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歯ブラシの 選びかたに ついて

今回は歯ブラシについて部分別に説明していきたいと思います。

 

本来お口の中は人それぞれですから、その方にあった歯ブラシをみつける必要があります😲。お口の大きさも違えば歯の大きさも違います。歯並びも違いますし、虫歯に注意が必要な方、歯周病に注意が必要な方もいらっしゃいます。もっといえば、手の大きさや不自由がないかで歯ブラシの持ち方が変わってきますし、年齢や食生活、生活習慣によってお口の環境も違うのです。本来であれば、歯ブラシ選びをお手伝いする「歯ブラシソムリエ」みたいな方が必要と思っています😊。

 

現在市販されている歯ブラシは多種多様、私達歯医者さんでもすべてを把握できません。その中で一般の方が自分にあった歯ブラシをみつけるのは至難の業です💦。みなさんはどうやって選んでいますか❓。宣伝やパッケージのキャッチコピーを参考にしたいたり、歯医者さんのおすすめなんかをそのまま使っている方が多いと思います。でも、ひょっとしたら自分にもっと合う歯ブラシがあるかもしれません。その歯ブラシ選びの助けになればと思います😊。

 

🌟頭部(ヘッド)。🌟

毛が付いている先の部分です。長さ、厚さ、幅とみるところがあります。

◎長さ。

歯は小さいですよね。1本1本しっかり磨くには、ヘッドの長さについては短い方が適しています。長いと小回りが効かず、細かい所が磨けません。まあ、短すぎるのも問題ですので、大まかな目安として2cmは超えないぐらいの長さがおすすめです👍。

 

◎厚さ。

厚さについては薄い方が有利です👍。奥歯などにも入れやすいですね。

 

◎幅。

幅も大きすぎるとうまくお口の中で動かせません。基本は少し小さめの方が、小回りも効ききますのでおすすめです👍。特に歯並びが悪い方は幅がより小さい方が磨きやすいですね。

ヘッドについてはお口や歯の大きさによって適したサイズが異なります。奥まで楽に入り、しっかり細かく動かせるサイズが理想でしょうか😊。いろいろ試してみてください。

 

🌟毛。🌟

歯についている汚れを取ってくれる1番大事な部分です👍。あまり気にされていないかもしれませんが結構種類があります。みていただきたいのは、植毛部の形状、毛先の形状、毛の硬さ、毛の素材などでしょうか。

 

◎植毛部の形状。

大きく分けるとフラットなタイプとギザギザしているタイプですね。ギザギザしているタイプは山切りカットとかいわれていますね🏔。どちらも良いところがあるので、好みで選んでもいいのですが、安心確実なのはフラットタイプです。フラットタイプの方が確実に当たる範囲が広いです。山切りカットはうまく形にはまる場所はいいのですが、うまくはまらないと磨くのが難しくなります😞。歯の大きさは前歯と奥歯で異なりますので、すべての場所で山切りカットがうまくはまることはありません。基本はフラットタイプで大丈夫でしょう😊。一般に市販されている歯ブラシもフラットタイプが主流です。

 

◎毛先の形状。

毛先の形状は大きく2種類、ラウンドタイプとテーパードタイプに分けられます。ラウンドタイプは切った毛先を丸めたもの、テーパードタイプは毛の先にいくほど細くなっているタイプです。どちらも良いところ、悪いところがありますね😊。

ラウンドタイプは毛先の面積が大きいため汚れの除去効果が高いですね。テーパードタイプと違って先にいくほど細くならないため、コシも強く毛先が開きにくいです。1番多く売られているタイプです😲。

一方、テーパードタイプは毛先が細いため細かいところに入り込みやすいです。特に歯と歯ぐきの間の溝、歯周ポケットの中を磨くのには適しています👍。歯周病の方にはいいかもしれません。ただし毛先の面積が狭く、先細りのためコシも弱いため、汚れの除去効果が低くなります。材料の技術も進んでいますが、今のところちょっと上級者向けの歯ブラシといえます💦。

毛先の形状についてはラウンドタイプが無難といえるでしょう。

 

◎毛の硬さ。

毛の硬さは硬め、普通、やわらかめと3種類ありますね。それぞれ特徴をみてみましょう。

○硬め。

毛が硬いため汚れを取る力は強いです。コシもあり長持ちしますね。汚れが多い方、硬い方(唾液の少ない方などは汚れが硬くなりやすいです。)には適しています。しかし、硬い分だけ柔軟性に乏しく、歯や歯ぐきを傷つけやすいです。歯ブラシをあてる力に気をつけないと、歯が削れてきたり、歯ぐきが下がったりしてしまいます💦。もろ刃の剣ですね😢。特に知覚過敏がある方や、歯ぐきが弱い方は絶対におすすめできません。

 

○普通。

現在1番売られているタイプです😊。汚れ除去効果は十分ですね。歯ぐきが弱い方はこれでも痛みを感じることがあります。

 

○やわらかめ。

毛がやわらかく、コシも無いため、汚れの除去能力がどうしても低くなります💦。その分時間をかけないといけません💦。歯ブラシの交換も早めにする必要があります💦。ただ、歯ぐきが弱って痛みを感じやすい方、磨くときに力を入れ過ぎる方には適しています。

硬めは基本おすすめしません。やわらかめは状況によっては使っていただく時もありますが、状況が改善すれば普通に戻します。まあ、基本的に普通で大丈夫ということです😊。

 

◎毛の素材。

毛の素材も何種類かあります。有名どころをみていきます。

 

