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2018年1月

MRC矯正の 費用の解釈

MRC矯正の費用について

 

基本的にブラケットをつける矯正ではないので、すごく安いのではないか?と思われる場合があります。

 

しかし、ブラケットをつけずに歯並びを治すということは、ブラケットをつけて歯並びを治すことより レベルが低いことでしょうか?

自分の口腔機能を育てて 歯並びを治せる、ということは、とても価値があることだと思います。

歯並びを治す、ということについて 同等の責任と価値があるのではないでしょうか。

さらに、うちの歯科医院では こどもたちが、矯正をしていることをお友達にも知られずに治っていきます。

取り外し式がメインなので、歯磨きが難しくなる、ということも従来の矯正よりおこらないでしょう。

 

また、一般の方が誤解されていることに ブラケット矯正は、装置自体の値段なのではないかと思われていると思いますが、ブラケット矯正でも費用の大半を占めるのは

技術料です。ブラケット装置で治すための技術に対しての費用が大きいのです。矯正の先生たちは、何年も修行、勉強してその技術を身に着けているのですから、それは当然の費用といえます。

MRC矯正も、あの簡単な装置で 治すための指導料、システム料、教育料というものが大きいのです。

当院のMRC矯正では、取り外し式のトレーニング装置のほかに、拡大装置等、補助的な装置を上顎の裏側等に使用することがあります。

そういった装置も費用のなかに含まれています。

(今 世の中で主流で行われている矯正で装置自体の値段が一番高いのは、インビザラインだと思います。インビザラインでは装置の原価が非常に高額になっています。)

 

逆に MRC矯正は 物理的な力で歯を動かすのではなく こどもの 歯並びの悪くなった原因自体、お子さんの機能を治していかないといけないので ブラケット矯正より難しいことも沢山あります。

しかし一度こどもの口腔機能がよくなってくると 歯並びも 機能も お顔の成長バランスも どんどん 自然によくなってきます。

ここまでくると こどもも 私たちにとっても 楽しい治療が多くなってきます。

 

私たちは ブラケットなしで 沢山のお子さんの 歯並びを治しています。

最近は、近隣にトレーナーを使用する歯科医院が増えてきていますが、他院(すべて別の医院です)で2年ほど使用していたが治らなかった、というお子さんが3人ほど、うちの歯科医院に通院しています。

簡単なつくりにみえる、トレーニング装置だからこそ、どういうトレーニングをするか、ということで、全く効果が異なってきます。

 

私たちのMRC矯正は、トレーナーという装置を販売しているのではなく、口腔機能を改善していくための教育システムになっています。

毎年毎年、改良を重ねてきており、開業1年目と現在、2年目と現在では指導方法が全く違いますし、去年と今年でも違う面があります。

もっとよりよくしていくために、効果を簡単にひきだすために、もっと楽しくトレーニングしてもらうために、毎年 スタッフ全員で MRCの研修に遠征しています。

 

日頃から小児歯科でこどもと関わっている 子供好きな MRCの専門的な研修を重ねた スタッフが こどもたちを指導するのが

私たちの歯科医院の一番優れているポイントだと思います。

また、沢山のお子さんの口腔機能を診ているため、この子は きっとあの指導が必要だろう、ということがスタッフもわかっています。

 

MRC矯正でいろんな歯並びのお子さんを治すためには いろんな取り組みやスタッフの研修が必要です。

きちんとした効果、大きな効果を引き出すには、口腔機能についての教育や、指導が一番重要なのです。

 

また、どのトレーナー、マイオブレイス がよいか、選ぶ目も大切です。

現在マイオブレイスは種類、サイズの違いをいれると90種類以上でています。

他院に通っていて治っていなかったお子さん3人のうち2人は、マイオブレイスの選択も当院の考えるその子を治すのに最適なマイオブレイス とは違っていました。

 

MRC矯正は、トレーナーや、マイオブレイス、そういった装置そのものを指すのではありません。

口腔機能をよくする 呼吸をよくする 教育システムです。

また、装置がシンプルだからこそ、装置をいれるだけで治る部分は限定的で、どう選択されるか、指導されるかで効果は大きく違います。

こどもに 口の中の感覚になれてもらうには ②

 

 

この動画のように

歯が生える前から、おとうさん、おかあさんが 口の中を マッサージしてあげるのもよい効果があります。

歯並びは何で決まるか?

