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歯の矯正で「詐欺商法」、150人が提訴 「モニターで無料」うたう(朝日新聞デジタルより)

どうしてこんなことを・・・という感じですね。

ヤフーにもニュース記事ででていました。

昔からよくある詐欺商法ですが、本当に勘弁してほしい💧。実際の被害者は1000人以上、総被害額は10億円以上とも言われています。たちが悪いのはお金だけの問題ではなく、治療が間違っていたり、途中になってしまったりで健康被害がでていることです。よくここまでモラルの無いことができるなと逆に感心できるレベルです🔥。

さてマウスピース矯正についてですが、この治療法自体はとてもすばらしいものです。従来の矯正方法のように難しい技術が必要では無く、見た目の問題もありません。とても画期的な矯正方法です。特に今回問題となっているマウスピース矯正(インビザライン)は世界中で行われており、実績・信頼性ともにダントツです。過去のデータからどのように歯が動くかシミュレーションもでき、歯科医師側だけでなく患者さん側にとっても受け入れやすい矯正方法です。

このようにすばらしい画期的な矯正方法ですが、いくつか大事なことがあります。それはきちんとした知識、技術、経験、そして何よりモラルを持った歯科医師のもとですることが大事だということ。

インビザラインはこれまで矯正治療の経験がなくても、講習さえ受ければ発注できるシステムです。しかし大事なのは発注をするまでに行う、診断や治療計画の立案です。さきほどシミュレーションできることをお話ししましたが、本当にその通りに動くのかどうかを判断する知識と経験が必要なのです。これは一朝一夕でできるようになるものではありません。またうまく動かない場合に他の矯正方法でリカバリーできる技術や経験も必要です。

また矯正治療はどうしても長期にわたります。やむえない場合もありますが、途中で主治医が変わらないことも大事です。最後まできちっと治療を行ってくれる地に足を据えた歯科医院をおすすめします。今回問題となっている歯科医院もいつでも店をたためるようにしていたようです。

マウスピース矯正全般にいえるのですが、決して万能な治療方法ではありません。向き不向きもあります。個人的な考えになりますがマウスピース矯正は、これまで矯正治療を行っていた歯科医院が矯正方法との1つして採用するものであって、これまで矯正をしていなかった歯科医院が急に始める治療方法ではないと考えています。

怖がらせてしまったかもしれませんが、マウスピース矯正自体は先ほど述べた通りすばらしい画期的な矯正方法です。きちんとした歯科医院で、適切に用いればきれいに治ります。

当院ではインビザラインでシミュレーションを行う際、院内のみならず外部の有名な矯正専門の先生にもみてもらうダブルチェック体制を敷いています。インビザラインで問題なく治療できるか、もしうまくいかない場合でもリカバリーできるかを判断し、より患者さんに安心して矯正治療を行っていただくためです。わからないことがありましたら何なりとご相談ください。

 

歯ぐきの検査って何?

今回は歯ぐきの検査についてです。

保険診療では歯石をとる前に必ずしなければならない検査となっており、歯石をとったことがある方は必ず受けたことがあるはずです。(結構時間をかける検査なのですが、時々したことが無いと言われる方がいらっしゃいます?なぜ?)

歯周病の状態を評価するうえで大変重要な検査となりますので、検査項目について1つずつ見ていきましょう。

☆歯周ポケット検査

歯周ポケット(歯と歯ぐきの間にある溝。)の深さを測定する検査です。単位

はmmで、3mm以下を正常とします。歯ぐきが腫れる、歯を支える骨がもろくなる、無くなってくると数値が上がります😞。

治療目標は正常値の3mm以下にすることですが、何故歯周ポケットが深いと悪いのか?それは歯周ポケットが深ければ深いほど清掃しにくく、悪くなりやすいからです。歯ブラシの毛先が届くのは歯周ポケットの2mmから3mm、音波ブラシでも4mmまでといわれています。それ以上になると自分で清掃するのは不可能です。どんなに頑張ってもだんだん悪くなってきてしまうのです😞。