○ナイロン。

摩耗に強く、歯ブラシに向いている素材といわれています。毛が広がりやすいため、1ヶ月程で交換が必要なのが唯一の欠点です。現在の歯ブラシの主流となっています😊。

 

○飽和ポリエステル樹脂(PBT)。

ナイロンより耐久性にすぐれ、毛先の劣化も遅いです。乾燥も早いので、ばい菌の繁殖も抑えることができます🦠。テーパードタイプの歯ブラシはほとんどがこのタイプです。特に欠点が無いため、今後どんどん増えていくと思われます😊。

 

○動物の毛。

たいへんやわらかくしなやかです🐎🐖。歯や歯ぐきにやさしいですが、汚れを落とす力は弱いため歯ブラシには適しません。しかも乾燥しにくく、不衛生になりがちです。動物アレルギーの心配もあり、天然素材ですがあまりおすすめはできません😞。

 

○シリコン。

歯を磨く形態になっていないものが多く、歯磨きには適していません。赤ちゃんの歯ブラシの代用品や歯ぐきのマッサージなどに用います💦。

歯ブラシの素材はナイロン、もしくは飽和ポリエステル樹脂(PBT)がよいでしょう。まあ、普通に選ぶとこの2つのどちらかです。

 

🌟把持部(ハンドル。)。🌟

歯ブラシをもつところですね。これも太い、細い、長い、短いなどの違いがあります。

 

◎太い。

つかみやすいため、手の不自由な方や握力の弱い方、御高齢の方に適しています😊。

 

◎細い。

手が小さい方やペングリップで歯ブラシを持つ場合は細いタイプが適しています👍。

 

◎長い。

手の大きな方(特に男性。)は把持部が短いと磨きにくいです。長めのタイプを選びましょう。

 

◎短い。

手が小さい方、特にお子さんに適しています。

把持部については手の大きさなどで個別に判断していく方がよさそうですね😊。持ち方は大事です。

 

🌟頸部(ネック。)。🌟

毛のついている頭部と、持つ部位になる把持部との間の部分です。大きくストレートネックとカーブネックがあります。

基本的には歯の面に垂直に毛先があたるストレートネックの方が、汚れが除去しやすいため歯磨きに適しているとされています。ただし、カーブネックは力の緩和が期待できるため、歯ブラシをあてる力が強くなりがちな方には有効です。ちなみに、ある一定以上力がかかるとカチッという音で教えてくれる歯ブラシもありますよ👍。

 

いかがだったでしょうか。今回は歯ブラシの各部位についてくわしくみてみました。歯ブラシは本当に多種多様で私達歯医者さんでもすべては把握できていません💦。もちろん磨き方や磨く時間などの方が重要になるのですが、どんな歯ブラシを使うかで効率は変わってきます。できるだけ自分に合った歯ブラシを使った方が楽になります👍。良い歯ブラシみつけてくださいね。

入れ歯の不具合とは・・・?

入れ歯、できれば避けたいですよね。でも歯が無くなると、そうも言ってられません。作るしかない😞。今回は入れ歯ででやすい不具合についてです。入れ歯を作った直後にでやすい不具合と、入れ歯を作ってしばらくたってからでてくる不具合とあります。それぞれみていきましょう!

  • 入れ歯を作った直後にでやすい症状💧

 

☆痛い💦

 

まずはこれですね😞。入れ歯を使っていただけるかどうかの最初の分かれ目です😅。入れ歯をお渡しする前に歯ぐきとのあたりが強い所は調整しますし、咬み合わせも調整するのですが、多かれ少なかれ最初は痛みがでやすいです。歯医者さんで調整している時は大丈夫でも、実際食事をすると痛みがでることもあります。

 

入れ歯は物を咬むとどうしても沈み込みます。人によって咬む力や咬み方、顎の動かし方は違います。咬む力が強くかかる所ほど痛みがでやすくなります。また歯ぐきも、薄い所があれば厚い所もあります。歯ぐきが薄い所ほど痛みがでやすく、傷になりやすいです。もちろん、みてわかる所はお渡しする前に調整するのですが、実際に使ってみないとわからないことも多いのが実情です😲。

 

実際に使っていただき痛みがでている部位に合わせて調整を行います。咬む力が強いようなら咬み合わせの調整を行いますし、歯ぐきとのあたりが強ければ入れ歯の内面を調整します。この入れ歯を作った直後にでる痛みに関しては慣れることはまずありません。必ず歯科医院での調整が必要です🙇。

 

☆はずれやすい💦

 

バネで支えている入れ歯(部分入れ歯といいます。)で多いです。バネが無い入れ歯(総入れ歯などです。歯ぐきとの合い具合でくっついている入れ歯です。)では、作った直後の適合はいいのでそんなに問題になることはありません。特に初めて入れ歯を使う方の場合、なかなかうまく外せないことがあります。そのため意図的にバネを緩くする場合もあります。時々外せなくなったりするんですよ😞。バネを締めてあげれば改善しますので大丈夫です💖。

 

☆違和感がある。気持ち悪い💦

入れ歯って結構大きいですからね。もともとの歯より広範囲にわたりますか

ら、どうしても違和感や気持ち悪さがでてきます。調整できる所は調整しますが、慣れていただかないといけない場合もあります。これについては以下の3パターンでしょうか、、、

 

・調整しても問題無い場合。

調整します。

 

・調整できるが、他の不具合がでる可能性がある場合。

慣れない、もしくは慣れなさそうなら調整します。しかしそれによって他

の不具合がでてくる可能性があります。

 