わたし歯並びは遺伝で決まると思っている人が多いかもしれません。

「この子の歯並びはこの子の父親とすごく似ているんです」

とお母さんがいわれることもあります。

 

歯並びは遺伝だけで決まるものではありません。

生まれてから、舌が 上顎の天井(口蓋)に きちんと当たっているか、口を閉じて鼻で呼吸しているか

といったことが非常に大きいのです。

 

以前 別の先生が、この関係を 勉強に例えておられました。

勉強は生まれつきの 知能だけでなく その後、どう育てられたか?どう勉強したか? が大きいのではないでしょうか。

それと同じように

歯並びも

遺伝だけではなく、 その後、どのように育てられたか、舌をきちんと上顎につけているか、口を閉じて鼻で呼吸したか

ということが大きいんです。

 

当院のMRC矯正では、この、舌をきちんと上あごにつける、正しく機能させる、口を閉じて鼻で呼吸する、いつも口を閉じておく、飲み込みを上手にする

ということを学ぶための 教育システムになっています。

わたしたちは MRC矯正の公式な加盟医院になっているので オーストラリアの本部が開発したシステム(加盟医院のみに配布されています)に

当院ならではの 遊びの要素も加えて 楽しく学んでもらっています。

 

また、どういうことをすると 正しく機能を身に着けられるか、矯正治療にならないですむか、ということについては

発達の勉強会で学んでいます。

これは、定期健診のなかで、必要と思われる情報を提供しています。

 

まず、ご家庭で簡単にできることは、

あいうべ体操ではないでしょうか。

発音治療

先日 きた患者さんの お母さんに 嬉しい報告をいただきました。

年長さんのとき 発音が気になったため ウェルパルへの相談をお薦めした ところ 1年生のときに

小学校のことばの教室に通い 発音がすごく上手になって もう ことばの教室が 卒業といわれた、ということでした。

 

熊本市では、小学校のことばの教室は 何校かあり、まずは ウェルパルに相談に行き、そこで言語聴覚士さんに診ていただいて

ことばの治療が必要、となったら、年に2-3回しかないという 会議で それを承認してもらい、そこでやっと ことばの教室に行けることが

決まります。

また、ことばの教室は、すべての学校にあるわけではないこともあり、人気で、何ヶ月か待つことになることも多いそうです。

思い立ったら、すぐに、行ける、というわけではないので、小学1年生になったら 行きたい、という場合は 半年ほど前には相談にいかれたほうが

よいかもしれません。

私は 出水小の発音の先生を知っていますが、とてもよい先生で、発音の教室をこどもたちは楽しみにしています。

気になる方はまずは ウェルパルに相談されるとよいのではないでしょうか。

舌小帯


舌小帯というのはどこを指すかわかりますか?

舌と口腔底をつなげる ひものような部分のことです。

舌小帯の伸びが悪いと ベロの動きが悪くなります。

ベロ自体の動きも大事ですが、舌小帯の伸びというのはベロの動きの良さを左右するポイントになります。

 

うちの歯科医院では、 この小帯が短いおこさんのために、伸ばすための切除術を行うことがあります。

それは発音がうまく身についてないから、ということで 言語の先生にいわれた、ということで患者さんのほうから 切ってくださいといわれることもあります。

この場合は年長くらいで行うことが多いです。

 

また、MRC矯正において、舌の動きや機能が未発達なお子さんについて、一緒にトレーニングしていくのですが、年単位でトレーニングしても伸びや動きが悪い場合に

舌小帯を切ることがあります。

必要になるのは50人に1人くらいです。

切った後は舌の動きがよくなります。

この小帯の切除の前後に必ず 舌の機能トレーニングとしての運動が必要になります。

 

小帯を切除する前後に 機能トレーニングを行わないと、切った後に、また動きの悪い状態で治癒してしまうことがあるからです。

 

 

 

こどもに 口の中の感覚に慣れてもらうには ①

年長さんのときに どこの歯科医院でもむし歯の治療ができなかったと紹介されてきたお子さんがいます

その子は、口腔に過敏があり、歯科治療で、器具を口に入れられることが受け入れられないお子さんでした。

自分の唾液も器具が入っている状態では、ためることも、飲み込むことも難しいため、こまめに吸引しているのですが、すぐに、ペッと外に唾を吐きだすような状態でした。

私たちは、全身麻酔を勧めましたが、お母さんの希望で最初は普通通りの治療で、時に、手足を抑制しながら診療室で治していました。

しかし、途中でやはり全身麻酔での治療を希望され、味噌天神の宇治歯科医院さん(今はグランパレッタの中に移転されています)で 全身麻酔での歯科治療をすることになりました。

私も以前宇治歯科医院に非常勤で勤務させていただいていたこともあり、宇治歯科医院さんのはからいで、全身麻酔は、宇治歯科医院さんでかけてもらい、虫歯治療は私が、させてもらえることになりました。

