歯磨き粉、目的に合わせて選びましょう😊
皆さんは歯磨き粉をどうやって選んでいますか❓味や匂いでしょうか❓それとも効能でしょうか❓最近の歯磨き粉はたくさんの有効成分が含まれていて、好きなものを使っていただいても大体大丈夫なのですが、できれば自分が必要とする効能があるといいですよね👍。パッケージにはその商品が売りとする効能が大きく書いてあることも多いので、それを参考にしてもいいでしょう。でもできれば何が効果を発揮しているのも知っておくといいかと思います😲。パッケージには効能として書いていなくても、有効成分としては含まれていることもあります。歯磨き粉を選ぶ時の参考にできるでしょう。今回は代表的な効能と、その有効成分を少し詳しくみていきましょう👍。
🌟虫歯予防、歯を強化したい。🌟
フッ素による歯の強化となります。歯の再石灰化(歯の表面が酸で脱灰、溶け出してもそれをもとに戻す作用のことです。)にも関わります。パッケージに書いていなくても含まれていることが多いです。9割以上の歯磨き粉にはフッ素化合物が含まれているという報告もありますね😊。
○フッ化ナトリウム(NaF)。
フッ素により歯の耐酸性を向上させます。歯の最表層の再石灰化に特に関わっており、反応は急速です。カルシウムと反応しやすいため、他の成分にカルシウム主体のものが含まれる場合は使えません。
○モノフルオロリン酸カルシウム(MFP)。
フッ素により歯の耐酸性を向上させます。歯の表層下の脱灰最深部の再石灰化に特に関わっており、反応はゆっくりです。フッ化ナトリウムとともに、よく使われているフッ素化合物となっています。
○フッ化第一スズ(SnF₂)。
フッ素により歯の耐酸性を向上させます。スズイオンによる殺菌効果がありますが、歯面に着色が起こることがあります。上記2つに比べるとシェアは少ないです。
🌟歯質を回復したい。特に歯の頭(歯冠。)の部分。🌟
虫歯予防とかぶるところもあります。虫歯などで失われていく歯の結晶(ハイドロキシアパタイト。)に対して、その成分、特にカルシウムを補給することで結晶の回復を促します😊。
○薬用ハイドロキシアパタイト(mHAP)。
歯の結晶そのものであるハイドロキシアパタイトからなります。歯の結晶成分を補給し、結晶の回復を促します。
○非結晶リン酸カルシウム(CPP-ACP)。
カルシウムなどのミネラルを補給し、結晶の回復を促します。また、酸に対する中和・緩衝作用もあります。
○リン酸三カルシウム(fTCP)。
カルシウムなどのミネラルを補給し、結晶の回復を促します。フッ素化合物の作用を向上する能力もあります。
🌟歯質を回復したい。特に歯の根っこ(歯根。)部分。🌟
🌟知覚過敏を抑えたい。🌟
歯の根っこの部分に作用して、歯質の回復を促してくれます。歯の根っこは年齢が上がるにつれて、また歯周病が進んだりすると露出してきます。歯の根っこに起こる虫歯(根面虫歯。)に対して強い作用を持ち、知覚過敏に対する抑制作用をもつものも多いです。歯の頭の部分と根っこの部分では結晶構造や構成成分が大きく異なるため、注意が必要です😲。
○ナノ粒子ハイドロキシアパタイト(nano HAP)。
歯質の結晶成分からなるハイドロキシアパタイトからなります。しかもnanoつきです。根面虫歯の進行や知覚過敏の抑制効果があります。
○乳酸アルミニウム。
歯の構成成分とはあまり関係ない成分ですが、根面虫歯の進行や知覚過敏の抑制効果があります。
○硫酸カリウム。
刺激の伝達をブロックしてくれるため、知覚過敏抑制効果が高いです。しかし硫酸って、、、、、。
🌟ばい菌を減らしたい。🌟
虫歯菌や歯周病菌そのものを減らしてくれる成分です。フリーレンの防御魔法、全面展開なみに守られた歯垢(プラーク。)の中に浸透する成分や、炎症が起きて増えている、もしくは、歯磨きのあとに残っている浮遊しているばい菌に効きやすいものとあります🦠。歯磨き粉だけでなく洗口剤にも含まれることが多いです。
