬さは、硬め、普通、やわらかめとあります。

〇毛の素材。

毛の素材もナイロン製、飽和ポリエステル樹脂(PBT製)、動物の毛製🐎🐖、シリコン製などがあります。これについてはナイロン製もしくは飽和ポリエステル樹脂を選んでください。他はあまり歯ブラシには適していません。

【把持部(ハンドル。)。】

歯ブラシをもつところです。ここも太い、細い、長い、短いなどの特徴があります。

【頸部(ネック)。】

頭部と把持部を結ぶ部分です。ストレートネックカーブネックがあります。基本的にはストレートネックの方が汚れを除去しやすいです。

他にも細かい所でいろいろな違いがあったりしますが、基本的に抑えていただきたいのはこれぐらいでしょうか。結構多いかな😅。

それではケース別で歯ブラシの選び方をみていきましょう👍。

🌟ケース1。🌟

虫歯が多い。虫歯治療をした歯が多い。虫歯のリスクが高い。

しっかりと歯の面に毛先があたり、汚れを除去する効率の良い歯ブラシがおすすめとなります👍。ヘッドはお口のサイズによって変わりますが、奥までしっかり入って、自由に動かせることが大事です。毛はフラットタイプで、ラウンドタイプ、毛の硬さは普通がいいですね。ただ、汚れが硬い方(唾液が少ない方など。)や力が手に入らない方などは硬めもありです。把持部は手の大きさに合わせて持ちやすいものを、頸部はストレートタイプが基本となりますよ😊。

🌟ケース2。🌟

歯周病が進んでいる。歯ぐきが腫れやすい。歯周病のリスクが高い。

歯周病が多少あっても軽度であれば先程のケース1に準ずる歯ブラシで大丈夫です。問題は歯周病が進んで、歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケット。)の深さが深くなっているときです💦。

その場合はというと、ヘッドはお口のサイズに合わせ、植毛部の形状はフラットタイプがいいですね。毛の硬さは基本普通でいいです。把持部は持ちやすいものを、頸部はストレートタイプがおすすめです😊。

毛先の性状はテーパードタイプを考えてもいいでしょう。毛先にいくほど細くなっていますので、歯周ポケットの中にしっかり入って汚れをかき出してくれますよ👍。ただ、きちんとあてきれないと入りませんので、ちょっとばかし上級者向けになるかもしれません。力を入れ過ぎると歯ぐきをいためることもありますしね💧。

また、歯ぐきが腫れたり荒れたりしていて、痛みを感じやすくなっているときがあります。そんなときはやわらかめの歯ブラシを使うのもありです。でも、治療が進んで歯ぐきの状態が改善したら、普通の歯ブラシに戻してくださいね😊。

🌟ケース3。🌟

歯ブラシをあてる力が強い方。

歯ブラシをあてる力が強いと歯がだんだん削れたりしますし、歯ぐきが傷つき下がってくることがあります。歯ブラシをあてる力をきちんとコントロールするのが1番なのですが、なかなか難しい場合も多いですね😅。

そんなときはやわらかめの歯ブラシを使うのもありです。毛は開きやすくなるため歯ブラシの交換頻度は増えますが💦、歯や歯ぐきが悪くなるよりいいかと思います。

また、頸部がカーブネックになっているものもいいですね。カーブしているため力の緩和が期待できます。最近では力が入り過ぎるとカチッといって教えてくれる歯ブラシもありますよ。

🌟ケース4。🌟

知覚過敏が強い方。

知覚過敏が強い方はケース3とおなじで、歯ブラシをあてる力が強い方が多いです😞。まずは歯ブラシをあてる力を確認し、必要なら修正することが1番大事です。知覚過敏に対する治療を進め、シュミテクトなど知覚過敏に効く歯磨き粉を使うなど、知覚過敏に対する処置もしっかり行います。その上で、まだ、知覚過敏が気になるようなら、やわらかめの歯ブラシを使うことを考えます。カーブネックの歯ブラシもいいですよ。知覚過敏は結構しつこいことが多いです😢。

🌟ケース5。🌟

手が不自由、または握力がない方(御高齢の方が多いです。)。歯ブラシをあてる力が弱い方。

ケース3とは逆のケースですね。この場合はフラットタイプ、ラウンドタイプストレートネックの歯ブラシとし、硬めを選ぶのもありです。硬めの歯ブラシの方が汚れを除去する力は強いです。また、把持部は持ちやすいよう太くて長いものが適しています。いろいろ試しましょう。