☆BOP(Bleeding On Probing)

歯周ポケット測定の際に出血や膿がでないかをみます。正常なはぐきでは膿はもちろん出血は認められません。何故出血するのか?歯周ポケット内の粘膜が細菌などの影響により炎症を起こし、もろくなっているからです。もっと簡単に言いますと、歯周ポケット内の粘膜が傷だらけの状態と思ってください。さわると出血しますよね😞。

この検査も結構重要です。このBOP、何を示すのか?実は「今現在、歯周病が進んでるよ💧。」という意味を持ちます。症状がなく歯周ポケットも浅くてもBOPが多い方は要注意です。これから悪くなる可能性が高いので、早めに治療をしましょう。逆に、ポケットが多少正常値を超えていても、BOPが無ければ比較的いい状態で維持されていると判断できます😊。

☆歯の揺れ

歯がどれぐらい揺れているかをみます。基本的に歯を支える骨が減れば減るほど強くなりますが、骨が十分でも咬む力に負けて揺れが大きくなっている時もあります。

☆プラーク(歯垢)の付着度

上記3つの検査結果がどうであれ、一番大事な検査です😊。歯垢染色液で染め出すとわかりやすいですね。何故一番大事か?これが改善しないと後に行う治療効果が十分にでないのです💧。また、一旦改善してもすぐに再発してしまいます💦。反対に、プラークの付着度が良くなると、それだけで目にみえて歯ぐきが改善してくるんですよ.

 

歯周病の治療を行う時は、これらの検査を最初や節目節目で入れていきます。

改善してきているかどうかの判断、改善してなければ次にどうしたらいいかを

考えながら治療を進めます😊。

また定期健診の時にも行います。以前と比べて変わりがないか、異常所見が増

えていないかを確認します。悪くなりそうな兆候があれば早めに対応していき

ます😊。

歯ぐきの状態は赤くなったり、腫れたりしていて目に見えて悪いのがわかる

時もありますが、歯周ポケット内を探らないとわからないことも多いです。歯ぐ

きは内側から悪くなりますので、気が向いたら調べてみましょう☆彡

コンビニより多い歯科医院!大変大変?

今回はよく聞くこのフレーズ、「コンビニより多い歯科医院」についてです。

私が歯科医師になる前から言われていた気がしますが、実際どんなものなのか。他の業種なども含めて調べてみました。

美容院     約25.8万件

信号機     約20.8万件

理容院     約11.5万件

歯科医院    約 6.9万件

薬局      約   6万件

コンビニ    約 5.6万件        (2022.3月調べ)

うん、確かに多い★。コンビニも頑張っているようですが、まだまだ余裕です★。しかし美容院多いですね。信号機より多いとは驚きです。そんなにありますかね?いつも3Qカットなのであまり意識してないのもあるのかな?いずれにしても完敗です😢。

さてここで1つ大事なことをいいます。実は歴史上コンビニの件数が歯科医院の件数を上回ったことはありません。歯科医院の件数も増えているのですが、コンビニの件数が猛烈な勢いで追いついてきているのが現状なのです(まあコンビニもこれ以上あまり増えない感じもあります。結構競争が激しいですからね💦)。

さてみなさんが興味あるのは「歯科医院経営は厳しいのか?」ではないでしょうか。本音を言うと、「昔よりは厳しくなっているようだが、いい業界である。」といったところです。「ようだが」と書いたのは、私自身昔を知らないから、話でしか聞いたことがないからです。

厳しくなっている理由はいくつかあります。まず診療報酬が実質下がっていること。同じ治療を行っても、昔の方が高報酬だったりします。差額徴収なんていう制度もありましたしね(くわしくは省略。)。これはご年配の歯科医師の先生方と話すとよくわかります。そんなに違ったのとびっくりするぐらいの差があります😢。ちょっとうらやましいぐらいです💧。

