お口の中と認知症?えっ関係するの?
今回はお口の中と認知症の関係についてです。関係してるのかって感じですよね💧。しかし数々の研究・調査によって因果関係があることがわかっています。簡単にですがご紹介させていただきます。
まずは認知症についてです。認知症は現在、要介護になる原因別疾患において第1位となっています。しかも認知症の程度により、肉体的には元気な状態から寝たきりの状態まで様々、介護する側も非常に負担がかかる疾患です。福岡で勤務していた頃は往診によくでており、認知症専門のグループホームにもお邪魔させていただいていました。実際、様々な状態の方がいらっしゃいましたし、だんだんと病態が変化していくことも目の当たりにしています。
ではお口の中と認知症との関係についてわかっていることをいくつか、、、
☆歯がほとんど無く入れ歯を使用していない方は、歯が20本以上ある方に比べて、認知症の発症リスクが1.85倍高い。
☆歯がほとんど無い方でも、入れ歯を使用することで認知症の発症リスクを4割ほど減らすことができる。
☆ある期間において、歯周病の進行が進んでいる方ほど、認知機能の低下が著名であった。
☆かかりつけ歯科医院が無い方はある方に比べて、認知症の発症リスクが1.44倍高い。
など他にも様々な結果が示されています。
【これらのデータは、年齢など、調べようとする因子以外の因子で、疾患の発生
に影響を与える因子(交絡因子といいます。)をきちんと調整しています。】
さて、次にどのように影響していくかです。いくつかルートが考えられています。
★虫歯や歯周病による歯の喪失
咀嚼能力の低下
食品選択の変化(柔らかいもの、炭水化物主体となります。)
栄養状態の変化(ビタミン類の摂取不足などが認知症になりやすいことがわかっています。)
認知症
★虫歯や歯周病による歯の喪失
咀嚼能力の低下(咬む回数の減少、飲み込むようになる。)
脳の認知領域の変化(脳への刺激減少、認知機能の低下。)
認知症
★虫歯や歯周病
慢性の炎症(炎症により産生された悪いやつの血液内濃度が高まると、認知症を発症しやすくなることがわかっています。)
認知症
認知症に今現在有用な特効薬は無いのが現状です。今後はより増えていくだろうと予想されており、政府予測で2025年に65才以上の約700万人が認知症になるとされています💧。つまりは要介護になるということです。
認知症についてはお口の中のことに限らず、様々なリスク因子や対策がいわれています。その中でも、お口の中の環境を良くしておくことは、認知症に限らず他の疾患に対する効果も含め、非常にコストパフォーマンスは高いと考えています。さあ、みなさん今から認知症予防に励みましょう。歯医者さん有効ですよ。
2023年3月13日 | カテゴリー:新着情報, 歯科の豆知識 Q&A, 院長からの発信 |