こういったケースでは電動歯ブラシや超音波・音波ブラシも検討してみてもいいかもしれませんね👍。

🌟ケース6。🌟

妊娠中でつわりの強い方や嘔吐反射が強い方。

妊娠中のつわりで歯磨きが難しくなるときがあります。また、嘔吐反射といって、奥にものが入るとオエっとなる反射があります。人によりますが、お口の奥に歯ブラシを入れられない方もいらっしゃいます💧。

そういった方にはヘッドの部分が小さい歯ブラシがおすすめです。ヘッドと一口にいっても長さ、厚さ、幅とありますが、特に注意していただきたいのは厚さです。薄い物を選んでくださいね😊。

🌟ケース7。🌟

歯並びが悪い方。矯正器具が入っている方。

歯並びが悪い場合、歯を1本ずつ磨いていくイメージが基本となります。1度にまとめて磨こうとしても無理です。いろんな角度から1本の歯にアプローチする必要があります💦。

矯正器具が入っている方も同様です。器具が邪魔しますので、1本ずつしっかり磨いていきましょう💦。

そうなると歯ブラシはヘッドが小さく小回りが効くものがよくなります。ヘッドは長さ、厚さ、幅とみるところがありますが、この場合は幅が1番影響します。幅が小さい歯ブラシを選びましょう👍。

🌟ケース8。🌟

お子さんの歯ブラシは❓。

基本的に年齢に見合った歯ブラシを選んでください。子ども用の歯ブラシは対象年齢が書かれているものが多いですので、それを参考にしましょう。ヘッドや把持部は大人用より小さく、毛も短くなっていますが、その他は虫歯対策を基本とした歯ブラシが多いため、ケース1に準じた歯ブラシとなっています。基本的に年齢が上がるにつれて大きくなっていきます👶。

小学校に上がると大人用の歯ブラシを使っているお子さんが結構いらっしゃいます。大人用の歯ブラシは高校生、早くても中学生からですよ😅。

小学校ぐらいまでは仕上げ磨きをしてもらいます。大体それ以上になると嫌がります。それまでは仕上げ磨き用の歯ブラシも準備していただけると完璧ですね👍。

今回は代表的なケース8つで歯ブラシの選び方を書いてみました。他にも様々なケースが考えられます。わからないことがありましたらご気軽にご相談ください😊。生涯自分の歯でおいしく食べ、人生を健康で楽しんでいくためにも、いい歯ブラシ、いや、パートナーをみつけてくださいね。ちなみに基本的な歯ブラシの交換時期は1ヶ月となっています。毛先が広がるまで使うのは論外です。すでに汚れを落とす力はほとんどなくなっています。いいパートナーですがどんどん新しいものに替えていきましょう。

9月25日は診療いたします

9月25日水曜日は 祝日の振り替え診療で

1日診療いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。

9月18日は診療日です

9月18日は水曜日ですが、1日診療しています。

どうぞよろしくお願い致します。

 

 

院長のおすすめ⑦

さてみなさん、美術館は好きですか?私は結構好きで、熊本市内ですと熊本県立美術館や熊本市現代美術館はよく行きます。企画展があれば必ず行っていますね。「これを作った奴の頭の中はどうなってんだ?」と思ったり、説明文を読んでもまったく理解できず頭が痛くなることも多々あるのですが、自分の知らない世界をみるため企画に興味無くても行っています(笑)。決して美術に秀でているわけではありません。そうゆう風にもみえないでしょう😊。

そんな私の一番のおすすめ美術館はやっぱりこれ、

『ルーヴル美術館 inフランス(パリ)』

です😊。

もう建物からアートなんですよ。もともとは要塞として建てられたらしいですが、外観や内観、そして周囲の庭園だけでもみる価値があります。ベルサイユ宮殿なんかもそうですが、日本ではなかなかお目にかかれない雰囲気ですね。個人的にはエントランスのガラス張りのピラミッド(ルーヴルピラミッド)はいらないと思うのですが、どうなんだあれ?評判いいのか?

