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歯科の豆知識 Q&A 一覧

いつも咬んでるのっておかしいの?お口ポカンは?

みなさんリラックスしている時、上下の歯は咬んでいますか?それとも咬んでいませんか?唇はどうでしょう?唇は自然に閉まっていますか?それとも空いて、お口ポカンになっていませんか?

まずは正常な状態からです。

リラックスしている時、上下の歯の状態は、咬んでいないのが正解です。お口の周りの筋肉が働いていないとき、前歯において2mmから3mm程上下の歯が開いているのが正常。これを安静位空隙と呼んでいます。人によって若干の差はあるのですが、上下の歯がいつも咬んでるという方は、要注意です😞。いいことは何1つ無いといっても、過言ではありません。

では唇はどうでしょう。唇は歯と違って閉まっているのが正解です。いつもお口が開いている方はいませんか?こちらも要注意です。先程と同じで、いいことは何1つありません。

では何が悪いのかをみていきましょう。まずは歯からです。

〇常に咬んでいると何がわるいの?

上下の歯が咬み合うのは、本来食事の時が中心となります。力をいれたり緊張した時に一時的にグッと咬むことはあっても、リラックス時に上下の歯は離れていなければなりません。では、いつも咬んでいると何が悪いのでしょうか?

☆顎が疲れやすくなります💧

顎が休まる時がありませんからね。常にまわりの筋肉や靭帯などが緊張している状態です。疲れますよね。よくいわれる顎関節症の原因にもなります。

☆歯への負担が大きいです💧

歯へも大きな力がかかっています。歯がすり減ったり欠けたり、詰め物や銀歯も取れやすくなったりします。ときには歯の根っこが折れて抜歯になることもあります。ちなみに歯のこういった破折は、歯を失う原因の17.8%を占めます。もちろん虫歯で歯が減っていることも大きな要因ですが、あなどれない数値ですよね😅。

 

☆歯ぐきへの負担が大きいです💧

歯を支えている歯ぐきにも大きな力がかかってきます。当然歯ぐきも傷みやすくなります。歯を支える骨を減らしてしまう歯周病も進行しやすくなってしまうんです。歯周病は歯を失う原因の37.1%を占めます。咬む力に歯を支える力が負けると、咬むごとに痛みがでてくるため抜歯を余儀なくされます。

 

☆悪くなる時は急激に悪くなる💧

歯や歯ぐきに負担が大きいことは前述しました。そのため1本の歯が悪くなって無くなると、周りの歯や歯ぐきの負担が一気に増加します。ぎりぎり耐えていた残りの歯も急激に状態が悪化、抜歯となっていくことが少なくありません。歯並びが悪い方は特に注意が必要です。

実はこの咬む力というのは結構大きいです。食事をする時でも、自分の体重と同じぐらいの力がかかっています😲。これだけの力が、咬み合い始めてからずっとかかっています。また、普段から上下の歯が咬んでいる方は、寝ている時も歯ぎしり、食いしばりをしていることが多いです。これも、程度の問題はありますがよくありません。どうですか?24時間自分と同じ体重がかかっている状態を想像してみてください?大変なんてもんじゃないですよね😅。

普段から上下の歯が咬み合っているといいことはまずありません。咬み合っている方は意識してお口の周りをリラックスするよう心がけてみてください。日中はある程度自分で防ぐことはできると思います。なかなか難しい方や寝ている時の歯ぎしり・食いしばりが強い方はマウスピースも考えてもいいかもしれないですね。考えている以上に咬む力の影響は大きいですよ🥶。

さて、次は唇についてです。

 

〇お口ポカンは何が悪いの?

唇が開いているのは、食べる時やしゃべる時、あくびをするときなどです。普段リラックスしている時、何もしていない時は閉じているのが正常です。お口ポカンというとかわいいイメージもあるかもしれません。でも、これ、立派な病気なんです😲。「口唇閉鎖不全症」といいます。そのままですね。病気ということは悪いことがあります。では、どんな悪いことがおこるのかをみてみましょう。

 

☆お口の中が乾燥しやすくなります💧

乾燥しやすくなるだけかって思いませんでしたか?実はこれ結構大変です。お口の中は常に唾液で守られています。この唾液がすごいんです。お口の中やお口の周りをスムーズに動かせるようになり、しゃべりやすくしてくれますし、食べ物を飲み込みやすくしてくれます。これを潤滑作用といいます。さらにお口の中を清潔にしてくれる自浄作用、お口の中を一定の状態に保ってくれる緩衝作用。その他にも細菌やウイルスに対する抗菌作用、歯に対する保護や再石灰化作用、歯ぐきなどの粘膜に対する保護作用、消化作用などなど盛りだくさん。普段意識しないかもしれませんが、唾液は超高性能。お口が乾燥しているということは、これらの作用もうまく働かなることを意味します。実際、唾液がゼロになると、お口を使う日常生活はまともにできなくなると言われています。お口ポカンで唾液がゼロになることはありませんが、いろいろなところで悪影響がでると思っていただいていいかと思います😞。

 

☆虫歯や歯周病になりやすくなる、口臭にも注意💧

これも唾液の作用に関係があります。唾液による自浄作用や緩衝作用、歯への再石灰化作用、歯や歯ぐきの保護作用、虫歯菌や歯周病菌に対する抗菌作用などが弱まり、虫歯や歯周病が進行しやすくなります。お口の中の細菌数が増えやすくなるため、口臭もしやすくなります。

 

☆風邪にかかりやすくなる💧

お口ポカンな方はお口で呼吸をする口呼吸であることがほとんどです。呼吸は鼻で行う鼻呼吸が正常です。鼻呼吸の方は鼻がフィルターの役割をしてくれるため風邪の原因となるウイルスの侵入を防ぐことができますが、口呼吸の方はこのフィルターが作用しません。体内にウイルスが入り込みやすく、風邪にかかりやすくなります。

