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マイナ保険証、医療費10割請求相次ぐ! そもそも医療保険制度ってどうなっているの?

さて、今回はこのニュースから。まあ、医療従事者からすると、「そうなるよね。」としかいいようがない。想定内すぎて涙がでるレベルです😢。もちろん厚生労働大臣もわかっていたと思いますし、厚生労働省の方々も予測していたと思いますよ。優秀な方々ですからね。

 

それで対策を打つとのことですが、対策ってもう決まっていますよね。

①、マイナンバーカードと保険証の紐づけを早く正確にする。そして、

②、通信機器の不具合がでないように、また不具合が起こったとしても修理や取り換えがすぐにできるように準備する。

③、どうしてもマイナンバーカードで保険証確認ができないときに備えて専用の窓口(電話などでただちに保険証を確認できる。)を設置する。

④、不利益があれば国側が責任を持って対応する。この4つだけですよ。まさか、マイナンバーカードで保険証確認ができなくても保険診療を行うような通達を出したりしないでしょうね。いや、やりそうで怖いな🥶。基本現場のことは何も考えてないからですね( ノД`)シクシク…。

 

まあ、それだけやってもトラブルが増えるのは目にみえています。なぜならトラブルとなる原因やその所在が増えますし、「トラブルの責任がどこにあるのか?」が曖昧になってしまうからです。患者さんと医療従事者、双方ともにとって納得できない場面が増えるのは間違いありません💧。

 

どういったことでしょうか❓それを知るには現行の医療保険制度を知っておく必要があります。簡単にですがみていきましょう😊。

 

まず、医療保険制度を知る上でかかせない大きな3つの柱についてです。それは【被保険者】、【保険者】、【保険医療機関】です。それぞれが何をしているかを説明していきます。

 

【被保険者】(患者さんともいってもいいかもしれません。)

 

保険証を持っている方々のことです。つまりここでは皆さんのことと思っていただいてかまいません。【被保険者】は【保険者】に保険料を納め(給与からの天引きが多いですよね😢。)、保険証を発行してもらいます。保険証を発行する際には、本人確認のため、住民票の添付が必要になることが多いですね。そして発行してもらった保険証を持って【保険医療機関】を受診すると、保険診療を受けることができます💉。ちなみに保険診療での自己負担金は実際にかかる医療費の1割から3割となっています。これは年齢や収入などで変わります。

 

【保険者】

【被保険者】から保険料をいただき、本人確認をした上で保険証を発行しています。保険資格が無くなれば保険証の回収も行います。また、【被保険者】が受けた医療費の残り(実際にかかる医療費から自己負担金を引いた分。)を【保険医療機関】へ支払います💰。

 

【保険医療機関】

 

一般の歯医者さんはここに属します。【被保険者】の方から保険証の提示を受けて確認したのち、保険診療を提供します💉。その際、実際にかかる医療費の一部負担金をいただきます。そしてかかった医療費の残り(実際にかかる医療費から自己負担金を引いた分。)を【保険者】に請求します。【保険者】への請求は総医療費の7割から9割となりますので、かなり大きいです💰💰💰。

 

ここで大事なのは、保険証の提示が無い、もしくは確認できない場合は保険診療を提供できないということです。その際は、今回問題となっている『医療費を10割請求。』となります。【保険医療機関】側としては総医療費の1割から3割となる自己負担金だけ受け取っても、残りの7割から9割を占める【保険者】への請求ができなければ大幅な赤字となります。そのための防衛策です💧。

 

では、現行の保険証制度の場合、『医療費の10割負担』が生じるのはどんなときでしょうか❓これは大きく分けて2つしかありません。

 

❶、保険証を忘れた。みつからない。失くした💧。

これはよくありますね。長く通われている患者さんですと、「変わってなければ次でいいですよ。」とすることもできるのですが(本当は駄目ですが、、、)、初めて来られた患者さんや、久しぶりの患者さんですとそうもいかない。保険証の確認ができるまで、かかった医療費の10割を一旦いただくようになります😢。ちなみにまれになんですが、そもそも無保険(保険資格なし。)という方も時々いらっしゃいます。もちろん保険診療はできません。

 