例)入れ歯が厚い場合、、、

薄くはできます。しかし薄すぎると割れる可能性が高くなります。

例)入れ歯のバネが気になる場合、、、

バネが複数あれば減らすことはできますが、外れやすくなるかもしれません。

 

・調整できない場合。

基本的に慣れていただくしかありません。気になる内容によりますが、保険外の治療で改善できる場合もあります。

例)バネが1つしかない入れ歯でバネが気になる場合、、、

無くすと維持できません。無理です🙇。

人によって感覚は違うので、なかなか難しんですよ😞。

 

☆入れ歯がかちかちなる💦

歯と違って特有の音がでます。これもご自分の歯が少ない方ですと改善は難しいです😅。

 

☆入れ歯の歯の大きさや形が気になる💦

入れ歯が完成する前に試適(仮合わせ。)を行います。その時に確認するので、まず大丈夫なのですが、まれに完成後に言われることがあります。完成後に歯の大きさや形を大きく変えることはできません。試適(仮合わせ。)の段階なら、いくらでも変更ができます。それまでにおっしゃってください😊。

 

入れ歯を作った直後にでやすい症状は1回改善して安定すればでにくくなります。1回の調整で大丈夫な時もあれば、何度か調整が必要になることもあります。時間が解決(慣れですね。)してくれるときもありますね。大変な時もありますが、一緒にがんばりましょう💖。

 

  • 入れ歯を作ってしばらくたってからでてくる症状💧

 

☆痛い💦

1度安定した入れ歯は痛みにくいのですが、何かの拍子に痛みがでてくることがあります。すぐに落ち着けば大丈夫ですが、続く場合は調整が必要です。また入れ歯に問題が無くても、歯周病などで歯ぐきが腫れ、入れ歯に腫れた部位があたることで痛みがでていることもあります😞。

 

☆はずれやすい💦

 

入れ歯は長く使っているとだんだんはずれやすくなってきます。バネがある入れ歯は取り外しを重ねるうちにバネがだんだん緩みます。この場合はバネをしめれば大丈夫😊。また入れ歯は変わらなくとも、歯ぐきは少しずつやせていく傾向があります。歯ぐきがやせると入れ歯が合わなくなり、はずれやすくなってしまいます。この場合は入れ歯を現在の歯ぐきの合わせて裏打ちすることができますよ👍。

 

☆入れ歯と歯ぐきの間にものがつまる💦

 

入れ歯と歯ぐきはくっついているわけではありませんので、完全に防ぐことはできません。しかし、入れ歯を長く使っているとだんだんものが詰まりやすくなってきます。これも前述したことが原因となります。入れ歯がはずれやすくなると、入れ歯が歯ぐきから浮いた感じになりますので、ものが詰まりやすくなります。また、歯ぐきがやせて、入れ歯と歯ぐきの間の隙間が大きくなるとやっぱりつまりやすくなります😅。対応も前述した通りです。

 

☆入れ歯の歯がすり減った💦

 

長く入れ歯を使っていると、入れ歯の人工の歯の部分がだんだんすり減ります。これを咬耗と呼んでいます。特に入れ歯と咬んでいる相手側の歯が、自分の歯の時に起こりやすいですね。まあ、硬い自分の歯でも咬耗は起こりますから、入れ歯の人工の歯がすり減らないわけがない(´・ω・`)ショボーン。白い詰め物で継ぎ足したり、人口の歯を交換したりします。あまりにもすり減りが強い時は、作り替えも検討します( ノД`)シクシク…。

 

☆入れ歯が壊れた💦

 

入れ歯も壊れることがあります。割れてしまったり、人工の歯が取れたり、バネがとれてしまったり、、、、、いろいろです😞。ほとんどケースではその日の内に修理ができます。しかし壊れた部位によっては型をとって、修理に必要な部品を調達しないといけなくなりますし、修理ができない部位が壊れると新しく作らないといけません。

 

☆入れ歯が汚れてきた💦

 

入れ歯も使っているうちに汚れてきます。着色が付いてきますし、歯石もついてくるんですよ😲。また、人工の歯の色も黄ばんできます。自分の歯と一緒なんです。しっかりお手入れしましょうね💖。入れ歯の洗浄やクリーニングもできますのでおっしゃってください。

 

☆入れ歯を支える歯が悪くなった💦

 

とくにバネを使う部分入れ歯で注意が必要です。バネは自分の歯にかかっています。その歯には入れ歯を支えるためとはいえ、余計な力がかかっているんです。注意しないと悪くなりやすい🥶。頑張っている歯ですから、大事に磨いてあげてください。悪くなると最悪抜歯、入れ歯も修理や新しく作ることを余儀なくされます、、、、、

 

いかがだったでしょうか。主だった入れ歯の不具合をまとめてみました。他にも失くしたなんてこともありますね。これも新しく作るしかない、、、、、😢。

 

入れ歯は人によって形が全然違います。また、人それぞれ入れ歯に対する考え方が違いますし、感覚も違います。同じようにやれば、みんな大丈夫というものではありません。結構難しいです😞。でもどんな歯の無くなり方でも対応できますし、取り外しができることによるメリットもあります。工夫できる余地も多いので、職人気質の歯医者さんは結構好きな方も多いですね。私も結構好きだったりします💖。入れ歯を入れないようにするのが1番大事なことですが、もしもの時は必要です。今後も入れ歯に対する知識、技術とも磨いていければと思います🙇。