 

☆歯並びや咬み合わせに影響がある💧

歯並びや咬み合わせはお口の周りの筋肉の影響を強く受けます。お口ポカンな方はお口の周りの筋肉のバランスが悪くなっていることが多く、歯並びや咬み合わせが悪くなっていることが多いです。

 

☆顔貌や姿勢に影響がでる💧

歯並びや咬み合わせとも関係しますが、顎や顔面の形態や成長にも悪影響がでることがあります。特徴的な顔貌(アデノイド顔貌、くわしくは検索を!)や息がしにくい場合は猫背になったりします。

どうでしょうか?結構いろいろな問題がでてくるんですよ。では原因や対策を見ていきましょう😊。

まず確認していただきたいのは鼻で呼吸できるかどうか。鼻が悪くて鼻呼吸できない状態なら、お口で呼吸するしかありません。お口ぽかんでないと死んでしまいます。この場合はまず耳鼻科への受診を考えてください。

それ以外の原因はお口の中にあることがほとんどです。特に多いのはお口の周りや舌の筋力低下。わかりやすいのはお口を閉める筋肉でしょうか。お口を閉じるのに関係する筋肉の力が弱ければ、お口ポカンになりやすくなります。単純ですよね( ノД`)シクシク…。その他にも、舌の下に舌小帯と呼ばれる筋が走っているのですが、この張りが強すぎて舌がうまく動かせないことも原因となります。また、飲み込む時などに変な癖がある場合もありますね。

お口の中の原因をまとめると、①お口の周りや舌の筋力の低下、②筋肉をうまく動かすことができない、の2つに集約されます。これに対する対策はトレーニングになります。①の筋力低下に関しては自分でできることも多いです。有名なのは「あいうべ体操」ですね。よく咬んで食べることも大事です。他にもいろいろありますから調べてみてください。②については自分だけでは難しいことも多いです。見せていただければ必要な処置を行ったり、その状態に特化したトレーニングを紹介できるかと思います。

さて最後にお口の正常な状態をもう一度確認しましょう。唇は閉じていて、上下の歯は咬んでいない、です。確認してみてくださいね😊。

給食後、30分歯磨きしては駄目ですか?

本日はこの質問です。一時期テレビなどでも話題になりましたね💦。食後すぐに歯磨きをすると、歯が削れやすいのでやめましょうというもの。30分は時間をおいて歯磨きをしたほうがよいと言われていました。当時はお子さんを持つお父さん、お母さんはもちろん、学校の先生からも聞かれたりしたものです。さて、その真意のほどはいかに?

 

結論から言いますと、給食後にすぐに歯磨きをしても何の問題もありません。いままで通りで大丈夫です😊。では、なぜこんな話になってしまったのでしょうか?

 

このようなことが話題になったのは、「酸性食品接種後すぐに歯磨きをすると歯がすり減ってしまう危険性が高まる」、という報告が欧米を中心に報告されていたためです。注意していただきたいのは、『食事』ではなく『酸性食品』となっている点です。この『酸性食品』がいつの間にか『食事』にすり替わってしまったのです😲。

 

実際に歯が酸で溶けていく病気はあります。酸蝕症と呼ばれており、以前はメッキ工場やガラス工場で出る酸性のガスを吸うことによって起こる職業病の1種でした。現在では酸性の食べ物や飲み物の過剰摂取が1番の原因となっており、生活習慣病と言ってもいいかもしれません。酸性の飲食物として例をあげると、レモン・コーラ・サイダー・栄養ドリンク・ビール・梅酒・赤ワイン・柑橘類・酢・もづく・スポーツドリンクなどたくさんあります。その他の原因としては逆流性食道炎、拒食症などで嘔吐を繰り返す方にもみられます。胃酸は強い酸性ですからね💧。酸は歯の大敵です。

 

実はこの酸蝕症、欧米人の方が日本人よりずっと多いと言われています。つまり上記の報告をもう少しくわしくすると、「酸蝕症の多い欧米人が酸性食品を食べた後に歯磨きをする」、という条件付きでの話となります。ただ食事をしただけとういう話ではありません。しかも酸蝕症の原因が食後すぐの歯磨きであるのかどうかは、はっきりしていなかったりします。

 

日本人は欧米人に比べて酸蝕症の方は少ないです。今後は増えていく可能性がありますので、その方の歯の状態や食べる物によっては食後の歯磨きに注意が必要になるかもしれません。しかし、給食に関してはまず大丈夫と言っていいかと思います。お子さんで酸蝕症になっている方は大人の方よりさらに減ります。また、給食でそんな酸性の食べ物ばっかりでてくることはありません。なによりイギリスで出版されている酸蝕症の教科書「Dental Erosion」でも、「一般に食後すぐに歯を磨くべきである。」と注意されています😊。時代とともに歯磨きの仕方も変わったりするのですが、今のところ、食後すぐに歯磨きしても問題はありませんよ。

要観察歯?初期虫歯?どうするの? 学校検診で言われる言葉の意味は?