❷、保険証が届いていない💧。

これもよくあります。【保険者】に対し保険証の申請をしているがまだ届いていない状態ですね。異動の多い4月によくあります。この原因は、【保険者】の保険証発行に時間がかかっていることにあります。単純に【保険者】における事務手続きの遅れのときもあれば、申請書類の不備などで本人確認に時間がかかっている場合もあるようです。長い時は1ヶ月以上届きません。このタイムラグはどうにかしてほしいといつも思ってます。この場合も、長く通われている患者さんですと、「新しい保険証ができ次第持ってきてください。」、で済ますこともあるのですが(本当は駄目です、、、(再))、初めて来られた患者さんや、久しぶりの患者さんですとそうもいかず、医療費の10割を一旦いただくことになります😢。

 

さて、『医療費の10割負担』が生じる状況をみてみました。正直言って私達【保険医療機関】側も10割いただくのは心苦しいです。後で保険証を持ってきていただければ返金できますが、双方にとって手間がかかりますし面倒ですよね。ただ、❶❷とも原因については患者さん、もしくは【保険者】にあります。【保険医療機関】には一切非が無いというのが現在の状況であることがわかっていただければと思います😲。

 

ではこれがマイナンバーカードによる保険証制度になった場合に、『医療費の10割負担』がどんなときにおこるのかを考えてみましょう。

 

⓵、マイナンバーカードを忘れた。みつからない。失くした💧。

これは上記❶と一緒ですね。保険証がマイナンバーカードに変わっただけです。これについては減ることは無いでしょう。

 

⓶、マイナンバーカードと保険証の紐づけがされていない💧。

 

これは上記❷に相当すると考えていただければいいかと思います。とにかくここについては早く正確にやっていただきたいですね。ちなみに今回の騒動では紐づけがされていないだけでなく、まったく別人の情報が紐づけされていたようです😞。保険証でも時々名前や性別、生年月日などを間違えているときがあるのですが、さすがに別人は聞いてことがない。保険証と違ってみるだけで確認できない分タチが悪いです(# ゚Д゚)。

 

問題はここからです_| ̄|○。

 

⓷、【保険医療機関】における機械やインターネット回線の不具合💧。

 

【保険医療機関】にはマイナンバーカードを読み取る機械があります。この機械やそれを制御するパソコン、またインターネット回線が不具合を起こす可能性があります。すぐに復旧できればいいのですが、機械自体の故障となるとすぐにとはいきません。新しい機械の手配に時間がかかりますし、設置も大変です😢。実際当院に機械を設置する際、6時間程かかっていました。

 

不具合が起きている間、保険証の確認ができなくなります。いつ起きるかわからない不具合のため私達もなかなか打つ手が無いのが現状です( ノД`)シクシク…。しかしこの場合は、【保険医療機関】側に非があることなってしまいます。患者さんにはまったく非はありません。そうすると10割を一旦いただくことや、再度マイナンバーカードを持っていただくことはより気が引けます💦。患者さん側も納得できないでしょう(# ゚Д゚)。トラブルは確実に増えます🥶。

 

⓸、マイナンバーカードを管理するサーバーの不具合💧。

これもそのうち大規模なものが起こりそうですよね。患者さんはもちろん、【保険医療機関】にもなんの非もありません。管理する国側に非があるということになるのですが、国側はマイナンバーカードによって生じた不利益に関しては基本関与しないと明言しています

患者さんは納得できないでしょう。それでも、一旦10割の医療費をお支払いしていただき、再度マイナンバーカードを持って来てもらわないといけないでしょう。トラブルは増えますよね。

 

いかがでしょうか。他にも顔認証がうまくいかなかったり、暗証番号を忘れたり、はたまた大規模な通信障害なんかも考えられます。確実にトラブルの原因が増えてしまうのです。トラブルの原因の所在も増えますし、責任の所在も曖昧になったりします。これでトラブルが増えないわけがありません。

 

完璧とはいえませんが、そこそこうまくいっていた制度に国側が横やりを入れてきたわけです。新しい制度にする場合にトラブルは付きものなのもわかります。ただそれを最小限にする努力と、せめてでてきたトラブルには責任をもって対応していただきたいものです😢。現場としては、本業に集中させてもらいたいというのが本音です。大きな病院ですとそういった係の方がいるかもしれませんが、小さな医院では院長が対応することになります。大変なんですよ。そいった知識に詳しいわけでもないですからね。

 

まあ、今回の締めの言葉はこれですね、

事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ

ですよね。