他には歯科医院数の増加、そして虫歯の減少ですね。昔は虫歯の洪水といわれる時代があり、歯科医院さえ開業すれば何もしなくても患者さんがくる時代でした。接遇なんて気にしなくても大丈夫☆彡。しかし今はそういうわけにはいきません。1医院当たりの人口は減っていますし、医療業種全般にいえることですがサービス業としての立ち振る舞いも必要です。接遇や労務、経営など勉強することは多岐にわたり、治療だけをしていればいい時代ではありません。

しかし昔を知らない私にとってこれらは当たり前のこと、また、どの業界でも当たり前にやっていることだと思います。誰がやってもうまくいく業界などありえません。2極化が進んだともいわれていますが、むしろ昔が異常だったと考えるべきです(今が正常ともいえませんが💧)。

現在歯科業界はワーキングプアなどと雑誌で取り上げられ、ずいぶん叩かれ揶揄されたためか、人気は急降下しています。それは大学の定員割れや偏差値の下がり方からも見て取れます。しかし個人的にはいい業界だと思っていますし、なによりなりたくてなった職業です。今後も研鑽を積んでいきたいと思いますし、誇りを持って務めていきたいと思います。

さあみなさん、歯科医師という職業はいかがですか?目指してみませんか?今のところAIにとってかわられることもないようですよ。

 

 

当院が何故こども歯科に力をいれるのか⑦

長くなりましたがまとめますと💧、、、

☆虫歯・歯周病

→悪くなるスタートをできるだけ遅くする。できればかからないことが一番理想です。

☆歯並び・咬み合わせ

→「吸う」、「咬む」、「飲む」をしっかり。悪くなるのを防ぎましょう。それでも悪くなってしまった場合は、小学校1年生から小学校3年生ぐらいで矯正治療を考えます。

となります。

すべて生まれてから中学生、遅くとも高校生ぐらいまでが大事になります。

生涯にわたり歯を保存するのにはスタートでつまずかないことが一番楽です。

これが当院においてこども歯科に力をいれる理由です。

 

当院が開業して一貫している目標の1つに、

「現在診療しているお子さんが大きくなって、お口の中で困らない状態にすること、そしてそのお子さんに子供が生まれたあと、その子供を当院に連れてきてくれること。

があります。

開業して現在9年目ですが、そうなってくれそうなお子さんが何人もおられます。もちろん当院の力だけでできたことではありません。本人はもとより、ご家族の方のご協力があってのことです。感謝しかありません。

まだまだ道半ばですし、勉強すること、改善することも多いのが現状です。そのような中でも、少しでも力になれればと思っております。今後ともひかる歯科ちえこども歯科をよろしくお願いいたします。

ひかる歯科ちえこども歯科

院長 甲斐田 光

 

当院が何故こども歯科に力をいれるのか⑥

~歯並び・咬み合わせ編2~

 

さて⑤では歯並び・咬み合わせの矯正治療を行う時期としては、大人の前歯がでてくる頃、小学校1年生から小学校3年生ぐらいがベストという話をさせていただきました。では、その時期以前にできることはないのでしょうか。実はたくさんあります☆彡。

 

歯並びや咬み合わせがどうなるか。これは生まれた直後から始まっていると言っても過言ではありません!