学校歯科検診の時期ですね。例年4月から6月の間に行われることになっており、この時期になると学校から歯科検診の結果を受け取ったお子さんがたくさん来られます。実は学校歯科検診できちんと判断するのは難しいです。虫歯と判定されていても、治療の必要がないことはよくあります。逆に、虫歯は大丈夫と判定されていても、虫歯になっていることもあります。明らかに穴が空いている場合なんかはわかりやすいですが、1人1人にかける時間が短く、見にくいこともあり、よくわからないときもあるんですね😞。心配ならやっぱり歯医者さんでしっかりみてもらうことをおすすめします😊。

 

さて、この学校歯科検診ですが要観察歯という項目があります。これについての質問は大変多い💦。今回はこの要観察歯とはいったい何か、どうするのかを見ていきましょう。

 

要観察歯はCOと呼ばれます。これはCaries Observationの略です。Cariesは虫歯、Observationは観察です。そのままですね💧。そしてこれにはほぼ同じ意味を表す言葉があります。それが初期虫歯です。では、この要観察歯や初期虫歯といわれている歯はどういった状態なのでしょうか。

 

これは歯の表面が白くなったり、茶色くなっているだけの状態です。穴にはなっていないけれども、すでに虫歯が始まっている、なりかけているというサインなんです。最初は表面がスムーズなまま白っぽくなり、エアーなどで乾かすとよく見えるような状態です。少し進むと、白っぽくなっている表面がちょっとざらざらした感じになってきます。こうなると乾かさなくてもよくみえます。もっと進むと茶色くなり、さらに進むと小さな穴があいていわゆる虫歯となります。

 

穴があくと物がつまりやすくなり、虫歯菌が溜まりやすくなります。歯ブラシも届かなくなり、虫歯の進行が急速に早くなります。そのため詰める治療などが必要となってしまいます。

 

それでは、この要観察歯や初期虫歯と言われたときにどうすればいいのか?まずは私達歯医者さんにみせていただければと思います😊。実は歯の色が変わっている場合、他の原因で起こっていることがあります。まずは本当に要観察歯、初期虫歯なのかを判断します。この判断を、学校歯科検診だけできちんとするのは正直難しいです。では歯の色が変わっている場合、虫歯以外でどんなことが考えられるのでしょうか。

 

  • 形成不全💧

これも歯の表面が白くなっていたり茶色くなっていたりします。歯の色が変わっている部位は、歯の質が弱いことも多く注意が必要です。ひどい時は歯の一部が欠けたようになっている場合もあり、虫歯と同じ対応が必要になることも💦。しかし虫歯とは違います。

 

これは歯が作られるときに、なにかしらミスをしてしまっている状態、もしくは外傷や炎症など外部からの要因により起こっています。部分的に起こっている時もあれば、全身疾患などで全体的にみられる時もあります。特徴としては虫歯になりにくい歯の先の方で起こることが多いですね。歯が作られる際に歯の先の方から作られますが、その作り始めでミスしやすいためです。戸惑ってるのかな?

 

基本的に色が変わっているだけなら、治療の必要はありません。しかし前述した通り、歯の質が弱いことが多く注意が必要であり、歯の一部が欠けてれば詰めるなどの治療が必要です。虫歯ではありませんし、初期虫歯とも違うのですが、それらと同じ対応が必要となる要観察歯であるといえます💦。

 

  • 着色💧

歯の表面についている付着物です。ステインとか茶しぶなんていうこともありますね。人によって付きやすさが違いますが、基本的に見た目以外の害はありません😊。歯ブラシでとるのは困難ですが、歯科医院専用の清掃器具ならとることができます。ただ、奥歯の歯の溝についているものは完全に取り切れないことがあり、学校歯科検診でひっかかる場合があります。

 

  • 詰め物の変色

虫歯が小さめの時は白い詰め物で治療を行います。この詰め物、歯より着色が付きやすく、時間が経つと変色してきます。欠けたりはずれたりしてなければそのままでも大丈夫なのですが、これも学校歯科検診でひっかかる時があります💦。

 

  • 虫歯の進行止め💧

こどもの歯でよく用いられますが、サホライドという虫歯の進行止めがあり

ます。強い虫歯進行抑制作用があるため、治療の難しい小さなお子さんに使うことが多いです。大変有用なお薬なのですが、1つだけ欠点が、、、。塗った部位が黒くなってしまいます😞。そのため大人の歯には基本的に使いません。歯の色自体が黒くなっており、自然に良くなることはありません。特に治療の必要はないのですが、ずっと残っているため学校歯科検診で引っかかる事があります💦。

 

  • 何か詰まっていたのかな?💧

意外に多いです。上記のような問題も含めて、まったくなんともないのにも

かかわらず、学校歯科検診で虫歯と判定されている場合です。学校歯科検診の時に運悪く何かつまったりしていたのかもしれませんね😅。もちろん治療の必要はありません。

 

さて、いかがだったでしょうか。一口に歯の色が変わっているといってもいろいろな原因があります。学校歯科検診だけではその判断までは正直むずかしい時もあります。指摘を受けたり、気になる所があれば、1度みせていただくのが1番です。では次に、要観察歯や初期虫歯であった場合どうするかです?

 

まず基本的に削っての治療は必要ありません。じつは一昔前まではけっこう

この状態でも削って治療していたんです。COという判定もありませんでしたしね。しっかり削ってしっかり詰めるのが大事と考えられていたんです。でも歯を削って詰めても。いつかは治療のやり直しが必要となります。それだったら治療の始まりはできるだけ遅くした方がいいわけです。そういった反省のもと、穴が空いてしまう前に対策をし、虫歯の進行を止め、歯を守っていこうという考え方に変わってきたんですね😊。では要観察歯や初期虫歯を削って治療しない方がいい理由について挙げていきましょう。

 

☆もとの正常な状態に戻ることがある🎇

毎日の歯磨きをしっかり行い、定期的クリーニングやフッ素塗布を行うことで、時間はかかりますがもとどおりの歯に戻ることがあります😊。フッ素洗口やポスカエフのような水溶性カルシウムを含んだガムを咬んでもいいですね。不規則に食事やおやつを食べたり、だらだら食べたり飲んだりするのはやめましょう。これまでと同じ環境では、必ず悪くなってしまいます。少しでも虫歯になりにくい生活スタイルに変えていきましょう。もとどおりの歯に戻らなくても、悪くならなければ大丈夫ですよ👍。