本当に怖い受動喫煙・・・・・・

今回はタバコのお話、特に受動喫煙についてです。タバコが出す煙には喫煙者本人が吸う主流煙と、タバコの先から出てきて本人と周りの人が吸うことになる副流煙があります🚬。喫煙者本人が吸う主流煙には発がん性物質など様々な悪い物質が含まれていますね😢。依存性の高い物質もあり、有名なのはニコチンでしょうか。タバコをやめにくくさせたり、やめる時に離脱症状を引き起こしたりします💧。

タバコの問題が主流煙だけにあるのなら、ここまで問題にはなっていないと思います。喫煙者の方は最近肩身がどんどん狭くなっていますが、これは副流煙の害が強いためです💦。副流煙にも発がん性物質やニコチン、一酸化炭素、アンモニアなど様々な悪い物質が含まれています。しかも主流煙よりも副流煙の方に多く含まれている物質も少なくありません😲。

この副流煙を吸い込むことを受動喫煙と呼んでいますが、この害が結構強いのです。受動喫煙が成人の健康に及ぼす影響で確実なものとしては、肺がんや虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など。)、脳卒中(脳出血や脳梗塞など。)があります。日本では受動喫煙を原因とするこれらの病気で、1年間に15000人が無くなっているという推計があります(´・ω・`)ショボーン。

お子さんへの影響も深刻です。有名なものでは乳幼児突然死症候群(SIDS)やぜんそくなどでしょうか😞。急性の過敏症や受動喫煙が続くことで、精神的にも肉体的にも刺激に対して過敏になるという報告もあります。

お口の中にも受動喫煙の影響がでます。成人では歯周病や歯の喪失リスクを30%高めることがわかっています💦。お子さんの虫歯にも関連があることが確実となっており、受動喫煙のあるお子さんは2倍近く虫歯のリスクが増えることがわかっています💦。原因は現在も研究が進んでいますが、ニコチンが虫歯菌に作用し、歯にくっつきやすくなったり、歯を溶かす酸をたくさん作ったり、さらに作った酸が薄まらないようにバリアを作ったりするようです。受動喫煙でですよ💧。びっくりしませんか。

タバコはまさに100害あって1利なしです🚬。吸っている本人はまだ仕方がないでしょうが、周りの方々にとっては完全に損しかありません。さらに最近では、喫煙者の服や髪の毛に付いている有害物質や吐く息に含まれる有害物質を吸ってしまう、3次喫煙にも注意が必要とまでいわれています。大切な周りの方々への健康のためにもタバコを吸わない、やめることを考えていきましょうね。

こどもの歯並びをゆがませる態癖とは?

皆さん、態癖という言葉をご存じでしょうか?あまり聞き慣れない言葉かもしれません。態癖の定義は、、、

『日常の生活習慣の中で、無意識で行う様々な習癖がある。このささいな習癖が長期に及ぶことにより、歯牙を移動し、顎顔面系さらには全身に大きな影響を及ぼす。この顎口腔系に悪影響を及ぼす習癖を態癖と名付けた。』

となっています。

わかりやすくいうと、口腔をはじめ全身に影響を与える「よくない生活習慣」のことです😞。例を挙げると

  • 通学時のショルダーバッグ💧。

中学生や高校生になると、ランドセルからショルダーバッグにかわりますよね。教科も増え、たくさんの教材や部活の道具などを重そうに抱えている光景をよく目にします。このバッグをいつも同じ側の肩にかけていると、体のゆがみが生じてきます(ショルダー癖。)。登校時は右肩、下校時は左肩というように、左右均等にかけるようアドバイスしてあげてください😊。

  • 部活動での姿勢💧。

部活動でもゆがみを生じることがあります。吹奏楽は口元を押さえた

り、力が入りやすいため、下顎が後ろに下がったり、楽器のあたる前歯部周辺に影響がでたりします(楽器癖。)。バイオリンなども顎で固定するため、その方向に抑えられてくいしばったりすることで、体のバランスもゆがんでいきます。

美術や手芸もずっと下を向いての作業が多いため、下顎が後に下がりやすく、くいしばりしやすい状態になります。長時間の作業は避け、休み休み行うよう指導しましょう😊。

  • 歯医者さんの姿勢💧。

歯医者さんも姿勢が悪くなりがちです。下を向いての作業が多く、せまいお口の中をみるために体を傾けていることも多いです。常に気も張っていますしね。実際、腰痛を持っている歯医者さんは多いんですよ😞。私も注意はしています、、、、、

いくつか態癖の例を挙げさせてもらいました。こういった態癖は1日1時間程度の間歇的な力(一定の間隔を置いて、起こったり止んだりすること力。)でも骨や歯に影響を出すと言われています。人間は生まれた時は、ほとんどの人が左右対称です。それに態癖というささいな力が加わることで、お口や顔面、体が少しずつ非対象になっていきます😅。

前置きが長くなりましたが、今回は特にこどもの歯並びをゆがませる代表的な態癖をご紹介します。1つは睡眠癖、これにはうつぶせ寝や横向き寝があります。寝ている間にずっとしているのでタチが悪いです。2つ目は頬杖です。これも無意識にしていることが多いですよね。ちなみにこれはこどもだけでなく、大人にも共通します。1つ1つみていきましょう😊。

☆睡眠癖(うつぶせ寝)😅

うつぶせ寝をしていると、枕のあたっている歯が直線状に数歯まとめて押し込まれます。1歯だけでなく、複数の歯がフラットに内側に入り込んでいる場合は、このうつぶせ寝を疑います💦。

