食べることができるようになってきた お子さん
夏頃、経管栄養が長く 口からは ほとんど 食べていない 食べることに興味も薄い というお子さんを
本州の先生ですが、 食べる機能に関する 専門のA先生に紹介しました。
この先生のような専門家は 日本に何人もはいらっしゃらず、こういった専門家が増えるといいなーと思っています。
そもそも このお子さんは 総合病院の小児科と 小児リハビリの専門の病院に通院していて
私がこの子の食べる機能を診ていたわけではないため(私が見ていたのは むし歯予防の管理です)
そこを飛び越して 県外の先生に紹介するのは 迷いもありました。
それで、こういう専門の先生が県外にいらっしゃって 診ていただいたら何かヒントをいただけるのでは と思いますが、今通院している先生に紹介してもいいか聞いてみてもらえますか ?ということを聞いてみたのですが
保護者の方が、今のままでは変化がないので、行ってみたいです、今通院している病院には自分でいうので大丈夫です ということでしたので、元の検査データを元の病院からもらってくださいね、ということで
紹介状を書きました。
紹介先のA先生にみてもらって 数か月
先日、久しぶりにいらっしゃった 患者さんは 口から少しづつ食べられるようになっていました。
嬉しいご報告でした。
もともとは 哺乳量が十分とれていない ということで 経管栄養になったというお子さんでした
口から食べると 逆流嘔吐することもあるということで
経管栄養が長いため、消化器官が 萎縮しているのではないか という見解ももたれていたそうです。
しかし、紹介先のA先生が、食べる機能もみて、今の経管栄養の量が多いのではないか、ということで、経管栄養の量を適切にした結果、それから1か月半後、徐々に 食欲がわき、
口からも食べることができるようになったということでした。
さらに、経管栄養の量を減らしてから、逆流嘔吐することがなくなったそうです。
(ここまでの経緯は お母さんからの話がもとになっていますので、実際診ていた先生たちや紹介先のA先生が読むと、細かいところでは違いがあるかもしれません。)
ここまで経緯を読むと、経管栄養の量を変えること というのはシンプルなことだったのではないか、と思われるかと思いますが、この結論を得るのは、
今までのこの子の 経緯や検査を 含めて 診ると先入観が入ってしまいがちなので とても難しいことだと思います。
やはり紹介先のA先生の 知識や経験によるものだと思います。
また、熊本では 経管栄養の量をみる先生と 食べる機能を獲得させるためにリハビリする先生は違う病院の先生ですから、そこが つながりにくい という難点もあったと思います。
今、この子が食べられるようになっているのは、現在 診てくれている 熊本の総合病院の小児科の先生や 小児リハビリの先生のおかげでもあると思います。
決して今 熊本で診ている先生たちを否定するような意図で書いているわけではありません。
この子の経緯がほかのお子さんの参考になることがあれば、ということでの 報告です。
さらに このお子さんのケースについて、 小児科の看護師 原さんと 助産師 林田さんと お話したのですが、
助産師の 林田さん(林田さんには メルティングタッチ で診てもらえます)からは
もともと哺乳に問題があって、というケースは多い。
哺乳に問題がある時点で、助産師に相談されるのも いいのではないか
実際そういうご相談がたくさんある、 ということでした。
また、小児科の看護師 原さんからは
器質的に異常はないけれど 母乳が飲めず、体重が増えす、経管栄養から胃ろうになり、いざ、入園(幼稚園?保育園?)の時に、胃ろうだと入園できるところがみつからず、
困って町村先生のところにいらして、食べることができるようになった、というお話があった。
すごく特別なケース、という 受け止めだったと思うが、このケースも 同じようなケースなのではないか、(食べる能力を実は持っているかもしれないのに、能力を引き出すことができず、経管栄養になってしまっているという点で)
という意見をもらいました。
私が みていた 視点と また違う意見をもらえました。
多職種で 話し合ったり連携したり すると 自分とは違う視点でいろんな 示唆がもらえます。
これからも こどもにかかわる専門職で 連携できれば と思います。
2018年1月1日 | カテゴリー:食育 |