 

☆健康な歯を削らずに済む🎇

要観察歯や初期虫歯は穴が空いていない状態です。もちろん色が変わっている部分を削って埋める治療はできるのですが、詰め物で埋めるためにある一定以上の厚みを確保しなければなりません。この厚みを確保するために、健康な歯を削る必要があるのです😲。つまり虫歯の状態がもう少し進んで、穴になった後に治療しても削る量はさほど変わらないということになります。先程も述べましたが、治療をしても時間が経てば必ず再治療が必要になる時がやってきます。それであれば治療の始まりはできるだけ遅くした方がいいに決まっているんです。ましてや健康な歯を削ってまで、治療の始まりを早めるなどありえません(# ゚Д゚)。特に歯と歯の間の虫歯、小さいうちは健康な歯を削らないとアクセスできないことが多いです。その方の虫歯のリスクなどを考慮し、慎重に治療に入る時期を見定めます。結構難しいですよ😊。

 

要観察歯や初期虫歯は削っての治療は必要ありません。しかしそのまま何もしなければ必ず悪くなってしまいます。悪くならないようすべきことはたくさんありますし、悪くなった場合に削っての治療に入るかどうかも慎重に見定めなければなりません。それが将来歯の寿命に大きく関わってきます😲。そのためには定期的な観察が必ず必要となります。まさに要観察です。穴が空いていないから、削る必要がないからと安心せず、将来歯がどうなるかの瀬戸際に立っていると考えていただければと思います。歯医者さんと一緒に大切に守っていきましょうね。

歯ブラシをあてる強さって?

今回は歯ブラシのあてる強さについてです。

 

これを私達はブラッシング圧と呼んでいます。歯ブラシを当てる角度や動かし方も大事なのですが、このブラッシング圧もかなり重要な要素です。少しみてみましょう😊。

 

まずは理想的なブラッシング圧からです。これは150gから200gといわれています。ハカリなどに歯ブラシを押し当ててみてください。以外に軽いタッチなので、驚かれるかもしれません。お口の中の汚れを取る時のイメージとしては、ゴシゴシこすって取るのではありません。毛先ではじくようなイメージなんです。このため歯ブラシのコシは大変重要で、毛先が開いたりしてきたらすぐ買い替えることをおすすめします。かなり汚れの除去効果が落ちてしまいますので。

さてこのブラッシング圧ですが弱くても強くても駄目です。それぞれ何が駄目なんでしょう?

 

☆ブラッシング圧が弱いと💧
単純に汚れがとれません( ノД`)シクシク…。

☆ブラッシング圧が強いと💧
汚れはまずまず取れるでしょう。しかし歯や歯ぐき、歯ブラシに強い力がかかることでいろいろと悪いことが起こってきます。

歯ぐきが下がりやすくなります
歯ぐきを傷つけやすく、結果として歯ぐきが下がりやすくなります。歯ぐきが下がる要因は年齢や歯周病、咬む力などいろいろとありますが、このブラッシング圧が強いというのは結構大きな要因なんです。歯ぐきが下がっている方は、ブラッシング圧を一度見直してみてください。

歯が削れてきます
特に歯ぐきが下がっている方はより注意が必要です。歯の頭の部分はエナメル質という非常に硬いもので覆われているのですが、歯ぐきが下がってみえてくる歯の根っこの部分はこのエナメル質がありません。それでも骨と同じぐらいの硬さはありますが、毎日強い力で磨いているとだんだん削れてきます。歯ぐきの近くの歯がくぼんだりしていませんか?これをくさび状欠損と呼んでいます。これがある方はブラッシング圧が強い方が多いです。また咬み合わせが強いことも多いですね。
虫歯や歯周病とは違いますが、歯やはぐきが無くなっていることは変わりません。状態によってはしみたり、痛んだりしてきます。知覚過敏なんていわれていますね。知覚過敏もいろいろな原因があるのですが、前述した歯ぐきが下がること、そしてくさび状欠損は原因として大きな割合を占めます。

歯ブラシがすぐに駄目になります
汚れを落とす力もすぐに無くなります。経済的にも時間的にも無駄になってしまいます。
さて、お口の中をみてみましょう。歯ぐきや歯にそういった所見はありませんか。あればすぐにブラッシング圧をチェックしてみてください。150gから200gですよ!

 

ほかにも、歯ブラシの持ち方はどうでしょうか?グーで握っていませんか?歯ブラシの持ち方はペングリップですよ。

いわゆるペンを持つときの持ち方ということです。グーで握ると自然と力が入ってしまうので注意が必要です。

でもこのブラッシング圧、なかなか難しいんですよ。わからないことがあればいつでもご相談くださいね。

歯の溝を虫歯から守ります!その名はシーラント

みなさん歯ブラシがんばっていますか?虫歯や歯周病にならないよう日々精進していますでしょうか?私も日々頑張っています😊。

 

ではこの「シーラント」、どれくらいの予防効果をもつのでしょうか?報告によると、4年以上で約60%の虫歯予防効果が認められています。結構高くないですか😊?また、フッ素との併用によってその予防効果はさらにアップすることがわかっているのですが、この「シーラント」自体がフッ素を含んでおり、少しずつフッ素を放出してくれたりするんです。さらに条件付きですが、保険適応となっています。うん、完璧ですね。

 

 それでは「シーラントの」手順です!