顔貌にも変化が生じます。目の高さが異なったり、口角も非対称、顎のラインが細く、くいしばっているようにみえたりします。姿勢も悪くなっていることが多く、首が前傾していたり、まっすぐ立っていても前からみて首や肩がゆがんでいます💦。

うつぶせ寝の改善方法のですが、寝る前に上を向いて寝ることを意識することはもちろんです。寝ている間は自分で制御できないので難しくなります。どうしてもやめられない場合、しばらく寝袋を使用してもらうとやめられることが多いです。手が寝袋の中にあるので、うつぶせ寝が自然と防止されます。うつぶせ寝が解消できると、上記の症状は自然と解消することがほとんどです😊。

☆睡眠癖(横向き寝)😅

横向き寝をしていると、枕のあたっている歯列がベロ側に入り込みます。顔と枕の間に手や腕を挟む横向き寝の場合、挟まれた手や腕の形を写し出すように歯の列がベロ側に倒れていきます。特有のサインとしては力のかかる1本の歯の軸がベロ側に傾斜しています💦。

顔貌としてはうつぶせ寝と同じく、目の高さが異なったり、口角も非対称、顎のラインが細く、くいしばっているようにみえたりします。姿勢も、首が前傾していたり、まっすぐ立っていても前からみて首や肩がゆがんでいまことがあります💦。

横向き寝の改善方法ですが、まず寝る前に上を向いて寝ることを意識するようにしましょう。しかし人間は寝ている間に必ず寝返りを打ちます。これは防ぎようがなかなかありません。実はこの横向き寝の場合、歯の列に力がかからなければ問題ありません。寝返りを打ってもお口の周りに力がかからないようにするため、Tの字型の枕が売られています。バスタオルなどを巻いてみたり、工夫してみてください😊。横向き寝がよくなると、上記の症状も解消することがほとんどです。

☆頬杖😅

一口に頬杖といってもいろいろなパターンがあります。右手、もしくは左手でしている場合や両手でしている場合、座った時に膝で頬杖をしている場合もあります。体育座りの時にしているケースもありますね。女の子が両手で頬杖しているとかわいくみえますが注意が必要です💦。

お口の中の特徴としては、力がかかっている部位の歯がベロ側に入り込みます。歯の列がせまくなりやすいですね。特に両側に力がかかっており、口唇の力が弱いと前歯が前にでてくることもあります。以前は前歯がきれいに並んでいたのに、最近でてきたように感じられるなら、左右から力がかかるような態癖がないかを疑います😞。

顔面もねじれてきたり、口角も非対称、顎のラインが細く、くいしばっているようにみえたりします。体も傾いてきたりします。

頬杖の対策ですが、まずは自分で意識してしないようにすることです。睡眠癖と違い自分でどうにかできることが多いです。どうしてもやめられない場合は、必要な時以外は机の上に手を乗せないようにしましょう。無意識に頬杖をしてしまうのですから、そもそも手を顔の近くに置かないようにしましょう。また、膝による頬杖もありますので注意が必要です(# ゚Д゚)。頬杖が無くなれば、それに伴う症状も解消されることがほとんどです😊。

以上、今回挙げた3つの態癖は無意識に行っていることが多く、影響も大きいため注意が必要です。こういった態癖が続くと、お口の中だけでなく顔貌や全身も力の影響をうけてゆがんでいきます。そのままにしておくと、ゆがみがさらにゆがみを生む負のスパイラルに入ってしまいます。最近では、「肩が凝る。」、「頭が痛い。」、「疲れやすい。」、「顎の関節が痛い。」、「顎の関節に音が鳴る。」、「口が明けにくい。」など、大人が抱えることが多い不調を訴えるこどもも少なくありません🥶。発育不全に繋がる恐れもあるため、態癖はできるだけ改善した方がよいです😊。

とはいっても態癖の原因である力、これは目に見えないものです。なかなか説明も難しい💦。しかしお口の中や顔貌などにその結果を見出すことはできます。従って、その実際にでている結果と日常生活での態癖を結びつけることが大事となります。それにはご家族の協力も不可欠になります。自分だけで治すのは難しい😞。お子さんを注意深く見守り、態癖をしている時は注意をしてあげてください。寝ている時は姿勢を正してあげてください。写真に撮ったりしてもいいですね。本人はしっかり意識をすること、周りの方はしっかり見守ることが大事です😊。

生きている限り、態癖とは共存していかなければなりません。気を付けていても時間が経つと忘れてしまったり、生活環境が変わることで、無意識のうちに別の態癖でゆがみが生じたりと終わりがありません。だからこそ、態癖がこんなにも悪影響を及ぼすことを知っていただければと思います。特に成長期のお子さんにとっては、健やかな成長への一助にもなります。みんなで見守っていきましょう。

鼻呼吸で感染対策Σ(・ω・ノ)ノ!

