スポーツ時の経口保水液はどうでしょう❓
みなさん、経口補水液は飲んだことはありますか❓。有名なものですと、ОS-1(オーエスワン。)やアクアライトОRSでしょうか。脱水などの対策のため、常備している公共機関(学校や病院など。)も多いですね。最近では、自宅でも常備している方も増えているようですし、スポーツ時の水分補給に推奨されています。「飲む点滴。」なんて言われていますね。私の息子も部活や遠征時に持っていくことがあります😊。
スポーツ時の水分補給については、いろいろと変わってきています。一昔前、私がこどもの頃ですと、スポーツ時の水分補給はしないよう言われていた方も多いのではないでしょうか💦。全くもって非科学的な精神論なのですが、結構まかり通っていたように思います。当然、問題がでないわけもなく、だんだん水分補給が推奨されるようになりました。現在では、水分補給禁止なんて言っていたら訴えられそうですね。
水分補給が推奨されてきたものの、何が1番いいのかは難しいところです。水やお茶、スポーツドリンク、清涼飲料水など様々ありますね。好みもあるでしょうし、手軽に準備できることも大事ですね。ただ、1番大事なのはきちんと水分補給ができること、そして、汗で水分とともに失うナトリウムなどのミネラルも補給ができ、適度にエネルギーを含むのがベストです。こういった点でいうと、経口補水液は大変優れています。少しですが、項目別に優れた点や注意する点をみていきましょう。
◎利尿作用が無い。◎
利尿作用とは排尿を促進させる働きです。水分を補給したいのに、排尿を促進させると、いくら飲んでも出ていってしまう状態になります。効果が期待できません。
利尿作用はカフェインやカリウムを含む飲食物で強くなります。具体的にはコーヒーやお茶、紅茶、ウーロン茶、エナジードリンクやコーラなどの清涼飲料水、野菜ジュースなどです。あと、アルコールも強くなりますね。まあ、スポーツ時にアルコールは飲まないでしょう。経口補水液や水、スポーツドリンクにはこういった作用はありません。スポーツ時にお茶系列のものを飲むなら、是非カフェインレスのものにしてくださいね。水分補給を目的としていますから、分からない場合はきちんと調べてくださいね。
◎ナトリウムなどのミネラルが十分含まれる。◎
スポーツで汗をかくと、水分だけでなくナトリウムなどのミネラルも失われています。そのため、身体からナトリウムが減っている状態になります。水分をとると小腸から吸収されて、血管を通じて全身に水分がいき渡ります。しかし、細胞の中まで水分が取り込まれるためには、ナトリウムなどのミネラルも必要となるのです。身体からナトリウムなどのミネラルが減っていると、細胞の中まで水分が行き渡りません。つまり、水分をしっかり補給するには、ナトリウムなどのミネラルも一緒にとらないといけません💧。
その点を考慮すると、水やお茶、清涼飲料水はまったく駄目ですね。スポーツドリンクは一見良さそうですが、実はまったく足りません。ミネラルの量でいえば、経口補水液の半分ほどなのです。この点でいえば、経口補水液一択となりますね😊。
◎適度なエネルギーを含んでいる。◎
ここでいうエネルギーはブドウ糖と考えていただいてかまいません。1番手軽に補給でき、すぐに体が利用してくれるエネルギーです。飲用以外でもタブレットなど様々な製品が出ていますね。
この点では水やお茶は駄目ですね。経口補水液はブドウ糖が大体2%、スポーツドリンクは砂糖などの糖分が約6%含まれています。清涼飲料水ですともっと多く含まれているものもありますね。
どうでしょう。エネルギーの多いスポーツドリンクや清涼飲料水の方が優れていると思われますか。ところが、話はそう簡単ではありませんΣ(・ω・ノ)ノ!。
