お役立ち記事
お知らせ
採用情報
熊本県熊本市中央区の大人と子どもの診療室-ひかる歯科ちえこども歯科へのお問い合わせ電話番号
お知らせ
HOME >  根面う蝕ってなに?

根面う蝕ってなに?

みなさん根面う蝕をご存じでしょうか❓根面虫歯といったほうがわかりやすいでしょうかね。その名の通り、歯の根っこの部分にできる虫歯のことです。歯の根っことは何ぞや?と思った方もいるかもしれません。歯は頭の部分(歯冠といいます。)と根っこの部分(歯根といいます。)に分かれています。それぞれ簡単に説明していきましょう😊。

 

🌟歯の頭の部分(歯冠。)。🌟
通常みえている部分です。エナメル質といわれる生体において1番硬い組織で覆われています。一般に虫歯というと、この部分にできたものを指していることが多いです。

 

🌟歯の根っこの部分(歯根)。🌟
通常は歯を支えている歯ぐきや骨に囲まれている部分です。ですから歯ぐきや骨が減っていない、無くなっていない状態なら見えません。しかし歯ぐきは、年齢とともに少しずつ減っていきますし、歯周病が進んでいる方や、歯ブラシをあてる力が強い方、咬む力が強い方などはさらに歯ぐきや骨の減るスピードが上がります。だんだんと歯の根っこがみえるようになってしまうんです😞。

 

この歯の根っこには前述したエナメル質がありません。硬さに関しては歯の頭の部分より劣るため(それでも骨ぐらいの硬さはあります。)、露出すると削れやすく、知覚過敏を起こしやすい部位でもあります。
さて歯の根っこのついてわかっていただけたでしょうか。基本的に年齢があがるほど、見えてくることが多くなります( ノД`)シクシク…。10代、20代まではよほど特殊な原因でもない限りみえていることはないですね。

 

根面虫歯はこの歯の根っこに起こる虫歯になります。歯ぐきや骨に歯の根っこが覆われていれば、根面虫歯にはなりません。根面虫歯ができるには歯を支える歯ぐきや骨が減ってしまい、歯の根っこが露出してくることが必要十分条件になります。そのためこの根面虫歯は、御高齢の方に多い虫歯となります😲。

 

さて、今回この根面虫歯を取り上げたのは理由があります。みなさんは虫歯の数や虫歯罹患率が、昔に比べて増えているか、それても減っているかご存じでしょうか❓ほとんどの方が減っていると答えることができたのではないでしょうか。実際全体的にはその通りです。昔は虫歯の洪水といわれた時代もあるぐらい、虫歯に溢れていました。今はそういったことはありません。特に19才以下のお子さんにおける虫歯の数および虫歯罹患率の低下は顕著ですね👍。本人や保護者の方々の意識の変化や仕上げ磨きなどの努力、歯を強化するフッ素の活用など様々や要因がありますが現在もこの減少傾向は続いています😊。

 

ところがです。実は虫歯の数や虫歯の罹患率が増えている年齢層があるんです😲。それが65才以上の方々です。この原因の多くを占めるのが根面虫歯といわれていますΣ(・ω・ノ)ノ!。
ではなぜ根面虫歯が増えているのでしょうか❓理由を見てみましょう。

 

●平均寿命の上昇と歯を失う高齢者の減少💦。
誤解しないでいただきたいのですが、いいことなんです。しかし、長く生きれば生きるほど、そして残っている歯が多いほどか虫歯になるリスクが高いのも事実_| ̄|○。御高齢の方は全身状態の悪化に伴いお口の中の環境も急激に悪くなることが少なくありません。根面虫歯もその中に含まれます😞。

 

●御高齢の方ほど歯ぐきが減っていることが多い💦。
前述した通り、歯の根っこは基本的に年齢が上がるほど、でてくることが多くなります( ノД`)シクシク…。しかも磨きにくいことが多いΣ(・ω・ノ)ノ!。ただでさえ御高齢になるにつれ歯磨きがしんどくなるのに、難易度も上がります。どうしても悪くなりやすくなってしまうんです😢。
うーん。如何ともし難いですな(-ω-;)ウーン。予防するのもなかなか難しいそうです。でもそういうわけにもいきません。