 

 

 

歯並び・咬み合わせは遺伝的な要因も関わってきますが、周囲の筋肉の影響を大きく受けます。唇や頬、舌を中心として、お口の開け閉めや飲み込みに関わる筋肉を含めると頭から顎の下、そして首まで広がっています。最近の傾向として、これらの筋肉の力が弱かったりバランスが悪い、または正常とは違う無理な動かし方をしていることで歯並びや咬み合わせに悪影響がでているケースが多いようです。

 

 

 

 

簡単な例ですが舌の力が弱いとどうなるか?歯は舌側に倒れます。それでもどうにか咬んで飲み込まないといけません。舌側に倒れた歯に合わせてどうにかしようと正常とは違った動きをしてしまうのです。体としてはうまく順応しているとも言えなくもないのですが、無理をしている状態です。時間が経つと必ず他の問題もでてきます。しかし逆に考えると、こういったケースでは舌の筋肉を鍛えてあげれば自然に治る可能性が十分あります。

 

 

今舌の例を挙げましたが、実際に舌は「歯列は舌の筋肉の発達によって発育する」と言われているほど重要です。ですから生まれた直後から鍛える必要があります。簡単にですが、、、

 

 

〇おっぱいをしっかり吸わせてあげましょう★。

〇哺乳瓶をつかう場合は出にくいものをえらびましょう。自然に鍛えることができます★。

〇おしゃぶりも有効です。どんどん吸わせてください❄。

(ただし3才までです。)

〇指しゃぶりも大丈夫。させてあげてください❄。

(こちらも3才までです。)

〇3才過ぎたらガムをしっかり咬ませましょう★。

(もちろん虫歯にならない成分の入ったガムでお願いします。咬みごたえがあるものがよりいいですね。虫歯予防にもなっていいですよ。)

〇舌やお口の周りの運動、トレーニングを行いましょう★。

(くわしい話はここでは省きます。)

 

とにかく「吸う、吸う、吸う」、「咬む、咬む、咬む」、「飲む、飲む、飲む」です💧。この生きるために基本的な動作をしっかりやらせてあげてください。

いずれもこどもが生まれた直後からにできることばかりです。生まれたときから歯並び・咬み合わせが悪くならないよう予防していくのです。当院がこども歯科に力をいれる理由の2つ目がここにあります。

⑦に続く☆彡

 

当院が何故こども歯科に力をいれるのか⑤

~歯並び・咬み合わせ編1~

次は歯並び・咬み合わせについてです。

私個人としては若干の歯並びの乱れがあっても、咬み合わせに大きな不具合が無ければ経過をみてもいいと思っています。そもそも模型で見るような完璧な歯並びの方は、たとえ矯正をした方であってもそうそうお目にかかれるものではありません。

しかし、特に将来的に歯を失いやすい、機能的に問題のある歯並びもあります

 

 

・反対咬合(いわゆる受け口です。咬んだ時に下の前歯が上の前歯より前にある咬み合わせです。

 

 

 

 

 

 

 

・開咬(奥歯しか咬んでおらず、前歯で咬んでいない咬み合わせです。前歯で咬み切れないため本人も不便を感じていることが多い咬み合わせです。)

 

 

 

 

 

 

 

・過蓋咬合(咬み合わせが深いともいいます。咬むと下の前歯が上の前歯で完全にみえなくなる咬み合わせです。出っ歯を伴うことも多いです。)

 

 

 

 

 

 

 

 

などです。

 

いずれも咬む力の向きやバランスに問題があります。8020を達成されている方で、これらの咬み合わせに相当する方を私はみたことがありません。調査結果でも8020を達成している方で、これらの咬み合わせに相当する方は極めて稀であるとされています。見た目など関係なく、将来の歯の保存のために矯正治療を考えるべき咬み合わせです。

 

では矯正治療するならいつがいいのでしょうか。私は大人の前歯が出そろうぐらい、小学校1年生から小学校3年生ぐらいがベストと考えます。(反対咬合はもっと早めに矯正治療を行った方がいい場合もあります。)

 