  • 歯の溝をきれいにします。

専用のブラシや超音波などを用いて機械的に、さらに薬液を用いて化学的にきれいにします。歯を削る必要はありません。これ重要ですよね。

 

  • 「シーラント」がしっかりくっつくようにノリを塗ります。
  • 「シーラント」を歯の溝に隙間なく入れて、固めます。

 

光をあてて固めるタイプ、時間で固まるタイプのものがあります。当院では患者さんの状態にあわせて適した方を用いています。大事なのは小窩裂溝をしっかりと埋めて、汚れが入らない、溜まらない様にすることです。

 

どうでしょう?処置としてはそんなに難しくありません。小さなお子さんでもできる処置なのも高評価ですね。実際当院では2才頃から行っているお子さんもいらっしゃいます。

 

では次に、この「シーラント」が適した方々についてです。

☆虫歯のリスクが高い方💧

やっぱりこれですね。それを減らすためにやるんですからね。特に1才から3才頃、早期から虫歯になりかけていたりすでになっているお子さん、そして小学生で子供の歯に虫歯がたくさんあったり治療を受けているお子さんです。

 

☆出てきたばかりの歯がある方💧

出てきたばかりの歯は実はちょっと弱いんです。さらにまだ摩耗していないため、デコボコも大きい状態。虫歯菌の産生する酸に弱く、汚れも溜まりやすい。そして磨きにくいの3重苦なんです( ノД`)シクシク…。歯がでてきて成熟するまで(大体3年から4年ぐらいでしょうか。)、しっかり守ってあげましょう。特に大人の歯で6才頃にでてくる6才臼歯(第1大臼歯)と12才頃にでてくる12才臼歯(第2大臼歯)。この2つの歯は将来本当に悪くなりやすい😞。でてきた時から将来に向けてしっかり準備していきましょう。もちろんフッ素の併用や歯ブラシもちゃんとすることも忘れずに。

 

こういった方々は積極的に「シーラント」をすることをおすすめします。逆に虫歯のリスクが低い方や、歯がでてきて時間が経っている(3年から4年以上)方は、しなくてもそんなに虫歯になるリスクは上がりません。私達、歯医者さんもやみくもにこの「シーラント」をするわけではありません。効果が十分に見込めるか、必要性を十分に判断して行っています。

 

 

さて、この「シーラント」ですが悪い噂もあります。それが、「シーラントをするとかえって虫歯になりやすい」というもの。実はこれ、全くそういう事実はありません。

 

気を付けておくことは シーラントが欠けたり取れたりしていることに気が付かず油断していると、汚れが溜まって虫歯になってしまうということです。「シーラント」自体が虫歯の原因になることありませんのでご安心ください。「シーラント」も咬んでいる限りすり減ったり、取れたり、欠けたりすることがあります。そのため処置後の定期検診も大事です。「シーラント」に異常がないかをしっかりチェックをしてもらうようにしましょう。

 

フッ素塗布や歯磨きの確認も兼ねて一石三鳥ですよ。虫歯になりやすい時期を乗り切っていきましょう😊。

 

適切な時期に正しく使えば「シーラント」の虫歯予防効果は絶大です。虫歯になる時期が早いか遅いかは、将来お口の中に大きな差がでます。是非活用していきましょうね。

 

 

歯磨きやフッ素はいつからしたらいいですか?‐お母さんからいただく質問より

さて今回は赤ちゃんがお産まれになったお母さんからよく聞かれる質問から😊。

それは「歯磨きやフッ素塗布はいつから始めたらいいですか?」というものです。

 

正解からいいますと、「歯が生え始めたらすぐにでも!」です。

 

最初にでてくるこどもの歯は下の前歯で、産まれて半年ぐらいででてきます。この頃は飴やチョコレートなどの甘い物はもちろん、離乳食も始まっていない時期ですよね。歯磨きフッ素塗布なんて必要ないと思われるかもしれません。それでも始めた方がやっぱりいいです。歯磨きとフッ素塗布、それぞれした方がいい理由をみていきましょう😊。

 

☆歯ブラシをしてあげましょう

 

出てきたばかりの歯は実は少し弱いんです。おっぱいやミルク、少し大きくなって離乳食が中心とはいえ、歯の表面や歯と歯の間には汚れが溜まります。とくに哺乳瓶やマグがいつもあたる前歯は気をつけてください!哺乳瓶カリエス(ボトルカリエス)というものがあるぐらいです🍼。特に1才半を過ぎて哺乳瓶を使っているお子さんは要注意。くわしくは検索してみてくださいね。

 

歯ブラシとフロスを使っていただくのが理想ですが、赤ちゃんが動き回って難しいこともあるでしょう。困っているのなら歯と歯の間はフロスをして、あとはガーゼで拭いてあげてください。ただし奥歯が出てくる頃にはガーゼは卒業です。汚れが溜まりやすい奥歯の溝はガーゼで磨けません。歯ブラシが必須となります。

 

この頃から歯ブラシをした方がいい理由としては慣れもありますね。反抗期が始まってから急に歯磨きを始めてもなかなかうまくいかないことが多いです。下手したら歯磨きが嫌いになってしまうときもあります。赤ちゃんの頃からお口の中をさわられることに慣れさせておくことが大切です。なんなら歯がでてくる前から遊びをかねてさわってあげてください。吸ってもらったり、唇や頬を引っ張ってあげたりなんでもいいです。ふれあいもできて一石二鳥ですよ。

 

☆フッ素塗布をしてあげましょう

 

次はフッ素塗布。こちらは歯がでてからで大丈夫です。歯がでていないと意味がありません。先程も書きましたが出てきたばかりの歯は少し弱いんです。でもフッ素の取り込みも高くなります。しっかり歯を強化してくれるんです。これは出てきたばかりのおとなの歯にもいえますので、覚えておいていただければと思います。年齢に合わせたフッ素スプレーやジェル、歯磨き粉がありますので是非ご相談ください。うがい無しで大丈夫ですので、安心してお使いください。

 

当院には1才未満のお子さんもたくさん受診されています。まだ必要無いかもなどと思わず、気になることがあればいつでもいらしてください.