次に根面虫歯の特徴を見ていきます。その後、現在行われている予防法や対処法をみていきましょう👍。

 

【根面虫歯の特徴】
・歯の頭と歯の根っこの境目から始まることが多く、歯の根っこの方向や横方向に広がっていく。
・深い虫歯になることは少なく、広範囲に浅い虫歯になることが多い。
・進行は比較的ゆっくりしている。
・痛みがでにくく、気づきにくい。
・色は黒や暗褐色。
・全身の健康状態によっては急速に悪化する。
・根面虫歯が進行すると破折し、歯の頭の部分が取れてしまうことがある。

 

根面虫歯の特徴はこんな感じでしょうか。実は一般に虫歯といわれる、歯の頭の部位にできる虫歯とは少し違った特徴を持っています!根面虫歯についてはまだわかっていないことも多く、長期間経過を追った研究もあまり無いのが実情です😞。人間が長生きするようになってでてきた、新しい病気の1つなのかもしれませんね。

さて、それでは現在行われている予防法や対処法です。

 

 

🌟歯ぐきが減っている方に対して。🌟
まだ根面虫歯ができてはいないけれど、歯ぐきが減っている方には根面虫歯について説明を行います。虫歯は知っていても、根面虫歯については知らない方がほとんどです💦。歯の根っこが弱い部位であることの説明や磨き方の説明、定期的な観察、フッ素塗布による歯の根の強化などを行います。実は根面虫歯の予防を目的とした歯磨き粉も売っていたりしますのでお薦めですね。やっぱりならないのが1番です😊。

 

🌟初期の根面虫歯に対して。🌟
多くのみなさんは虫歯をどうするかと聞かれれば、削って詰めたりかぶせたりを想像しますよね。しかし初期の根面虫歯でそういったことは行いません。削ったりする治療をするのではなく、継続して管理するのが基本です👍。患者さんに根面虫歯の位置を説明し気を付けていただきます。定期的に受診していただき悪くなってないか確認、フッ素を塗ることで歯を強化したりします。近年65才以上の方を対象に、根面虫歯に対するフッ素塗布が健康保険に導入されました。それだけ問題が大きくなっていることの表れでもあるのでしょう😞。

 

根面虫歯に対する予防法として特徴的なものとしてはサホライドの塗布もあります。サホライドとはフッ化ジアミン銀を主成分とし、非常に強い虫歯抑制効果があります。しかしいかんせん、塗布した部位が黒くなってしまうため大人の歯には基本ご法度となっています。治療がうまくできないお子さんの、虫歯の進行止めとしてこどもの歯に使うことが多いお薬です。しかし根面虫歯はみえにくい部位であることが多く、黒くなってもあまり目立ちません。そのため根面虫歯に足して大変有用なお薬となっています。

 

🌟削っての治療が必要な場合は❓🌟
でもやっぱり削っての治療に踏み切らないといけないときもあります。根面虫歯はできる場所が治療しにくいことが多いため、私達歯医者さん側もできるだけ避けたいのが本音なのですが、どういった場合か挙げていきましょう😊。

 

○根面虫歯の進行が止めることができない場合💧。
○根面虫歯が大きく、清掃が難しい場合💧。
○患者さんの様々な事情により、定期的な受診ができなくなる場合💧。
などなど。管理よりも治療のメリットが大きいと判断した場合です。ただしこの場合も管理による虫歯リスクの低減ができていないと、良好な結果は望めません。やっぱり管理は大事です😊。

 

根面虫歯はあまり大きく取り上げられることは無いのですが、静かに増えています。近年、根面虫歯に対するフッ素塗布が保険導入されたことからもそのことがわかります😞。わかっていないことも多く、なかなか対応がむずかしい虫歯でもあります。しかし、どんな病気かしっているだけでも将来への予防につながります。どうか記憶の片隅にでも入れておいていただけれ幸いです💖。