何故かといいますと、ブドウ糖の濃度が1~2%ぐらいの方が、水分やナトリウムなどのミネラル、そしてブドウ糖が最も効率よく吸収されることがわかっています。この濃度が低すぎる場合はもちろん、高すぎても駄目なんです。濃度が高い方が吸収されやすそうですが、回転ドアを想像してみてください。人が少なければ回転ドアが回っただけ、人が入ります。しかし、もともとの人が少ないため、中に入る人も少なくなります。人が多すぎると一気にドアの前に殺到、混雑してしまいます。結果として、うまくドアが回りません。ドアがスムーズに回る様にするには、適度な人数で順序良く進んでいくのが1番です。実際、経口補水液は、スポーツドリンクより3倍ほど吸収率がいいことが研究でも明らかになっています。
こういったことを考慮し、一時期スポーツドリンクを薄めたらいいのではないかという話がありました。ペットボトル症候群の問題もありますので、そのままよりいいのかもしれませんが、これでは肝心のミネラルも減ってしまいます。ただでさえスポーツドリンクに含まれるミネラルは経口補水液の半分しかないのに、ますます足りなくなってしまいます。やはり経口補水液の方が優秀といえますね。
◎pHが中性。◎
経口補水液のpHは中性です。水も中性、お茶も中性に近いですね。しかし、スポーツドリンクや清涼飲料水は酸性のものがほとんどです。何が問題かといいますと、頻繁に飲んでいると歯が溶けてくるんです🦷。これを酸蝕症と呼んでいます。以前は酸を使う仕事の方に起こる職業病だったのですが、現在では酸性のものを頻回摂取することで、一般の方にも珍しくない病気となっています。健康のため毎日お酢を飲んでいる方や嗜好品としてワインなどをよく飲まれる方などによくみられます。スポーツドリンクや清涼飲料水を飲む機会が多いスポーツをしている方にも多いですよ。特にスポーツ系の部活を熱心に取り組んでいる中学生や高校生は注意が必要です🥶。
◎虫歯には少し注意です。◎
先ほど少し触れましたが経口補水液にはブドウ糖が含まれています。これには少し注意が必要です。ブドウ糖は虫歯菌の大好物だからです🦠。この点では水やお茶の方が安全といえます。
スポーツドリンクや清涼飲料酢はもっと注意が必要です。中学生や高校生になり部活を頑張る様になって、急に虫歯ができやすくなることは多いです。話を聞いてみるとスポーツドリンクや清涼飲料水を部活中はもちろん、家でも常飲するようになったという話はよくあります💦。小さなお子さんでも、下痢になった際に、スポーツドリンクを飲むように勧められて、下痢が治った後も水分補給にいいと思い与え続けて結果、虫歯がたくさんということもあります💦。
◎あまりおいしくないです。◎
みなさんは経口補水液を飲んだことはありますか❓。飲んだことある方はわかると思うのですが、通常の状態で飲んでもあまりおいしくないと思います。実はこれは良いことで、このため飲み過ぎることがありません。一方、脱水などが進んでおり、身体が水分やミネラルを欲しているときはおいしく感じられます。すなわち、おいしく感じれば身体が脱水状態にある可能性が高いということになります。私も1度、風邪でのどがすごく痛んで、食べるのはもちろん、飲むのも苦痛という状態になったことがあります。やはり脱水状態だったのでしょう。ОS-1が初めておいしいと感じました😊。ちなみに絶対コロナだと思ったのですが、陽性反応はでませんでした。歯医者さんを開業して初めて臨時でお休みさせていただいたのもこのときです。
◎少しお高め。◎
水やお茶、スポーツドリンク、清涼飲料水に比べると若干お高めですね。まあ、良いものは高いんです💰。
◎売っているところが限られる。◎
製品の特性上、どこにでも置いてあるものではないですね😢。
スポーツ時の経口補水液の活用は有効といえます、スポーツの時以外でも病気の時や脱水の疑いがある場合もいいですね。ただやっぱり、常飲するものではありません。その点は注意してくださいね。
2025年1月16日 | カテゴリー:新着情報, 歯科の豆知識 Q&A |