さて今回は鼻呼吸についてのお話です🐽。鼻呼吸と対を成す呼吸として口呼吸があります👄。基本的に口呼吸はいろいろな面で不利です。お口の中だけでみても、乾燥のため虫歯・歯周病になりやすくなりますし、歯並びや咬み合わせにも悪影響があります。ひかる歯科ちえこども歯科で歯並びや咬み合わせの治療をする場合、口呼吸の原因が鼻や喉にある場合は耳鼻科の受診をお願いするほどです😢。

そして口呼吸は鼻呼吸に比べて圧倒的に風邪を引きやすいです💦。今回はこの点について詳しく見てみましょう。実は、『鼻は天然のマスク。』とまでいわれているんですよ😊。

このことを説明するには、まず風邪の原因を知っておかないといけません。風邪の原因はウイルス感染によるものがほとんどです。インフルエンザやコロナもそうですね🦠。そして、このウイルスの特性として、低温と乾燥に強いというものがあります。逆に言えば高温と湿気に弱いということです。そのためウイルスによる風邪は冬に流行することが多くなります。

では鼻呼吸が感染に強い理由をみていきましょうΣ(・ω・ノ)ノ!。

🌟鼻はすぐれた暖房です。🌟

さて1つ問題です。外の空気を-40℃としましょう。この空気を鼻らか吸い込むと、喉の奥では何度になっていると思いますか❓。ちなみに-15℃ぐらいになるとバナナで釘が打てますし🍌、あくびで涙がでると一瞬のうちに凍って目が開きにくくなります。鼻毛も凍っていますよ🥶。

正解はというと30℃ぐらいまで上がります😲。実に70℃も上がります。逆に大丈夫なのかと思うぐらい上がりますね。たった10cmちょっとの鼻の中を通過するだけですよ。鼻の中の豊富な毛細血管が温めてくれています。ちなみにこの毛細血管は鼻血の原因でもあります。それだけ毛細血管が豊富なんですね。

🌟鼻はすぐれた加湿器です。🌟

さてまた問題です。鼻の中では1日どれぐらいの水分がでているでしょうか❓。ちなみに唾液は1日1~1.5ℓでています。

正解は約1ℓです😲。どうでしょう。思っていたより多くありませんか。これが吸った空気を湿らせるために使われています。基本的に肺の湿度は、生物が海中から発生した名残なのか、ほぼ100%になっています。吸った空気が肺に行き着く前に湿度を上げておかないといけません。寒い日に口呼吸で激しい運動をすると、肺が乾燥して痛くなるんですよ💧。

このように鼻から吸った空気は喉に到達する前に十分温められ、湿気を帯びます。ウイルスを弱らせることができるんです。お口から空気を吸うと、ほぼダイレクトに外の空気が喉にあたります。ウイルスは元気なままです。ウイルスの感染は喉や肺から起きますので、口呼吸の方が感染に不利なのは当然です😞。

その他にも鼻事態のもつ感染防御システムもあったりします。とにかく口呼吸でいいことはまずありません。感染1つとってもはるかに鼻呼吸が有利です。みなさん鼻呼吸を目指してくださいね。

フロスや歯間ブラシを使うと、 歯と歯の間に隙間ができる❓

さて、今回はよく聞かれる質問からです。それは、「フロスや歯間ブラシを使うと、歯と歯の間に隙間ができませんか❓。」というもの。みなさん歯と歯の間の隙間ができるのは気になりますよね。でも、これについてははっきりわかっているのでみていきましょうか😊。

歯と歯の隙間ができる1番の理由は歯周病です。歯周病で歯と歯の間の歯ぐきが下がってくると隙間が大きくなります。下がった歯ぐきをもとに戻すのはなかなか難しいですから、下げないようにすることが大事です。そしてもう1つ大きな理由としては歯と歯の間の虫歯があります。歯と歯の間にものが詰まりやすくなり、歯ぐきが傷みやすくなります。食片圧入といい、これも歯ぐきを下げる大きな原因となります。適切なフロスや歯間ブラシの利用は、歯周病、そして歯と歯の間の虫歯のリスク、どちらも下げることがはっきりとわかっています😲。フロスや歯間ブラシを使わない方が歯と歯の間に隙間ができる原因となるといってもいいぐらいです🥶。

しかしフロスや歯間ブラシを適切に使っていても、歯と歯の間が広がったように感じることがあります。また、使い方を誤ると歯と歯の間を広げる原因となります。注意点をいくつかみていきましょうΣ(・ω・ノ)ノ!。

🌟適切にフロスや歯間ブラシを使っている場合。🌟

もともと歯ぐきが腫れている場合に、歯と歯の間の隙間が広がったように感じてしまいます。フロスや歯間ブラシを適切に使うことで腫れが治ってきている状態で、歯ぐきの状態としては良くなっているんです。いわば正常な状態になっているのですが、腫れが引き、結果として歯ぐきが下がり、歯と歯の間が広がったように感じてしまいます😞。フロスや歯間ブラシを使わなければもっと歯ぐきは悪くなりますので、受け入れましょう👍。

★フロスや歯間ブラシの使い方が誤っている場合。★

こちらは問題です。過度な力による清掃や誤った方向から無理に器具を入れるなど、歯ぐきを傷つけるような使い方をしていると歯ぐきが下がり歯と歯の間の隙間が大きくなる原因となってしまいます😞。フロスや歯間ブラシを使う際は使い方もですが形態や大きさも大事です。もしわからなければ、ひかる歯科ちえこども歯科でご説明できますよ。

フロスや歯間ブラシを適切に使用して、歯と歯の間の隙間が広がることはありません。むしろ歯と歯の間を広げないためには必須です。面倒くさいかもしれませんが、時間をみつけて使うようにしてくださいね。

上の総入れ歯を金属で❓

今回は上の総入れ歯についてのお話です。総入れ歯とはすべての歯が無くなった場合に作る入れ歯ですね😞。この総入れ歯、通常はレジンといわれる合成樹脂で全体を作っていることが多いのですが、まれに上の総入れ歯で、口蓋といわれる部分を金属で覆ってあることがあります。一体何が違うのか❓今回はその違いをみていきたいと思います。