大人になってから行う矯正治療との違いとしては、

  • 顎の成長を利用して顎の拡大ができるため、足りない場所を確保しやすい。歯を抜かずに治療できることが多く、結果として歯の保存につながります★。
  • 顎の関節がフレキシブルなので、治療中や治療後の不定愁訴などがでにくい。新しい状態に適応しやすいといった方がいいかもしれませんね★。
  • 咬むという力による疲労は少しずつ蓄積していきます。咬み合わせが悪いとなおさらです。早めの改善が歯の保存に有利に働きます★。
  • 上下の顎の成長のアンバランスを成長期を利用して整えることができます。例えば、下顎の前方成長が少ない場合は成長を促したり、逆に多すぎる場合は抑制したり、ということです。

 

また矯正をしない場合でも、歯並びが悪くならないようにできることはたくさんあります。くわしい話はここでは割愛しますが、定期的にみせていただくことで、必要な処置を適切な時期に行えますし、普段の生活の中で気をつけていただくことを説明できる場合があります。気になることがあればいつでもみせてください。虫歯・歯周病予防も兼ねて一石二鳥、いや三鳥ですね★。

⑥に続く☆彡

当院が何故こども歯科に力をいれるのか④

~虫歯編~

虫歯は虫歯菌による感染症ですが、歯が無いと感染しません。ですから生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中に虫歯菌はいません。最初に下の前歯がでてくるのが6ヶ月頃、ここから虫歯菌による感染が始まることになります。特に1才6ヶ月頃から2才6ヶ月頃が最も感染しやすいといわれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

③にて悪くなるスタートをできるだけ遅くすることが大事になることをお話しました。実際にそれを裏付ける研究データがあります。

スウェーデン、イエテボリ大学の研究です。

2才前に虫歯菌に感染したこども → 4才時における虫歯の数 5.0

2才後に虫歯菌に感染したこども → 4才時における虫歯の数 0.3

 

 

 

おわかりでしょうか。2才を境に16倍近い差がでています。悪くなることを遅くすること、すなわち虫歯菌への感染をできるだけ遅くする、少なくとも2才以降にすることが大事となります。虫歯菌も感染しないようなワクチンができるといいかもですね💦

 

 

この段階ではこどものお世話をする方々の協力が不可欠です。こども本人のお口の中をきれいにすることはもちろんですが、ご両親やおじいちゃん、おばあちゃんのお口の中の清潔に保つようにしましょう。虫歯菌の栄養となる糖類はできるだけ避け、食器なども共用しない方がいいです。併せて定期的な検診やフッ素塗布を行うといいですね。特におじいちゃん子、おばあちゃん子は虫歯が多い子が多いので要注意です。やっぱりお孫さんには甘くなるんでしょうね(笑)。

 

 

 

~歯周病編~

次は歯周病です。歯周病も感染症ですので対策は虫歯菌と同じです。しかし感染する時期が長く、小学生から高校生、場合によっては成人になってからも起こります。本人、ご両親、おじいちゃん、おばあちゃんなど身近な方に加えてパートナーなどにも注意が必要です。お口の中がきれいな人と付き合うようこども頃から教えてあげてください(笑)。歯ブラシも自分で行うようになりますから、幼少期からの動機付けが大事です。歯ブラシをしっかりする習慣をつけること、定期的な検診を受ける習慣をつけていきましょう。まあ、反抗期もあってずっと続けていくということが一番難しいですかね💧

 

 

 

 

 

 

 

④では虫歯・歯周病において悪くなるスタートをできるだけ遅くするために必要なことを簡単にですが書かせていただきました。いずれもこどもの頃に注意することばかりです。生涯にわたり歯を保存するのにはスタートでつまずかないことが一番楽です。当院がこども歯科に力をいれる理由の1つがここにあります。こども本人を中心にみんなで守っていきましょう。

次は歯並び・咬み合わせについてです。

⑤へ続く☆彡

当院が何故こども歯科に力をいれるのか③

②の続きになります。

予防という道へと向かうことになった私ですが、幸いなことにたくさんの情報を得られる立場でした。九州大学病院には予防歯科がありましたし、なにより私が大学を退局して務めた大林歯科小児歯科は当時から予防に大変力を入れていました。大学在籍中からアルバイトで通わせていただいており、院長である大林京子先生も大変勉強家の先生で、最新の情報をたくさん学ばせていただきました。ちなみに大林京子先生は九州大学歯学部の1期生です。私が30期生、さからうことは死を意味する時代です(笑)。