 

大事なお子さんのお口の中を一緒に守っていきましょう😊。

歯ブラシの選び方

今回はよく聞かれる質問についてです。

歯ブラシってどれがいいんですか?

実はこれ、なかなか難しい質問なんです。

お口の中の大きさや状態は人それぞれ、本来はオーダーメイドで作るべきものですが、そういうわけにもいかない。かといって私たちもすべてのメーカーの歯ブラシを使ったことがあるわけではないので、「あなたはこのメーカーのこれがいいです。」ともなかなかいえない。歯ブラシソムリエみたいな方が医院にいてくれるといいんですけどね。目指してみますかね。おすすめの歯ブラシは医院にて購入できますが、すべての人にあうわけではないのが現状です。

しかし、皆さんに共通して、これだけは押さえていただければというのはあります。1つ1つみていきましょう😊。

☆歯ブラシの硬さ・・・よく聞かれます!
これは『ふつう』や『ミディアム』で大丈夫です。歯や歯ぐきを傷つけることなく、歯と歯の間や歯と歯茎の間にも毛先が入りこみやすく、汚れをとる能力も高いですね。
『やわらかい』や『ソフト』は歯ぐきがかなり弱っている方、歯ぐきの手術をした後など、通常通り磨くと痛みがある場合などに使います。汚れをとるのには不利です。
一方、『かため』や『ハード』、汚れはとれるんですが、歯や歯ぐきを痛める可能性が高いです。また細かい所に入り込みにくく、歯と歯の間や歯と歯ぐきの間をきれいにするのには向きません。

★歯ブラシの大きさ・・・なかなか難しい、、、
こればっかりは人それぞれです。大きい方が汚れは取りやすくなります。しかし、大きすぎると歯ブラシが入れにくくなり、毛先があたらなくなります。特に、上下の奥歯の頬っぺた側と下の歯のベロ側、ここは入りにくい😞。ここにしっかりと入れることができる歯ブラシ、そして汚れをとることができる歯ブラシがおすすめです。難しい方は大きい歯ブラシと、小さな歯ブラシを併用するのもおすすめです。

☆歯ブラシの毛先の形・・・やまぎりカットや先細などいろいろありますね!
好きなので大丈夫です。毛先の形より、毛先が目的の位置にあたるかどうかが重要です。

☆歯ブラシの密度・・・最近は高密度のものが多いです!密度が高い方が汚れは取りやすいです。

★いつ買い替えるか・・・つい買い忘れますよね
毛先が開いたらというのはよく聞くと思います。ちなみに理想的な歯ブラシをあてる力は150gから200gです。ハカリなんかで一度計ってみてください。案外軽いタッチですが、これで歯ブラシの毛先が簡単にしなってしまうようでは駄目です。汚れはとれません。買い替えましょう。

しかしなんといっても大事なのは磨き方です。どんないい歯ブラシを使っても磨き方が悪ければ意味がありません。逆に、磨き方が良ければどの歯ブラシでもある程度大丈夫。【弘法筆を選ばず】ってやつですね。まあ、そこまで極める必要もないかと思いますので、皆さんも自分にあった歯ブラシをみつけましょう。ストレスなく汚れもスムーズに落とせることが理想です。
ちなみに歯と歯の間は、歯ブラシだけできれいにするのは難しいことがわかっています。どんなに理想的な歯ブラシでも、6割ぐらいしか汚れがとれないといわれているんです。良ければフロスや歯間ブラシ、タフトブラシなどの併用をおすすめします。

親子で歯や歯ぐきが悪いです!遺伝ですか?

親子は似た所がたくさんありますよね。似て嬉しい所もあれば、いやそこは似なくていいのにって所もありますよね😞。お父さん、お母さんでお子さんの悪い所はどっちに似たのかを言い争ったりしていませんか(笑)?うちもいい所は私に似てて、悪い所は副院長に似ているので困っています。でも、副院長はいい所は自分に似てて、悪い所は全部私のせいと言います。なんで、不思議不思議(笑)。では、虫歯や歯周病に関してはどうでしょうか。それぞれについてみていきましょう。

 

まずは虫歯と遺伝についてから。

 

〇虫歯と遺伝について💦

虫歯のなりやすさに関して、遺伝的な要素がまったく無いわけではありません。歯の硬さって人によってだいぶ違います。健康な歯を削って治療をしなければならないことがあるのですが、人によって削れ方が全然違うのです。すごく硬くて時間がかかる方もいれば、さくさく削れる方もいらっしゃいます。びっくりしますよ😲。また、虫歯のなりやすさでいえば、歯並びも問題になります。歯並びが悪い方の方が虫歯のリスクは高くなります。汚れが溜まりやすいですし、磨きにくくなりますからね。この2点については、遺伝的な要素があるといってもいいかもしれません。

 

しかし、虫歯はそもそも虫歯菌の感染によって起こる感染症です。虫歯菌が感染しなければ、どんな状況でも虫歯になりえません。親子で虫歯がいっぱいの場合、親から子へ同じ虫歯菌が感染していると考えられます。ですから感染をさせない、感染するにしてもできるだけ時期を遅らせることが大事です。特に1才6ヶ月頃から2才6ヶ月頃が最も感染しやすく、2才になる前に感染するのと、2才より後に感染するのでは将来大きな差がでます。実際にそれを裏付ける研究データがあります。

 