そしてめちゃくちゃ広いです。正直迷子になっていましたね。かなり時間をとっていたのですが、すべてをじっくりみることはできませんでした😢。また行かねば、、、

でもルーヴル美術館の面白さは、なんといっても有名展示物の数々にあります。教科書やどこかでみた記憶のあるものがたくさんあるんですよ。しかも結構普通にかつ無造作に飾られています。大丈夫かと思ってしまうぐらいですよ💦。厳重に管理されているのは「モナリザ」ぐらいでしょうか。

さらにまわりには観光スポット満載です😊。そもそもルーヴル美術館はセーヌ川沿いにあり、周囲にはコンコルド広場を中心にたくさんの庭園があります。ゆっくり散歩するだけでも楽しいですし、お店もあるので軽食をとるのもいいですよ。北西のシャンゼリゼ通りをまっすぐ行けば凱旋門、北のオペラ通りをまっすぐ行けばオペラ座ガルニエ、南東にノートルダム大聖堂、南西にエッフェル塔などやる気さえあれば歩いて回れる範囲にあります。

そしてなんといっても美術館も多い。ルーヴル美術館とセーヌ川を挟んで反対側にはオルセー美術館、近くの庭園内にはオランジェリー美術館やグランパレ、プティ・パレ美術館、その他にもロダン美術館やポンピドゥーセンターなどまさに芸術の都です。もうよだれしかでてこない🤤。また機会があったらいきたーーーい。カタコンブ・ド・パリにも行ってみたーーーい😊。

ちなみに私は海外に学会発表や仕事絡み以外では行ったことがありません。純粋に観光のみを理由に日本を出たことないんです。今回紹介させていただいたルーヴル美術館なども、あくまで学会発表のついでに立ち寄っただけであることを付け加えておきます(((´∀`))ケラケラ)。どっちがメインなんでしょうね。

生まれつき 大人の歯が少ない場合、 どうしたらいいですか?

さて今回は、「こんな時どうする❓。」のコーナーです。テーマは『大人の歯が無い!』です。まず、大人の歯が無いとはいったいどういう状態なのでしょうか?まずは大人の歯がどうやって出てくるかをみてみましょう。

人間は生まれてから6ヶ月ほど経つと、まずこどもの歯がでてきます。2才半から3才ぐらいまでに上下左右5本ずつ、合計20本のこどもの歯がでてきます。このこどもの歯も無い時がありますが、この場合は特に何もしなくていいことが多いですね💦。そして6才ぐらいになると、こどもの歯がぐらぐらしてきて抜けてしまいます。そこに大人の歯が新しくでてきて、生え変わりとなります。この生え変わりは、こどもの歯1本につき大人の歯1本がでてきますので、20本あったこどもの歯はすべて20本の大人の歯に生え変わります。すべて生え変わる年齢は大体12才前後ですね。なんと6年程かけて生え変わります😲。さらにこどもの歯の奥には生え変わらずでてくる大人の歯が上下左右2本ずつ(親知らず入れると3本ずつ。)あるので、大人の歯は合計28本(親知らず入れると32本。)となります。

生え変わらずにこどもの歯の奥にでてくる大人の歯が無いことはまずありません(親知らずは入れないでください。)。かなりのレアケースになります。無いことが多いのは、こどもの歯と生え変わる大人の歯です。つまり生え変わらなかったり、こどもの歯が抜けたのにでてこなかったりすることになります。今回はこういったケースをみていきます😅。

では、大人の歯がないのは珍しいことなのでしょうか❓。これは7大学の合同調査で割合がわかっており、論文にて報告されています。大人の歯が1本以上ないお子さんの割合は10.09%、大体10人に1人ですね。当院でもこれぐらいの割合となっています。結構多いですよね。珍しくはないんです😲。最近は大人の歯が無いお子さんの割合が増えているという話もあります。

次に、どの大人の歯がないことが多いのかについてです。これもわかっていて1番無いことが多いのは下顎第2小臼歯(下の5番目の歯です。)、次いで下顎側切歯(下の2番目の歯です。)、上顎第2小臼歯(上の5番目の歯です。)、上顎側切歯(上の2番目の歯です。)の順となっています。下顎第2小臼歯が無いことは本当に多いですね😞。また1本だけ大人の歯が無いこともあれば、複数の大人の歯が無いこともあります。左右対称に無かったり、片側だけ無かったりいろいろなバリエーションがあり、本当に多種多様なんです💦。

さて、大人の歯が無いことがわかるのはどんな時でしょうか。実は偶然みつかることがほとんどです😲。「大人の歯が無さそうなのでみてほしい。」なんて訴えで歯医者さんに来られることはまずありませんし、大人の歯があるか無いかをお口の中をみただけで判断できません😞。レントゲンを撮らないとわからないんです。そのため、虫歯を詳しく調べるためレントゲンを撮影した時にわかることがほとんどです💧。1ヶ所で無ければ、他も無いかもしれないと考え、他の部位も調べます。そしてどこの大人の歯がいくつ無いのかをはっきりさせていきます。その結果、今後どうしていくのかを考えていきます。

