塩での歯磨きは❓
さて今回は塩での歯磨きについてです。一時期ですが結構流行って、塩を表に出した歯磨き粉も売りに出されていました。言っていいのかわかりませんが、美味しくないという評判も多かったです。ごめんなさい🙇。最近は表立って塩で磨こうとういう風潮は無いようですが、塩への信仰は根強いです。今でも、塩での歯磨きや、塩で歯ぐきのマッサージをされている方はまずまずいらっしゃいます。一体効果はどうなのでしょうか❓。
実はきちんとした研究報告もあります😲。塩には、たんぱく質を変性させて組織や血管を引き締める作用(収れん作用。)があります。歯周病の患者さんに塩を結晶体のまま、もしくは高濃度の水溶液や塗り薬に添加して使用すると、歯ぐきの出血や腫れといった症状が改善することがわかっています。組織学的(顕微鏡下の世界。)にも血管の収縮や白血球の減少が認められたと報告されているんです。歯ぐきの状態を改善する作用があることがわかっており、実は歯磨き粉の薬効成分にも名を連ねています😊。ただ、研究報告は昔のものしか無く、最近はほとんど研究対象にすらなっていないのが現状のようです。
その理由は明快です。塩よりも効果的に歯ぐきの状態を改善してくれる薬効成分があるからです。有名どころではトラネキサム酸やグリチルリチン酸などでしょうか。ほかにも研究がどんどん進んでいます。
また、塩だけで磨くと悪い点があります💦。歯磨き粉には歯ぐきを改善する薬効成分だけが含まれているわけではありません。ほかにもたくさんの有効成分が含まれています。
まずは、プラークや茶渋などを取り除くのを助けてくれる清掃剤(以前は研磨剤と呼ばれていました。)です。清掃剤はプラークや茶渋を取り除くのに極めて有効です。塩にはこのような作用はありません。他にも歯磨き粉をお口の中全体にひろげて磨きやすくしてくれる発泡剤、虫歯予防に有効なフッ素なども同時に含まれていることが多いですよね👍。そう、塩だけではこういった恩恵を受けることができないのです。これはもったいない。
現時点では塩での歯磨きよりは、普通に歯磨き粉を使っていただいた方がお口の健康のためにはいいと考えられます。歯磨き粉はどんどん進化しています。それを使わないのは損です。なにより塩での歯磨きは美味しくないです🥶。毎日続けないといけないのに、これだとほぼ苦行です。よほど何かないと厳しい、、、、、。どうせなら楽しく、おいしく歯磨きをした方がいいです。自分に合った歯磨きを見つけて使いましょうね。
2024年5月30日 | カテゴリー:新着情報, これがお薦め ホームケア, 歯科の豆知識 Q&A, 院長からの発信 |