☆スウェーデン、イエテボリ大学の研究です。

2才前に虫歯菌に感染したこども → 4才時における虫歯の数 5.0

2才後に虫歯菌に感染したこども → 4才時における虫歯の数 0.3

 

おわかりでしょうか。2才を境に16倍近い差がでています😲。お子さんを虫歯にならないようにするには少なくとも2才までは感染しないよう気をくばる必要があります。ご家族みんなでお口の中を清潔に保ち、糖類は控えるか規則正しく摂取する、食器などは共有しないよう注意しましょう。親御さんに虫歯が多い場合は特に注意が必要です。

 

また、感染した場合もその後の生活が大きく影響します。ご家族ですと生活習慣はどうしても似てきますよね。間食が多くだらだら食べたり、いつも甘い飲み物を飲んでいたり、歯磨きが疎かだったり、歯医者さんに行く習慣が無かったり。こういった環境ですと、ご家族みんな虫歯に感染しやすく、また進行しやすくなってしまいます。当然お口の中も似てきますよね。

 

いかがだったでしょうか。虫歯については遺伝的な影響よりも、後の環境的な要因の方が大きいです。今日からでも、虫歯予防のためできることはたくさんあります。未来の自分、お子さん、お孫さん、そしてさらなる子孫のため虫歯予防始めてみませんか。

 

では次に歯周病と遺伝についてです。こっちの方が手強いですよ。

 

〇歯周病と遺伝について💦

 

歯周病のなりやすさにも遺伝は間接的ですが関わります。虫歯と同じで歯並びが悪い方は、汚れが溜まりやすく歯ブラシがしにくい分不利になるでしょう。また歯並びが良い方と、悪い方では支えることができる咬む力も変わってきます。これも歯並びが悪い方の方が不利になります😞。同じ咬む力がかかっていても、歯並びが悪い方の方が、歯を支える歯ぐきや骨へのダメージは大きくなります。咬む力は自分の体重と同じぐらいかかっているため、影響は小さくありません。さらに歯を支える骨の厚さや密度、からだの感染症に対する抵抗力なども関係します。こういったことは、遺伝的な影響があります。

 

ただやっぱり歯周病も感染症です。感染しなければ歯周病にはなりません。そのため対策は虫歯とほぼ同じになります。

 

しかし歯周病の場合、感染する時期が長いためより注意が必要です。虫歯は1才半~2才半ぐらいに大きな感染のピークがあり、感染する時期が2才を境目として、将来虫歯になる可能性が大きく変わりました。歯周病菌の感染は小学生から高校生、場合によっては成人になってからも起こります。従って本人、ご両親、おじいちゃん、おばあちゃんなど身近な方に加えてお友達やパートナーなどにも注意が必要です。お口の中がきれいな人と付き合うようこども頃から教えてあげてください(笑)。特にパートナー、夫婦でお口の中が似てきますよ。まあ誰から感染するにしても、感染する時期が遅い方がよいのは虫歯と同じとなります。

 

次に生活習慣、これも虫歯とおなじでとても大事になります。間食が多くだらだら食べたり、柔らかくて咬み応えのないものを好んで食べたり、歯磨きが疎かだったり、歯医者さんに行く習慣がなかったりすると、ご家族みんなが歯周病に感染しやすくなりますし進行しやすくなります。ちなみにタバコも要注意。吸っている本人だけでなく、周りにも影響があります。

 

ただ、何と言っても大事なのは歯磨きに対する意識でしょう。歯磨きも自分で行うようになりますから、幼少期からの動機付けが大事です。歯磨きをしっかりする習慣をつけること、定期的な検診を受ける習慣をつけていきましょう。まあ、反抗期もあって難しいですがね。

 

実は中学生や高校生になると、小学生の時と比べて受診率が下がります。仕上げ磨きもさせてくれなくなりますし、親御さんもお子さんのお口の中の状態の把握はできなくなります。お子さんの成長は喜ばしいことですが、歯周病まで成長させないようしたいですね😊。

 

ちなみにこの歯周病、2001年にギネスブックに登録されています。ギネスブックに実際に記載されている文章を抜き出すと、『全世界で最も蔓延している病気は歯周病である。地球上を見渡してもこの病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない。』となっています。感染を完全に防ぐのは難しいか😞。ただ、感染する時期を遅らせたり、お口の中に占める歯周病菌の割合を低くしたり、歯周病の進行を抑えることはできます。がんばりましょう。

 

いかがでしょうか。歯周病も遺伝的な影響がないわけではありませんが、後の環境的な要因の方が大きいです。ご自身やご家族、お友達やパートナーも含めて歯周病対策をしていきましょう。さあ、みんなで歯医者さんに相談だ!

 

歯を失う原因において虫歯は29.2%、歯周病が37.1%を占めます。破折が17.8%を占めていますが、これは虫歯などで残っている歯が少なくなったことに起因することがほとんどです。そう考えると歯を失う原因の8割以上は虫歯と歯周病で占められます。(その他は矯正のための抜歯や埋伏歯などの抜歯となります。)虫歯と歯周病、この2つを防ぐことは将来、お口の中で不自由しないためにとても大切になります。

 

虫歯菌、歯周病菌とも生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にはいません。虫歯や歯周病にかかっている方は、どこかで感染してしまっているんです。目にみえる相手ではないので、正直完全に防ぐのは難しい😞。あまり気にし過ぎるのも考えものですが、できることから取り入れていただければと思います。みんなでやっていけば、将来、子々孫々と虫歯や歯周病の感染を減らすことができるはず。自分のためはもちろんですが、それが未来の人達へと繋がります。さあ、今からできることをやっていきましょう。