治療はとても良い結果となり、数年間問題は出ませんでした。

その後、予防で通っていてくれたのですが、6歳臼歯が生えてきて、歯の溝が初期むし歯になってきたので、予防もかねて、治療をしようということになりました。

その治療を、先日行いましたが、通常の診療室で、通常の診療で、治療することができました。

まだお口の中に少し過敏がありますが、今までの関係でお互いに信頼関係もできてましたし、その子もこの歯科治療が自分に必要だとわかってくれたこともあり

上手に治療することができました。

この、うまくできた!という体験が今後もその子の自信になり 歯科治療の苦手意識を取り除く助けになっていきます。

 

この子のように歯科治療が難しいおこさんに 口腔内の過敏、という問題があることがあります。

まずは口腔過敏がおこらないように お口の感覚を育てるには

赤ちゃんのときに、自分の手、おもちゃで口の中を触ってみる、という体験が大切です。

このことについては 離乳食準備 のところにも書きました。

また、熊本市中央区の歯科医師 吉良直子先生が推奨されている ベロタッチ、もこの過敏をとるのに非常にいいと思います。

ほかにも 受診時にはお母さんが赤ちゃんのときからできる 口腔内マッサージを紹介していますので、興味のある方はきいてみてくださいね。

歯並びの良いお子さんを育てるには・・・①

最近 こどもたちの 口腔機能が低下している・・・

こういうと、昔からじゃないか と思われるかもしれないが、実際に口腔機能の低下はみられる

たとえば、何の変哲もない風船を膨らませる・・・今の30代40代の保護者世代には 簡単にできたことではないだろうか?

 

しかし、現在は違う

たとえば うちの歯科医院の患者さんに風船を膨らましてもらうと(小学生)

結構な割合で風船を膨らますことができない

風船を膨らましたこともない という子供も 一定の割合でいるのだ そうだいたい3-4割はいる。

あなたの お子さんは 風船を膨らませることができるだろうか?

 

風船を膨らます

その前に ふうーっと ロウソクの火を吹き消すこともできない

 

もっといえば、

うーの口で 息を吹き出すこともできないのだ

 

お子さんに「ふーっ」と息を吹き出させてほしい

それはもしかしたら

「う」ではなく「え」の口で ふうーっとしていないだろか?

 

「え」の口では、 息を集めて フーっと吹くことができない、 息の力は分散されてとても弱くなってしまう

その口では風船を膨らますことができないのだ

 

実は障害のあるお子さんは 「う」の口ができないことが多い

しかし最近は健常なお子さんにも「う」の口ができないお子さんが増えている

 

最近は発達障害のお子さんと グレーソーンのお子さんと 定型発達のお子さんの 境がはっきりしない といわれるが 実にこういうところでも そういう兆しがみられるのだ。

 

草笛や口笛、紙風船 などは過去の遊びになってしまったのだろうか

「う」の口にする遊び

ぜひ それを小さい頃から 取り入れて 口腔機能を 育ててほしい

 

 

 

 

 

 

 

 

ビシャの 脂肪床

 

(上の画像は、鳥取県歯科医師会さんの画像から転載しています。)

先日の 投稿で 小学生の 口蓋(上あごの天井)に 吸綴か(おっぱいの乳首が入るためのへこみ) が 残っていることがある

というお話を書きましたが、

赤ちゃんのお口の特徴として ビシャの 脂肪床 というものがあります。

ビシャの脂肪床、とは、赤ちゃんのほっぺたの内側に の粘膜下にある 脂肪のふくらみのことです。

おっぱいを吸うためには、吸てつか、舌、ビシャの脂肪床 の3つ が吸綴圧を作り出しますので

大事なふくらみなんです。

このふくらみが、 早産児や 低出生体重児では 薄いことがあり、それがおっぱいを吸うのを難しくすることもあるようです。

 

今回は では このビシャの脂肪床 が 卒乳しても残っていることがあるのか・・・ということなんですが、

これが 残っていると感じられることがあるんです。

特に噛まずに丸のみ、というお子さんには この脂肪床が 残っているような頬っぺた のことがあります。

この場合、外側から見ると 頬っぺたが しもぶくれのような感じの印象です。

赤ちゃんのほっぺがふっくらしているのは可愛いですよね。

咬筋が使われて 鍛えられることによって この脂肪床は 消失していくのか・・・

 

以前、この脂肪床 が残っているようなお子さん(その子は障害があって、やはり丸のみのことが多いんですけど)のお母さんが

うちの子の頬っぺたの内側が膨らんでいるような気がする、ということで受診、ご相談があったんですが、

この子には上にご兄弟がいたので、その子と比べて、頬っぺたが膨らんでいるのではないか、ということでお母さんは気になったんですね。

このビシャの脂肪床が 残っているような状態でした。

 

ですので、噛めてないんじゃないか、普段、丸のみしているのではないかな、と考える指標の一つではあります。

お子さんのビシャの脂肪床は 消失しているでしょうか?