🌟全体をレジンで覆っている総入れ歯。🌟

一般的によくみられる総入れ歯です。保険が適応され、作製までの費用は大体3割負担で1万ちょっとぐらいですね。

【メリット】

・保険が適応される。      ・調整しやすい。

・修理しやすい。

【デメリット】

・壊れやすい。         ・厚みがでやすい(3mm程度。)。

・しゃべりにくい。       ・違和感が大きい。

・温度がつたわりにくい。

🌟一部(口蓋。)を金属で覆っている総入れ歯。🌟

まれにみられる総入れ歯です。金属もコバルトクロム合金やチタン合金、金合金など種類があったりします。保険がきかないため、金属の種類や歯医者さんによって値段が変わりますが、20万円から60万円ぐらいはします。

【メリット】

・丈夫で使えなくなるほど壊れることは少ない。

・薄くできる(0.7mm~1mm程。)。

・しゃべりやすい。       ・違和感が少ない。

・温度がつたわりやすい。

【デメリット】

・保険がきかない。       ・調整しにくい。

・壊れにくいが、万が一壊れた場合修理が難しい。

いかがでしょう。どちらも良いところ、悪いところとあります。それを踏まえて私個人の考えを書いていきます。

私個人としては20万円から60万円かけて、一部(口蓋。)を金属で覆ってある保険外の総入れ歯を作製する意味はあまり無いと考えています😲。

全体をレジンで覆ってある保険内の総入れ歯のデメリットはほとんどが慣れてくるものです。確かに壊れやすいのですが、大体即日修理が可能です😅。不安な方はスペアの入れ歯を作製することも可能です。20万円あれば10個以上つくれますよ(笑)。なによりお口の中は少しずつ変わっていきます。調整がしにくいのは結構困るのです💦。場合よってはできないこともあります💧。

ですから私が、一部(口蓋。)を金属で覆ってある総入れ歯を保険外で作製する場合は以下の通りです。

  • どうしても全体をレジンで覆ってある総入れ歯(保険内。)に慣れることができず、一部(口蓋。)を金属で覆ってある総入れ歯(保険外。)を作製することでそれが確実に改善できる判断したとき。
  • 咬む力が強く全体をレジンで覆ってある総入れ歯(保険内。)では頻繁に壊れてしまうとき。

初めて総入れ歯を作る方に、一部(口蓋。)を金属で覆ってある保険外の総入れ歯をおすすめすることはありません。あくまで私個人の考えですので、いろいろと意見はあると思いますが、ひかる歯科ちえこども歯科としてはこの方針となりますでご了承ください。

塩での歯磨きは❓

さて今回は塩での歯磨きについてです。一時期ですが結構流行って、塩を表に出した歯磨き粉も売りに出されていました。言っていいのかわかりませんが、美味しくないという評判も多かったです。ごめんなさい🙇。最近は表立って塩で磨こうとういう風潮は無いようですが、塩への信仰は根強いです。今でも、塩での歯磨きや、塩で歯ぐきのマッサージをされている方はまずまずいらっしゃいます。一体効果はどうなのでしょうか❓。

実はきちんとした研究報告もあります😲。塩には、たんぱく質を変性させて組織や血管を引き締める作用(収れん作用。)があります。歯周病の患者さんに塩を結晶体のまま、もしくは高濃度の水溶液や塗り薬に添加して使用すると、歯ぐきの出血や腫れといった症状が改善することがわかっています。組織学的(顕微鏡下の世界。)にも血管の収縮や白血球の減少が認められたと報告されているんです。歯ぐきの状態を改善する作用があることがわかっており、実は歯磨き粉の薬効成分にも名を連ねています😊。ただ、研究報告は昔のものしか無く、最近はほとんど研究対象にすらなっていないのが現状のようです。

その理由は明快です。塩よりも効果的に歯ぐきの状態を改善してくれる薬効成分があるからです。有名どころではトラネキサム酸やグリチルリチン酸などでしょうか。ほかにも研究がどんどん進んでいます。

また、塩だけで磨くと悪い点があります💦。歯磨き粉には歯ぐきを改善する薬効成分だけが含まれているわけではありません。ほかにもたくさんの有効成分が含まれています。

まずは、プラークや茶渋などを取り除くのを助けてくれる清掃剤(以前は研磨剤と呼ばれていました。)です。清掃剤はプラークや茶渋を取り除くのに極めて有効です。塩にはこのような作用はありません。他にも歯磨き粉をお口の中全体にひろげて磨きやすくしてくれる発泡剤、虫歯予防に有効なフッ素なども同時に含まれていることが多いですよね👍。そう、塩だけではこういった恩恵を受けることができないのです。これはもったいない。

現時点では塩での歯磨きよりは、普通に歯磨き粉を使っていただいた方がお口の健康のためにはいいと考えられます。歯磨き粉はどんどん進化しています。それを使わないのは損です。なにより塩での歯磨きは美味しくないです🥶。毎日続けないといけないのに、これだとほぼ苦行です。よほど何かないと厳しい、、、、、。どうせなら楽しく、おいしく歯磨きをした方がいいです。自分に合った歯磨きを見つけて使いましょうね。

虫歯菌、歯周病菌の割合は❓

さて今回はお口の中のばい菌についてのお話です🦠。お口の中にはたくさんのばい菌が住んでいます。歯垢(プラーク。)1mg中には実に10億ものばい菌が含まれており、そのばい菌の種類も500~1000種類と多様です。その中で、いわゆる虫歯菌と歯周病菌はどれぐらいの割合をしめているのでしょうか❓。ちょっと予想してみてください。