飲酒 と 歯について

皆さん、お酒は好きですか?私は晩酌はしませんが、飲み会の時は飲みます。以前はビールからの焼酎でしたが、最近はウイスキーが好きですね。ただ、20代の頃よりだいぶ弱くなった😞。悲しい・・・・・

さてお酒は歯や歯ぐきにとって悪いのでしょうか?それぞれについてみていきましょう。

 

☆お酒と歯💧

お酒と虫歯に直接の関係はあまりありません。しかし歯に悪い影響がないかといえば、あるとなります。

まず、お酒自体の問題ですが酸性のものがほとんどです。酸は歯にとって大敵、溶けてしまいます。頻繁に酸性のものを食べたり飲んだり、嘔吐を繰り返す方などにみられる酸蝕症という疾患があります。一度、『酸蝕症 写真』などで検索してみてください。でてくる写真などのようにひどくはなくても、影響がまったくないとはいえません。

 

そして、もう1つの問題はだらだら食べたり飲んだりすることです。お酒の飲み始めると、1杯飲んで終わることはまずありませんよね。飲んではつまんで時間をかけて味わうと思います。飲み会になると1次会、2次会、3次会となる方もいるでしょうし、シメまであったりしますよね。お口の中の環境は食事の後に酸性に傾きやすくなるのですが、唾液などの作用でもとの状態に戻ります。しかしだらだら食べたり飲んだりしているとこの作用が働かず、ずっとお口の中が酸性の状態になってしまうんです。これも歯が悪くなる原因となります。

 

さらにお酒を飲んだ後、歯磨きはどうしてますか?しなかったりしてませんか?したとしても、いつもより簡単にすませていませんか?私も、「もういいかな」となってしまう時があります。これもよくありません。

 

☆お酒と歯ぐき💧

お酒と歯周病についても直接の関係はあまりありません。しかし悪い影響はやっぱりあります。

まずは先ほどと同じですが、歯磨きが疎かになってしまうこと。気をつけましょう。私もですが、、、、、

 

そしてもう1つはお酒の持つ血管拡張作用から。歯周病が重度の方は、歯ぐきが腫れたり痛んだりしやすくなります。特に抜歯など外科的な処置を行った後は要注意!腫れが強くなったり、痛みが出やすくなったり、出血しやすくなったりといいことがありません。

 

時々聞くのがアルコール殺菌をしているのでいくら飲んでも大丈夫というものです。たぶん冗談で言っているだけだと思うのですが、これは間違いです。まずアルコールで殺菌作用を持たせるためには高濃度である必要があります。70%ぐらいで1番殺菌作用が強くなるのですが、こんな高濃度のアルコールを飲むと粘膜を直接傷めてしまいます。また、細菌の塊である歯垢(プラーク)はバリアに守られています。アルコールもこの中にまでなかなか浸透できないのです。

とはいってもお酒は楽しいもの。なんでもそうですが、節度をもって楽しむ、これが1番大事かもしれませんね。歯磨きをしっかりできるぐらいの、余力は残して飲みましょう。

転ばぬ先のお口の中!

今回はお口の中と転倒との関係についてです。

転倒は高齢者の3人に1人に起こり、そのうち約6%は骨折、約24%は重度の受傷に至ると報告されています。転倒は要介護になる、また介護状態を悪化させる原因として大きな割合を占めています。転倒には様々原因や対策がありますが、お口の中との関係についてしらべた研究・調査をみてみましょう。

☆歯の数が19本以下で入れ歯を使用していない方の転倒リスクは、歯の数 

 が20本以上の方の2.5倍であった。

☆入れ歯を使うことで上記の転倒リスクを半分に減らせる。

                      (調査対象65才以上の方。)

☆ある時点より0本から14本歯を失った方を基準として、大腿骨頸部骨折のリスクが、、、(大腿骨頸部骨折は起こるとほぼ歩けなくなります。手術や長期のリハビリが必要となり、要介護になる可能性が非常に高い骨折です。)

15本から27本歯を失った方で  4.1倍

すべて失った場合で        4.5倍     に増加した。

☆上記の結果から歯を1本失うごとに大腿骨頸部骨折のリスクが1.06倍に高まることがわかった。

(調査対象50才以上の方。)

などなど他にもたくさんの報告があります。

ではなぜこのようなことが起こるのか?考えられる経路をみてみましょう。

★虫歯や歯周病

歯の喪失、入れ歯の未使用(咬まない、咬めない。)

お口の周りの筋肉の機能低下、顎位の不安定

頭部の平衡性の低下、バランス機能の低下

転 倒

★虫歯や歯周病

歯の喪失、入れ歯の未使用

咬むところが無い

踏ん張りがきかない

転 倒

みなさん踏ん張る時はみなさん咬み締めますよね。咬み締められないと踏ん張りがきかないんです。これはスポーツ選手が歯並びを治療したり、スポーツ用のマウスピースをすることからもわかるのではないかと思います。咬まない、咬めないことによるバランス機能の低下、そしていざという時に咬む所がないため踏ん張りがきかない、、、。これが転倒に至る原因になっているんです。

 

実はこの話、高齢者だけの話ではありません。お子さんでも同じです。転倒などで受診されるお子さんは多いのですが、歯並びが悪かったり、顎が細い(普段よく咬んでないので顎やお口のまわりの筋肉が発達していない。)子がほとんどです。お口ぽかんのお子さんも多いですね。特に何度も転倒で受診されるお子さんでは、その傾向が顕著です。

 

そう考えると転倒、それに続く要介護を予防するための対策はこどもの時から始まっているといえるかもしれません。虫歯や歯周病予防はもちろん、歯並びを含めてしっかり咬めるようにしておく。今からでもできることはたくさんあります。さあ、歯医者さんへ相談だ。

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