2-3歳のお子さんには残っていることがあります。

ちょっと仕上げ磨きのときにでも頬っぺの内側を触ってみてくださいね。

 

 

 

 

 

食べることができるようになってきた お子さん

夏頃、経管栄養が長く 口からは ほとんど 食べていない 食べることに興味も薄い というお子さんを

本州の先生ですが、 食べる機能に関する 専門のA先生に紹介しました。

この先生のような専門家は 日本に何人もはいらっしゃらず、こういった専門家が増えるといいなーと思っています。

そもそも このお子さんは 総合病院の小児科と 小児リハビリの専門の病院に通院していて

私がこの子の食べる機能を診ていたわけではないため(私が見ていたのは むし歯予防の管理です)

そこを飛び越して 県外の先生に紹介するのは 迷いもありました。

それで、こういう専門の先生が県外にいらっしゃって 診ていただいたら何かヒントをいただけるのでは と思いますが、今通院している先生に紹介してもいいか聞いてみてもらえますか ?ということを聞いてみたのですが

保護者の方が、今のままでは変化がないので、行ってみたいです、今通院している病院には自分でいうので大丈夫です ということでしたので、元の検査データを元の病院からもらってくださいね、ということで

紹介状を書きました。

 

紹介先のA先生にみてもらって 数か月

先日、久しぶりにいらっしゃった 患者さんは 口から少しづつ食べられるようになっていました。

嬉しいご報告でした。

 

もともとは 哺乳量が十分とれていない ということで 経管栄養になったというお子さんでした

口から食べると 逆流嘔吐することもあるということで

経管栄養が長いため、消化器官が 萎縮しているのではないか という見解ももたれていたそうです。

 

しかし、紹介先のA先生が、食べる機能もみて、今の経管栄養の量が多いのではないか、ということで、経管栄養の量を適切にした結果、それから1か月半後、徐々に 食欲がわき、

口からも食べることができるようになったということでした。

さらに、経管栄養の量を減らしてから、逆流嘔吐することがなくなったそうです。

 

(ここまでの経緯は お母さんからの話がもとになっていますので、実際診ていた先生たちや紹介先のA先生が読むと、細かいところでは違いがあるかもしれません。)

 

ここまで経緯を読むと、経管栄養の量を変えること というのはシンプルなことだったのではないか、と思われるかと思いますが、この結論を得るのは、

今までのこの子の 経緯や検査を 含めて 診ると先入観が入ってしまいがちなので とても難しいことだと思います。

やはり紹介先のA先生の 知識や経験によるものだと思います。

また、熊本では 経管栄養の量をみる先生と 食べる機能を獲得させるためにリハビリする先生は違う病院の先生ですから、そこが つながりにくい という難点もあったと思います。

 

今、この子が食べられるようになっているのは、現在 診てくれている 熊本の総合病院の小児科の先生や 小児リハビリの先生のおかげでもあると思います。

決して今 熊本で診ている先生たちを否定するような意図で書いているわけではありません。

この子の経緯がほかのお子さんの参考になることがあれば、ということでの 報告です。

 

さらに このお子さんのケースについて、 小児科の看護師 原さんと 助産師 林田さんと お話したのですが、

助産師の 林田さん(林田さんには メルティングタッチ で診てもらえます)からは

もともと哺乳に問題があって、というケースは多い。

哺乳に問題がある時点で、助産師に相談されるのも いいのではないか

実際そういうご相談がたくさんある、 ということでした。

 

また、小児科の看護師 原さんからは

町村先生の 身体調和研修でも

器質的に異常はないけれど 母乳が飲めず、体重が増えす、経管栄養から胃ろうになり、いざ、入園(幼稚園?保育園?)の時に、胃ろうだと入園できるところがみつからず、

困って町村先生のところにいらして、食べることができるようになった、というお話があった。

すごく特別なケース、という 受け止めだったと思うが、このケースも 同じようなケースなのではないか、(食べる能力を実は持っているかもしれないのに、能力を引き出すことができず、経管栄養になってしまっているという点で)

 

という意見をもらいました。

 

私が みていた 視点と また違う意見をもらえました。

多職種で 話し合ったり連携したり すると 自分とは違う視点でいろんな 示唆がもらえます。

これからも こどもにかかわる専門職で 連携できれば と思います。

 

 

 

 

 

2018年

新年 あけましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

新年は1月4日から 通常通りの診療体制です。