虫歯菌として1番有名なのはStreptococcus Mutans(ストレプトコッカスミュータンス、以下SM菌)、歯周病菌として1番有名なのはPorphyromonas Gingivalis(ポリフィロモナスジンジバリス、以下PG菌)ですので、この2つのばい菌についてくわしく見ていきたいと思います。

さてそれではまずSM菌からです。報告に若干ばらつきはあるのですが、通常のプラーク中での割合はなんと1%以下の報告が多いです。少なく感じませんか。虫歯の穴の中にあるプラーク中では10%前後の報告が多くなり、だいぶ増加しますが、それでもすごく多いというイメージではありませんよね。

では次にPG菌についてです。こちらも通常のプラーク中での割合は非常に低く、ほぼ0%です。歯肉炎や歯周病がある部位では増加するのですが、それでも3%前後の報告となっています。決して多いとはいえません。

しかしながらこういった状態でも虫歯や歯周病は起こってきているんです💦。全体の細菌数からすると割合が多いとはいえませんが、それでも病気を起こすには十分なのでしょう。ちょっとの差が大変な差になってあらわれるんですね😞。恐い、恐い。

そしてさらに注目すべきは他のばい菌達です🦠。実はSM菌やPG菌が増えてくると、疾患の進行とともにあるばい菌種は増加し、あるばい菌種は減少することがわかっています。つまり虫歯や歯周病の原因となるばい菌だけが変化するわけではなく、ばい菌全体の割合が変化していくのです。そうして虫歯になりやすい環境、歯周病になりやすい環境を整っていくことがわかっています。

お口の中のばい菌は非常に複雑なネットワークを構築しています😅。虫歯や歯周病を予防するのに、特定のばい菌だけに注目していても難しく、もっと大きな視点でみていく必要があります。実際、SM菌が多いという検査結果がでた方でも虫歯の少ない方はいますし、SM菌が少ないという検査結果がでても虫歯が多い方はいるのです。参考程度にしかならないと思っていいでしょう。

そのため現在お口の中のばい菌に対する1番の対策は歯磨きとなっています。虫歯や歯周病の原因菌だけでなく全体の細菌数を減らすことができ、誰でもできる大変優秀な手段です😊。しっかりやってくださいね。

 

入れ歯の限界!入れ歯で苦労する方とは!②

さて①では入れ歯に対しての考え方や、その方の性格などで入れ歯に苦労したりしなかったりするお話をさせていただきました。②ではお口の中の状態によって入れ歯の難易度が変わるお話です。こんなお口の中は入れ歯で苦労することが多くなります。

☆ご自身の歯が少ない方💧

やっぱり大きい入れ歯の方が小さい入れ歯より難しくなることが多いです。

☆歯並びが悪い方💧

部分入れ歯ではご自身の歯にバネをかけます。歯並びが悪いとこのバネの向きに制限がかかり、うまくかけるのが難しいときがあります。人工の歯をどうやって並べるかでも悩むことが多いですね。

☆ご自身の歯で咬むとすれ違っている方💧

すれ違い咬合と呼んでいます。例えば下は前歯だけ、上は奥歯だけしか残っておらず、咬んでもご自身の歯では咬めない方です。入れ歯に強い力がかかりやすく、痛みがでやすい、また入れ歯の破損も多い咬み合わせです。ご自身の歯と歯で咬む所があると、そこがストッパーになってくれるんですよ。

すれ違い咬合とは少し異なりますが、上下どちらかしか歯が残っていない場合も難しくなります。多いのは下の前歯だけ残っているパターン。上は総入れ歯となりますが、どうしても前で咬んでしまい痛みがでやすく、かつはずれやすいです😅。

☆咬む力がもともと強い方💧

入れ歯になる前に咬む力が強い方も、痛みがでやすくなります。そう簡単にもともとの癖は抜けません。特に下の舌側の骨がでっぱった方はいらしゃいませんか?これは下顎隆起といって、咬み合わせが強い方にみられます。これがあると、咬み合わせが強いうえ、この下顎隆起自体も入れ歯の邪魔になることがあり苦労します💦。

☆顎の骨の吸収が激しい方💧

顎の骨は入れ歯を支えてくれています。その骨が少ないと痛みが出やすく、安定しにくいです( ノД`)シクシク…。

☆お口が乾燥している方💧

お口が乾燥している方は本当に難しいです。唾液はお口の中の潤滑油、入れ歯にとっても重要です。痛みがでにくくなるだけではなく、ひっつきもよくしてくれます。唾液が少ないのは本当に、、、、、ああー_| ̄|○。

☆嘔吐反射の強い方💧

上顎の奥をさわるとオエッとなりませんか。これを嘔吐反射と呼んでいます。正常な反射なのですが、これが強すぎると入れ歯の設計に制限がでます。そもそも型取りから難しくなります。

さていかがだったでしょうか。1人1人考え方や性格は違いますし、お口の中の状態も異なります。入れ歯はそういったものを加味して、作っていかなければなりません。個人的にはインプラントより難しいと思っています💦。

もちろんまずは入れ歯にしなくてすむようにしていただきたいと思いますが、どんな歯の無くなり方にも対応できる最後の砦でもあります。私自身、入れ歯の知識・技術をより深めていきたいと思いますし、みなさんも知っていただければ幸いです。

 

 

 

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