当時から虫歯予防、歯周病予防には様々な方法が提唱されていました。中にはテレビで取り上げられたものも少なくありません。しかし全国的に定着し、一般の方が知っているという方法は今もありません。詳細はディスルことになるのでここでは割愛しますが、効果の確実性・持続性に疑問があったり、結構なお金を出して生涯続ける必要があったりと問題がありました。生涯続けるのは歯ブラシぐらいにしたいものですね(笑)。いろいろと勉強し試しましたが、これはという方法はなかなかみつかりませんでした。

しかし大林歯科小児歯科にて診療する中でみえてきたものもありました。

まず、虫歯・歯周病ともこどもの頃の状態がずっと尾を引くことです。こどもの頃状態が良い子は大人になっても状態が良い、逆にこどもの頃に状態が悪い子は大人になっても状態が悪い、再治療を繰り返します。治療のスタートが早いほどこの傾向は顕著です。こどもから大人まで診療をしており、開業してからの年月も長く、当時でも10000以上のカルテがあった大林歯科小児歯科だからこそわかることです。先ほども述べましたが、大林歯科小児歯科は予防に大変力を入れています。当時も様々な試みを行っていました。それでも状態が悪い子の負のサイクルを止めるのは難しいのです。悪くなるスタートをできるだけ遅くすることが大事となります。

そしてもう一つ大事なのが歯並び、そして咬み合わせです。歯並びが悪いと単純に磨きにくくなり、虫歯・歯周病の点で不利になります。咬み合わせはもっと重要です。②でも記述しましたが、私達が日常的に食事をするときでも自分の体重ぐらいの負荷がかかっています。咬み合わせのバランスが悪いと少し問題が起きただけで、大きくバランスがくずれます。虫歯や歯周病など他の要因も絡んで、あれよという間に悪くなることも少なくありません。御高齢の方で8020を達成していらっしゃる方、治療がしてあっても歯並び・咬み合わせが悪い方はいません。このことからも生涯を通して歯並び・咬み合わせが歯の保存にとても重要であることがわかるかと思います。

では生涯にわたって歯を保存するためにはどうすべきかをみていきましょう(まだ日々勉強中ですが💧)。

④へ続く☆彡

 

 

 

当院が何故こども歯科に力をいれるのか②

さて①の続きです。

私は九州大学歯学部を卒業し、歯周病科に研修医として入局、その後同大学院へと進学しました。歯と歯ぐきの保存を専門とする科です。いかにして悪くなった歯や歯ぐきを治していくかを、基本から再生療法などの高度治療まで学ばせていただきました。最初に思ったのはやはり基本が大事ということです。歯周病の治療であれば歯磨きが一番大事!これが改善しないとその後の治療に十分な効果は見込めません。どんなに名医であってもこれは変わりません。毎日の歯磨きの積み重ねは将来大きな差となってお口の中に現れてきます。まあ、どんなことでも一緒かもしれませんね★

さて、大学に在籍中たくさんの患者さんを診させていただきましたが、しっかり治すことができていたのかです。これがなかなか難しかった、、、💧そもそも大学病院は、一般の歯科医院で治療が困難な患者さんが来ることが多いです。いくつもの歯科医院で保存不可と判断された歯を治すのは、歯の保存を専門とする大学病院の先生でも簡単ではありません。結果として抜歯宣告、もしくは歯の延命程度しかできないことも多々ありました💧。