治療方針をみていきましょう。まず判断しないといけないのは、①:大人の歯が無いこどもの歯を残すか残さないか❓。そして次に考えるのは、②:こども歯が抜けてしまう、もしくは抜いた場合に、矯正で治療するのか、修復物(ブリッジや入れ歯、インプラントなど。)で治療するのか、はたまたどちらも必要になるのか❓。最後に、③:全体的に歯並びが悪い場合、全体的に治療するのか、部分的に治療するのか❓についてです。これがまたなかなか難しいんですよ😞。大人の歯が無いことがわかった時点でどうするかをすべて決めるのは実は不可能なことも多いです。  

生え変わらないこどもの歯が将来どれくらい持つのかはわかりませんし、生え変わる予定の場所もきちんと生え変わっていくかわかりません。歯並びもどうなるか完全に予想できるものではありません。治療するにしても成長期のインプラントは禁忌です。インプラント部のみ骨が成長せず取り残され、だんだんずれていってしまいます。保険も利きません😞。成長期のブリッジも、歯が成長に合わせて動いていくのを阻害するうえ、歯の神経にダメージを与えやすいため駄目🙅。かといって入れ歯も微妙ですよね💦。矯正も保険が利かないし、時間がかかる💧。本当に悩ましい。成人するまでは、歯並びが大きく乱れないようできることをしていくことが多くなります。成人してどうするかはっきりさせていくことが多いですね。しかし、上記した方針の組み合わせによって、治療方針がまったく異なるため、その方にあった方針をその都度考えていかねばなりません😊。
まあその中でも多いパターンはあります。いくつかみていきましょう。

☆前から4番目(第1小臼歯)、もしくは5番目(第2小臼歯)のおとなの歯が無い場合😅。
  結構こどもの歯ががんばってくれることが多いです。80代の方でも、まだ抜けずにがんばってくれている時もあるぐらいです。歯並びや咬み合わせに問題が無く、患者さんが気にされなければ、悪くなるまでそのまま経過をみることがほとんどとなります😊。こどもの歯がそのままがんばってくれれば問題ありませんし、成人して悪くなった場合はブリッジや義歯、インプラントなどを考えていきます。成長期にこどもの歯が悪くなってしまった場合は、歯並びや咬み合わせが乱れないよう成長期が終わるまで見守ります。

☆下の前歯で大人の歯が無い場合😅。
  下の前歯が1本だけ無い場合はこどもの歯を抜いてしまった方がよいです。こどもの歯が残っていると色や大きさがまったく大人の歯と合わないため、見た目が大変わるく目立ちます💧。こどもの歯を抜くと下の前歯は本来4本、それが3本になりますが、下の前歯をまじまじとみられることは少なく、ぱっと見気づかれません👍。最近は顎がせまいお子さんが多いため、1本無い状態できれいに並んでいる場合も結構あります。その場合は上の大人の歯がそろっていると、上の歯並びが込み合ってきますので矯正を考えます😞。
  では下の前歯が2本無い時は❓。この場合は上下の歯並びのバランスがかなり悪くなってしまいます。下の歯にブリッジや義歯、インプラントを用いて歯を作ることで改善を図るか、上の歯を抜いて矯正を行うことでバランスをとることになります。

☆上の前歯で大人の歯が無い場合😅。
  こどもの歯をそのままにしておくこともありますが、上の歯は下の歯に比べて目立つため気にされることが多いですね😞。こどもの歯を抜いても、上の歯は大きいため隙間が大きくなりがちで、やはり気になります😞😞😞。最善策は矯正にてブリッジ、もしくはインプラントがしやすいように歯並びや咬み合わせを整えておき、成人になってからしっかりと歯を作ることになります。また、下の歯を抜いて矯正を行うことでバランスをとる方法もありますが、この場合はあまりおすすめしません。

 一口に「大人の歯が無い。」と言っても、いろいろなバリエーションがあります。比較的簡単に方針が決まる場合もあれば、なかなか難しい場合もあります。これは大人の歯が無い場所、数だけでなく、その周りの歯の状態や歯並び、そして咬み合わせまで考えなくてはならないためです。もちろん見た目も大事になります。当院では大人の歯が無いことがわかった時点である程度の方針をお伝えします。またその後も経過をみながら、適時できることをご説明させていただきます。一緒にどうするか考えていきましょう。