ドライマウス(口腔乾燥)って何?
今回はドライマウス(口腔乾燥)についてです。
症状としては、
- 唾液の分泌量の減少(口がやたらと乾く。飲み込みにくい。)
- 唾液の粘性の亢進(お口の中がねばねばする。飲み込みにくい)
- 歯や粘膜の保湿度の低下(お口の中がヒリヒリする。入れ歯で痛みがでやすい。虫歯や歯周病が進行しやすい。)
(重度のドライマウスですとびっくりするほど虫歯の進行が速いです。治療が追い付きません💦。)
などがあります。
一般に高齢者に多いため、加齢による症状として認識されてきました。実際ドライマウスを常時自覚している高齢者は27.6%に上っています。しかしドライマウスの原因は多岐にわたっており、原因に応じた対応が必要になります。
☆原因① 加齢?
最近は、加齢だけで唾液分泌低下はほとんど起こらないとする報告も多いです。歯を失うなどして、あまり咬まなくなった、しゃべらなくなることによる、お口の周り全体の機能低下に伴うものともいわれています。
☆原因② ストレス
ストレスが多いとねばねばした唾液ばかりでてきます。
☆原因③ 薬剤
特に高齢者で多く、代表的な薬剤は降圧剤や安定剤、睡眠剤などです。服用し始めてすぐに症状が出る時もあります。この場合診断は容易です。しかし長期に服用することで徐々に症状が強くなっていく場合もあります。
☆原因④ 全身疾患
シェーグレン症候群、糖尿病、鉄欠乏性貧血、脱水などです。
☆原因⑤ 唾液腺への外科手術や放射線治療
☆原因⑥ 口呼吸
唾液量などが正常でもお口の中が乾燥しやすくなります。鼻が悪い場合は
耳鼻科の受診も要検討です。
それでは次に対応法をみていきましょう。
◎対応法①
お口の中や周りをしっかり動かして、機能低下を防ぎましょう。毎日の努力が大事です。
・食事はゆっくりよく咬んで食べましょう。ガムもいいですね。
・唾液がでやすい食べ物を積極的に食べましょう。梅干し、レモン、酢の物なんかがいいですね。私は梅干し苦手なんですよね、、、💧。
・唾液腺マッサージ。耳の前や顎の下をマッサージしましょう。やりかたはインターネットで検索してみてくださいね。
・口腔機能訓練。むずかしく書きましたが舌や唇、頬などの体操です。有名なものはあいうべ体操でしょうか。いろいろな体操がありますので、こちらもググってみてくださいね。鼻が悪くない口呼吸にも効果がありますよ。
◎対応法②
水分補給、保湿剤の使用
・軽度のドライマウスでは水分をしっかりするだけで改善することも多いです。
・保湿剤は大きく2種類です。粘膜の保湿を行う液体状の保湿剤(スプレー状が多いですね。)、粘膜からの蒸散を防止するゲル状の保湿剤です。症状にあわせて使い分けます。
◎対応法③
ストレスフリーな生活を、、、難しいですね。とりあえずスマホを投げ捨てますか。
◎対応法④
薬剤の中止・減量・変更。原因全身疾患の治療。
◎対応法⑤
唾液の分泌を促進する薬剤があり極めて有効なのですが、シェーグレン症候群や放射線治療を患者さんにしか保険適応がありません。
人によっては漢方薬が有効な場合もあります。
ドライマウスは重度になると日常生活にかなりの支障をきたします。防ぐには対応法①、機能低下を防ぐことが一番大事です。お口の周りの機能低下を防ぐことは、他の疾患を防ぐことにも繋がります。是非、毎日取り入れて歯医者さん知らずの生活を目指しましょう。