○イソプロピルメチルフェノール(IPMP)。
プラークの中に浸透して殺菌してくれます。黒いゾルトラークですね🥶。安全性が高く、刺激性・毒性も低いです。比較的状態が安定しており、きちんと定期検診を受けられている患者さんに適しています。
○塩化セチルピリジウム(CPC)。
浮遊しているばい菌に効果が高いです。安全性が大変高く、低濃度で効果があるため、多くの歯磨き粉やそれ以外の商品でも使われています。
○グルコン酸クロルヘキシジン(CHX)。
浮遊しているばい菌に効果が高いです。日本ではアレルギーや過敏症などの問題から、濃度が低く設定されているのですが、ポテンシャルは高いです。
○ラウロイルサルコシンナトリウム(LSS)。
界面活性剤ですですが、殺菌作用も持ち合わせています。虫歯や口臭に効果が高いとされています。
🌟炎症を抑えたい。🌟
炎症を抑える成分は上記したばい菌を減らす成分と一緒に配合されていることがほとんどです。特に歯ぐきの炎症に有効ですね。
○グリチルリチン酸
(グリチルリチン酸ジカリウム、β-グリチルリチン酸など。)。
すぐれた抗炎症作用があり、最もよく使われています。
○イプシロンアミノカプロン酸(ε-ACA)。
炎症を誘発する酵素の働きを抑え、炎症の誘発を抑制します。特に痛みや腫れが出やすい方に適しています。
○トラネキサム酸(TXA)。
炎症を誘発する酵素の働きを抑え、炎症の誘発を抑制します。特に出血を抑制する効果が高いです。
○酢酸トコフェノール(ビタミンE)。
血行促進作用があり、歯ぐきを引き締めたい方に適しています。
🌟歯石や着色を取りたい。🌟
歯石や着色は有効成分の浸透力によってそれらが付きにくく、はがれやすくなります。汚れを浮かせる力といってもいいかもしれません。
○ピロリン酸ナトリウム。
歯面のカルシウムと結合することで歯石や着色を付きにくくします。また、歯石や着色に浸透し除去しやすくしてくれます。
○ポリリン酸ナトリウム。
歯面のカルシウムと結合することで歯石や着色を付きにくくします。また、歯石や着色に浸透し除去しやすくしてくれます。ピロリン酸ナトリウムとポリリン酸ナトリウムはどちらも歯石の沈着防止やタバコのヤニ除去として承認されています。
○ポリエチレングリコール(PEG)。
着色に浸透し沈着を抑制してくれます。また、プラークも取りやすくなります。
○ポリビニルピロリドン(PVP)。
着色に浸透し沈着を抑制してくれます。また、プラークも取りやすくなります。
ポリエチレングリコールやポリビニルピロリドンはどちらもヤニ除去として承認されています。
いかがだったでしょうか。主だったものを挙げてみましたが、結構多くなりましたね💦。でも、他にもたくさんあります。正直私もすべては把握できていませんし、聞かれてもよくわからないものもあります。歯磨き粉は各社工夫を凝らした、人類科学の結晶です。使わないという選択はありません。
毎日使うものですから、自分にあった歯磨き粉を使うことはとても大事です😊。虫歯が気になる方は虫歯予防に効果が高い歯磨き粉を、歯ぐきが気になる方は歯周病予防に効果が高い歯磨き粉を、知覚過敏が気になる方は知覚過敏に効果のある歯磨き粉を、歯石や着色が気になる方は歯石や着色を付きにくくする、除去しやすくしてくれる歯磨き粉を選択しましょう。パッケージには大まかな効能は書いてありますが、何が効いているのかも知っておくといろいろと便利です。そういった効能に加えて味や匂いが合えば最高です。是非楽しんでくださいね。
2024年10月21日 | カテゴリー:新着情報, お母さん達からよくいただく質問, これがお薦め ホームケア, 歯科の豆知識 Q&A |