人にもよりますが、ある一定以上悪くなった歯や歯ぐきを安定した状態で保つのは難しくなります。お口の中の環境は過酷です。熱いもの、冷たいもの、硬いもの、柔らかいもの、様々なものが入ってきます。さらに咬む力もあなどれない!日常的に食事をするときでも自分の体重ぐらいの負荷がかかっています。家に例えるなら、毎日台風と地震にさらされているようなものです。

そうすると

状態の悪い歯(治療により薄くなった歯)はどうなるか? → 割れます。

支え(歯を支える骨)の少ない歯はどうなるか? → 揺れはじめます。

もちろん、そういったことに対応する処置もあります。しかし食べないわけにはいかない。生きているかぎり咬むという力による疲労は少しずつ蓄積していきます。歯を長く安定した状態で保つには悪くなった歯を治療していくだけでは不十分(そもそも歯科における歯の治療は修復です。治療と言うのもおこがましい。歯周病の治療も現状維持が精一杯、無くなった骨を完全にもとに戻すことは再生治療でも不可能です。)で、生涯咬むということに耐えうる余力を十分にもたせる必要があります。

となるとどうするのが一番いいか。当たり前のことなのですが、悪くしないこと、できるだけ治療しないでいい状態にすることが大事となります。まさに「予防は治療に勝る」「上位は病を予防し、中医は来たらんとする病に応じ、下医は現実の病を治療する」です。まだまだ上医の道は厳しいですが(中医もか(笑))、こうして私は、予防という道へと向かうことになりました。

③へ続く☆彡

 

 

当院が何故こども歯科に力を入れるのか①

当院が何故こども歯科に力をいれるのか①

 

こんにちは。院長の甲斐田光です。

今回は「当院が何故こども歯科に力をいれるのか」をテーマにコラムを書かせていただきます。歯科医師になって20年ちょっと、いろいろな経験を通じて今この考えに至っています。この考えは今後も大きくは変わらないと思います。話すとかなり長くなりますが、お付き合いいただければと思います。

さて、私の経歴を見ていただいた方はご存じかもしれません。九州大学歯学部を卒業し、私が研修医として入局したのは「歯周病科」です。こども歯科とほぼ無縁といってもいい科でした。何故その科を選んだかというと、

  • 歯周病という病気がおもしろそうだったから★

(細菌、免疫、咬む力、全身疾患等、、、様々な分野が関係します。治療するのも、研究するのもおもしろいです。)

  • 当時歯周病治療は再生療法が盛んで(今もまずまず盛んですが)歯科治療の中でインプラントと並んで花形だったから★

この歯科保存科の名前が変わってしまったのが、残念でなりません。

まあ完全にミーハーですね(笑)。それでも研修医2年、大学院4年の6年間、臨床や研究で大変お世話になりました。ストレスで今より体重が10キロ以上重くなった時期もありましたが良い経験でした(笑)。当時の九州大学大学院歯学研究院の学位審査は公開処刑といわれており、死ぬほど大変だったんですよ💦。まあどうにか致命傷ですんで現在も生きています(笑)。ちなみに大学院における研究テーマや学位論文の内容は歯周組織や歯の再生に関するものとなっています。

ここまでこども歯科の内容はまったくでてきません。しかし、この歯周病科における、研修医と大学院生活の6年で私の中の目指す歯科医師像は大きく変わりました。

先ほど歯科保存科の名前が気にいったという話をさせていただきました。この自分の歯を大切にしたい、残したいという根底は変わってはいません。私は歯を削るのは避けたいですし、歯を抜くのも避けたいです。さわらずにすむのならその方がいいですし、下手にさわればさわるほど歯の寿命は縮むと思っています。歯科だけの問題ではありませんが、治療をすればすれほど儲かる医療システムは問題だと思っています

どうやったらできるだけさわらずに生涯安定して歯を保存できるかをいつも考えています。その結果がこども歯科なのです。

長くなりました。今回はここまで。

次回は歯周病科での6年間で、私の考えがどのように変わってきたかに入っていきましょう。

②へ続く☆彡

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